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『ようこそ映画音響の世界へ』

原題「MAKING WAVES:THE ART OF CINEMATIC SOUND」

◆内容◆
映画における音の重要性に焦点を当てたドキュメンタリー。映画の歴史を振り返りながら、様々な名作を例に、効果音や音楽などの音が果たす大きな役割について、ジョージ・ルーカスやスティーヴン・スピルバーグ、デヴィッド・リンら偉大な映画監督や、音づくりのスペシャリストたちへのインタビューを通して明らかにしていく。




映画が【総合芸術】と言われる所以。

映像作品の50%は音響によって成り立ってる事を作品全編を通して見せてくれる。

知識としては割と持ってる方だったけど『トップガン』の戦闘機音に関するエフェクトには驚かされたなぁ、まさか戦闘機の音が「ツマラナイ」とは!(笑) それに動物の声を足してあの迫力ある爆音に変化させた技術と言うか発想が凄い!感服だわ。

個人的には李安監督が『ブロークバック・マウンテン』の風音に関して語ってくれたのが嬉しかったな。

後半で「技術の世界は男性のイメージが強いけど実は女性が携わってる事が多々ある」と言ってたのが印象的。「指先の仕事で筋肉は要らない」って笑いながら話してるの良かったな。
或る意味、女性の方が思考が細かいと思うのでそこは納得。

まぁ、とにかく名立たる音響のプロ達の貴重な経験談や携わった作品の苦労話、或いは成功に導いた工夫が聞けるので楽しくて仕方ない。
中でも音響のカテゴリー分けやそれに関する技術や使用する機材やアイテムの詳細をしっかり見せてくれるのが興味深かった。

PIXAR作品のゲイリー・ライドストロームやルーカス作品のベン・バートの登場など王道の話題も組み込んでマニアック路線になり過ぎない様に軌道修正しているのは観客に対する配慮だと感じた。

映画好きなら観ておくと良い一本。アナログからデジタルへ移行した変遷をリアルに体験して来た身としては再確認の内容だしサウンド・エフェクトの楽しさを体感できる作品。

とにかく映画の【サウンド】がどんな風に作られるのか、そしてそれが如何に素晴らしい技術を要するのかが解り易く描かれてる。


2020/12/03


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