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核兵器不要論。

1945年8月に広島と長崎に原爆が投下。それから75年以上、戦争で核す兵器は使用されませんでした。その間に水素爆弾とミサイル搭載の2回の革命を遂げた核兵器はICBMや潜水艦搭載型、多弾頭型と進化が進んでいます。そしてロシア軍が戦術核を使用する危機も高まっています。

中国・ロシア・北朝鮮と周辺国が核兵器を持ち、領土占拠を狙っている状態で、日本も核兵器を保有すべきとの声が高まっています。僕は日本史を研究していますが、僕の意見は「保有すべきでは無い」です。

敗戦で米国の占領下となった時に、武力放棄を迫ったGHQに対して、吉田茂首相は「軍事は米国の言う通りにして、我々は経済に力を入れよう」と方針を決めました。これが吉田ドクトリンで、福田政権や佐藤政権など自民党の歴代政権はこの吉田ドクトリンを守って来ました。

国際政治に詳しい伊藤貫氏によると、過去にアイゼンハワー・ニクソン・トランプの三名(いずれも共和党)の大統領が日本に核兵器保有を提案したものの、日本側が断ったそうです。最近では国際的な情報監視グループ(ファイブアイズ)への参加の誘いも断りました。

日本は他の国と違います。世界唯一の被爆国が、対抗手段とは言え、核兵器を保有する。保有する以上は、核攻撃を受けた時には撃ち返す。それは本当に正しい選択なのかを、立ち止まって考えるべきだと思うのです。

一度核兵器を保有すれば、周辺国との緊張関係は格段に増します。我々は防衛の為だと考えていても、中国や北朝鮮は「日帝が再び大陸侵略の野望を持った」と大騒ぎするのは必至です。そうすると尖閣諸島についても「日帝が奪った島」と大々的に宣伝工作を仕掛けられます。

かと言って、「日本がミサイル攻撃を受けても、国際社会の同情を買う為に反撃しない方が良い」とNewsweek誌に投稿がありましたが、ナンセンス極まり無いです。そんな下らない意見には誰も賛成しないでしょう。

今後の日本が周辺国に対してやるべき事は、「もし日本を攻撃したらどうなるか」を相手に理解させる事だと僕は思います。

2発の原爆を投下した米軍では、あと20発以上の原爆を投下する予定でした。原爆を何発落とそうが戦争は終わらない。11月に南九州に上陸して、翌3月に関東に上陸して、東京を占領しない限り、終わらないと悲壮な覚悟をしていました。日本側も同じく「日本人が2千万人ぐらい死ねば、米国も嫌になって和平になるだろう」と覚悟していました。

マッカーサーは厚木飛行場で狙撃を恐れて予定と違う場所に降り立ち、ビクビクしながらタラップを降りました。ミズーリ号の降伏調印式では、直前まで緊張でゲーゲー吐き続けました。それだけ日本が怖かった。

平安時代末期から江戸幕府誕生に至るまで何百年も弓矢や槍を交わし、太平洋戦争でもゼロ戦や空母の機動部隊や大型潜水艦を創り出し、捨て身の特攻攻撃を敢行した。

こんな超戦闘国家のDNAを持つ民族を下手に攻撃をすれば、文字通り「.眠れる獅子」を起こす事になります。
同時にすべての都市を破壊して日本人を全滅させない限り、何年でも海を渡って鬼神の如く報復を続けるでしょう。

普段は大人しい人間が怒った時程、怖いものは無いです。核兵器を保有する国々には、一発でも撃ったら100年先まで「虐殺国家」と国際社会から批判される覚悟、そして自分達が復讐で滅ぼされる覚悟があるのでしょうか。

撃たれた傷は癒えても、撃った罪は人類史が続く限り消えません。そんな国に、間違っても日本はなるべきではありません。





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