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映画感想『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

原題「ENNIO (aka THE GLANCE OF MUSIC)」

◆あらすじ◆
「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、2020年7月に91歳でこの世を去った映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネを偲びつつ、その偉大な足跡を辿る音楽ドキュメンタリー。長年親交のあったトルナトーレ監督が晩年のモリコーネに5年以上にわたる密着取材を敢行し、本人の口から明かされる葛藤と栄光の音楽人生を振り返っていくとともに、クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ、ベルナルド・ベルトルッチはじめ総勢70人を超える著名人のインタビューを通してその功績と創作の秘密を明らかにしていく。


数ある楽曲の中、私にとってのモリコーネは
『荒野の用心棒』で銃をチャってやって
『夕陽のガンマン』でトリガーに指をかけ
『ソドムの市』で一度狂い死に
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』で禁酒法に手を染めて
『スキャンダル 愛の罠』でイタリアンエロスに溺れて
『アンタッチャブル』で「Perfect!」の使い方を覚えて
『ザ・シークレット・サービス』でノールックで銃を組み立てて
『ヘイトフル・エイト』でホラー感溢れる"新しいシンフォニー"に触れた。


みたいな? ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、


得てして感動的な大作への楽曲提供が話題になるがエンニオ・モリコーネと言う作曲家は実に多岐に渡る作品を手掛けている。
「えっ⁈ これもモリコーネなの?」ってなる作品も多々ある。

携わる映画で自らの音楽を総合芸術の頂に至らしめた彼の作品は宗教的且つ反宗教的で既存に捉われない前衛さを持ち、或る意味"過激"だ。

その全ては感情として生み出され映画そのものを昇華させる。

スクリーンに映し出される彼の部屋の雑多さとそれを美しいとまで感じさせるその感性。

どんな映画にも手を抜かないホントに素晴らしい音楽家だと改めて思える一作。

誠実に感性が吹き込まれた音楽だからこそ数多に感動を与えられるんだな。

彼の生い立ちから近年の作曲活動まで網羅され有名人ファンも出演する見応えの一作。

やはり映画は【総合芸術】として観なくちゃ。
もしかしたら彼の音楽は【オルタナティヴ クラッシック】と呼べるのかもしれない。


な訳でホントに素晴らしい映画界の宝です。


目が節穴なアカデミー賞なんて獲らなくても彼の素晴らしさは世界中が知っている。
だって、映画観なくても彼の楽曲はきっと誰もが何処かで聴いたことがあるから。


作品中に大好きなシーンが幾つも出てきてこんなに名作のオンパレードが観られるとは!!ってそれだけでもこの作品の価値は大きいと思うけど特にパゾリーニ作品とかモリコーネが映画に携わり始めた初期のもうなかなか観る機会の無いような作品とか観られたのがウレシたのし大好き!!だったよ~。


とは言え…

まぁ、なにより『ニュー・シネマ・パラダイス』や『海の上のピアニスト』みたいな、いわゆる"感動作"と言われるモリコーネ作品をほぼ観てないと言う私の捻くれぶりが露見するドキュメンタリーでもあった事は記しておく(笑)


2023/01/22


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