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「仏教の教えをより広く伝えるためにエンターテイメントの活用を進めるお坊さん」前編 即興音楽家/僧侶 赤坂陽月さん

●ご挨拶と出演者紹介

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三木:マインドフルビジネスストーリー第195回放送させていただきます。今日は即興音楽家で僧侶の赤坂陽月さんにZoomストリーミングのほうでライブ出演していただいております。本日はどうもありがとうございます。

赤坂:はい、赤坂陽月です。よろしくお願い致します。

三木:赤坂さんとはZen2.0で色々ご協力いただいたり、新しい仏教についても色々とお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。

赤坂:はい。

●enmonoとの出会いについて

三木:今日は赤坂さんにお話を伺えるのをとても楽しみにしていました。赤坂さんと私の(出会いの)きっかけはZen2.0っていうイベントを鎌倉でやっておりまして、そのつながりはジュリアさんのご紹介であるイベントに行った時に赤坂さんが演奏されていてそれですごい感激して。

赤坂:ありがとうございます。

三木:それで「Zen2.0にジョインしていただけませんか?」ということでお声掛けしたところがきっかけだと思います。あれってどれぐらい前でしたっけ?

赤坂:一昨年のZen2.0からお手伝いさせていただいてたので、ちょっと前ですよね。

三木:ジョインしていただいてすぐに「登壇者の司会をお願いします」みたいな無茶振りをしたんですけど、結構上手に受けていただいて。

赤坂:ありがとうございます。僧侶になる前は演劇とか音楽とかしてたもので、司会っていうと喜んでやるっていう人種なので。

●赤坂さんのこれまでの活動と僧侶になったきっかけ

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三木:赤坂さんがお坊さんになる前の活動からどういうご経歴で今に至ったのかっていうのをお話いただけますか?

赤坂:分かりました。私が僧侶になったのは2015年ですので、今から約5年前になります。その前は音楽と演劇ですね。音楽を中心に表現活動をやっていました。

音楽・演劇

三木:どんな音楽をされてたんですか?その時は。

赤坂:音楽はヒューマンビートボックスといって口で出す音を使って色んな音楽を表現するというフォームなんですが、20代前半の頃から本格的に活動を始めて、音楽だけで生計が立てられるようになりたいという想いから、その活動の場を海外に持って行ったんですね。なぜ海外かというと、海外ではバスキングと言って日本でいう路上ライブみたいな感じで、路上でパフォーマンスをして道行く方から投げ銭というかドネーションをもらう、もしくは自分のCDを販売するということが一般的というか、国によっては良ければちゃんと入れてくれるという。チップの文化がある国だとそういうところがあるので。

三木:それはいくつぐらいの時ですか?海外に行かれてたのは。

赤坂:もうすでに30歳か31歳かそれぐらいですね。

三木:どの国に行かれたんですか?

赤坂:オーストラリアに初めに行きまして、シドニーという一番大きな町で始めてから、オーストラリアの色んな町を旅するように移りながら演奏と生活を続けていた感じですかね。

三木:それはどれぐらいの期間?

赤坂:オーストラリアは3ヵ月間ですね。東日本大震災後の福島で演劇活動をしていたので、その舞台が終わってオーストラリアにすぐ行って、次の舞台があるからっていうので3ヵ月でまた帰って来て舞台に出て、今度はニューヨークに行ってみたいな。

三木:オーストラリアとアメリカ。

赤坂:そうですね。アメリカのニューヨークですね。

三木:何で海外に行ってみようっていう感じになったんですか?

赤坂:まず言葉に関しては英語はある程度できて、英語圏の国であればすぐにそんなに問題なく生活ができるっていうことと、チップの文化がある国で、自分の音楽を通して直接的にお金、生活費をいただけるっていう生活ができる場所を求めてということと、なおかつ自分の音楽のレベルアップにつながるという想いで海外に行ったということですね。

三木:そのような音楽をやりながら海外を色々と回ってらっしゃって、どういう経緯でお坊さんになったんでしょうか?

赤坂:私が僧侶になったきっかけは私が高校生、大学生ぐらいの頃に父が一般人から僧侶になったんです。親戚からのご縁で岩手県のお寺の住職になりまして。私は父がお坊さんになった頃は自分もお坊さんになるとは思わなかったんですが、演劇とか音楽とかそういった活動を通して人間的成長をしてきたなって思ったんですね。その中ですごく人生とは何かっていうことだったりとか、人生の目的とか、生きることってどういうことなのかっていうことに自然と興味を持つようになりまして、将来的には父の跡を継ぐこともいいのかなって思い始めたのが30代になった頃だったんです。私が日本と海外を行き来しながら好きなことをやっている中で父と話をした時があって、「将来跡を継ぐつもりがあるなら、今このタイミングでできるだけ早いうちに修行に行ったほうがいい」という助言をもらって、私的には自分のミュージシャンとしてのキャリアが始まったばっかりというのはあったんですが、一旦それを中断して、それならば修行に行こうという想いで決心に至ったという流れですね。

●お坊さんになるための修行とアメリカの仏教との比較

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三木:どこのお寺で修行されたんですか?

赤坂:福井県の御誕生寺というお寺です。

三木:ごらんろう寺?

赤坂:お誕生日の御誕生ですね。御誕生寺というお寺で曹洞宗のお寺なんですが、曹洞宗では一仏両祖と言って道元禅師と瑩山禅師という方がいて、曹洞宗を作った道元禅師とそれを広めた瑩山禅師というお二人をどこの曹洞宗のお寺に行っても祀ってるんですが、その瑩山禅師が生まれた場所にちなんで御誕生寺と名付けられたお寺なんですね。

三木:何年ぐらい修行されたんですか?

赤坂:そちらでは2年半ほどいましたね。途中で2年修行が終わったところで海外の曹洞宗の禅センターだとか…

三木:アメリカの禅センターですね。

赤坂:そうですね。アメリカの禅センターとか日系寺院を3ヵ月かけて1人で研鑽に回らせていただくという機会をいただきまして、曹洞宗の日本の修行僧を代表する形で禅センターとか日系寺院で修行生活の経験もさせていただきました。

三木:アメリカの曹洞宗とか見てどういう風に感じました?

赤坂:日本のお坊さんと比較するっていうのは背景が違いますので語弊があってはいけないかと思うんですが、アメリカですと座禅修行を目的として一生懸命座禅と禅修行に取り組まれているっていう印象がありますね。日本っていうのは宗派に限らずおそらく7~8割以上は実家のお寺を継ぐためにお坊さんになると思うんです。そういう意味ではアメリカっていうのは檀家制度もないですし、世襲での僧侶というのもないですし、何のためにお坊さん、僧侶になるのかっていうところで元々の修行の目的というものを踏襲されてるのかなという印象が非常にありました。

三木:私もアメリカの曹洞宗の天平山というカリフォルニア州の上のほうの非常に広大な敷地の中にある新しいお寺を作るプロジェクトの敷地にお邪魔したことがあったんです。

赤坂:天平山はまさしく私もその研修中に行きまして、天平山は2~3週間おりまして、当時は大工さん2名と瓦屋さん3名ぐらいとその奥さん1人と皆さんの食事を毎食毎食作るという…

三木:典座っていうやつですか?

赤坂:いわゆる典座(てんぞ)って言ってお寺の中で食事を作る人のことですね。お寺が始まる前のお寺ではありましたけど、そういった食事作りの修行というか任務をさせていただいて。

三木:天平山はすごい記憶に残ってるのは、鎌倉の建長寺とかも760数年前に中国からお坊さんがいらっしゃってその当時地獄谷と言われていた場所にお寺を立てるプロジェクトで今は建長寺が建ってすごい清浄な聖なる場所になってるんですが、その当時は死刑場というか刑場跡地で、でもお寺を建てて人々の祈りによってその土地が浄化されたっていうのが760数年前。ちょうどアメリカに今そのお寺を日本から来たお坊さんが建ててるっていうのが、鎌倉時代に中国から来てお坊さんが建てて760数年経って今しっかりと日本に禅が根付いてるのと同じように、そこのお寺がしっかりアメリカに禅が根付く最初のポイントを間近に見てるっていう感動があって。まさにそれは鎌倉の800年前を見てるのと同じ感動があって。そういう見方で見てたので、こうやって宗教っていうのはその土地に根付いていくんだなっていうのがすごい伝わってきたのがあって、だから800年経つともう禅は世界宗教になって、日本には残り少なくて逆にアメリカ大陸で繁栄していたりとかいうこともあり得るのかなっていう気もしたり。

赤坂:そうですね。インドではもうほとんど仏教が残ってなかったりとか、中国でもやはりかつてのような状態ではなかったりっていうことがあるのと、仏教の最先端がアメリカにあるっていうような話があったりもするぐらい非常にアメリカの文化の特色、パイオニア精神というか、それが良くも悪くも今のアメリカの仏教を表してるっていう印象はあるんです。やはり日本では江戸、明治と檀家制度、世襲制度となって日本でも本当にすごくターニングポイントではあると思うんですね。いったい仏教って何なんだろう、禅って何なんだろうっていうところで、今これから私達僧侶はどうしていくのかっていうのがあります。

▶後編に続く

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