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大人はなぜ泣き続けないのか

3歳の息子。
彼にはとても仲の良い「えーちゃん」という男の子がいる。

えーちゃんは毎日、あーそーぼと声をかけてくれる。
車遊びや追いかけっこ、即興ダンス、
いつもバカをやるのに付き合ってくれた。

そんなえーちゃんが引っ越してしまうことになった。
突然の話でみんながびっくりした。
1番の仲良しがいなくなってしまうことに
本人たちよりも、大人たちが悲しんだ。

けれど、縁とは本当に不思議なもので、
なんと私の地元にえーちゃん家族が引っ越すとのこと。
まさかえーちゃんが地元の後輩になるとは。

えーちゃん家族が引っ越して2週間もしないうちに
早速実家に用事があり、えーちゃん家族と再会することに。

久しぶりに会った男の子2人は、最初はお互いモジモジしていたが
時間の経過と共に、空白の2週間を埋めるかのように遊び倒した。
大人になれば、2週間会わないことなんて当たり前なのに、子どもは忙しい。

日も暮れてきて、そろそろ帰ろうか、と親同士で片付けを始める。
子供たちにずっと遊ばせられるならずっと遊ばせたい、
そう思いながら子供たちへ「そろそろ帰るよ」と伝える。
もちろん言うことなんかきかない。
帰ろうとしない子供たちを無理やりはがし、親同士で、ではまた今度と挨拶をする。

えーちゃんはすんなりと離れるが、息子は
「えーちゃんと遊びたい!えーちゃんともっと遊びたい!」と泣きわめく。
それを見て、えーちゃんの家族も、うちの家族も泣きそうになる。

***

大人になると、楽しい時間や楽しいことなんかは、
長く続かないことをよく理解するようになる。

小学生の頃の放課後、夏休み、部活、バンド、
大人になればパーティーピーポー、インスタ映え、

そんなことに意味なんてないことはみんな知っていた。
なにかをするときに意味や価値を求めだしたのはいつからだろう。

いつか終わりは来るからとしたり顔をして、今を大人ぶってみるのか、
この瞬間は一生終わらないと、全力で生きるのか
泣き続ける3歳の男の子を抱えながら、大人ってなんだろうなと考えた。

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