お前は嫌われている

「ゼンさんはインプロ業界から疎まれているんだから、もっと頭を下げないとダメだよ、もったいないよ」

旗揚げ公演3日前にこんな事を突然言われた。

話題は、
俺　キャストがなかなか決まらないんだよぅ
彼　今回の公演の公演のチラシ人に見せるものじゃないよね
俺　・・・まぁね、（PCにリゼロの再生画面を見つける）
　　リゼロまた放送してるよね、リメイクなのかな？どこが違うんだろ？
彼　ゼンさんはさぁ、業界から疎まれてるんだからもっと下ることを覚えなきゃ。
俺　下る？
彼　低姿勢って言うのかな？ほら稲穂かなって言葉あるじゃん
俺　どうなんだろうね？過去に何度か試みたけどそこじゃないみたいだったよ
彼　俺を見てみなよ、いまや・・・・
　　以下彼の地位と人脈の自慢話が永遠と続く・・・

彼が言いたかったのは

「もったいないよ！」

俺の心に届いて刺さったのは

「疎まれている」

そして
「ああ、俺、インプロ業界の人に嫌われているんだ」


いやいや、公演3日前にこんなイベント発生するのか！？さすがオレ！
もうメンタルボロボロ、なんにも手が付かない
夜は眠れないし、仕事はしなきゃだし、準備や公演の録画機材や配信の準備や確認やあれやこれや、もーーーーー

でも

コ　コ　ロ　ガ　ウ　ゴ　カ　ナ　イ

もう、ロボですよロボ作業進行ロボ

創作活動できる状態じゃない！！

そんな状態でも時間は過ぎていくもので、公演当日
朝3時まで準備して、10時に小屋入り
機材チェックしてよしよしなんて思っていたら
電車遅れて主役がぎりぎり小屋入り

もう何でも来いだ！

遅れてきた責任感からか普段の2.5倍で動く喋る主役

「ちょっと深呼吸したほうが良いんじゃないか？」

声をかけるも主役ちょっと不機嫌

もう俺のことはどうでもいいや、
いま劇場の中にいる人全員を幸せにする方法を考えよう！

公演の企画内容は「1日で企画、稽古　公演をする」
決まっているのは「決断をする刻」と言うタイトルだけ

運よく（？）企画稽古時間のお客様は1人

これは巻き込んで一緒に遊んでしまへ！

お客様とスタッフ一緒にラジオ体操
お客様とスタッフ一緒に牛タンゲーム
お客様とスタッフ一緒にビクトリー！

牛タンゲームが想像以上に良い効果を出してくれて皆が１つになれた
ありがとうインプロゲーム

企画　稽古　振り返りそして練ってまた稽古

なかなか良い仕上がりになった

そして公演！！

・・・・・・・・・・

想像以上の楽しい即興劇が出来た！！

何より嬉しかったのが


「劇場にいた全員がハッピーでいてくれた」


公演後の打ち上げも全員で行き

全て終わって別れるまでずっとみんなハッピーでいてくれた

なにより！！

なによりです！！

それがオレの幸せにつながっている

皆に救われた

本当にありがとうだ

トラブル満載の期間だった

主役の空回り、公演中に上のガールズバーのキャバ嬢が「Wi-Fi貸してくれ」と入ってきたり、準備していたショールームが配信できなかったり
もう、神様どうした？オレの何がどうした？って感じだったが
どうだ、乗り越えてやったぞ！
へへんだ！

劇団を立ち上げてほぼ１年
なにもしていないのに２人辞められてしまい
前回企画の公演１か月前に骨折し企画頓挫
艱難辛苦を乗り越えてここに立っています。


「ゼンさんは嫌われている」


ちょっとそう思っていたし

でも、皆仲良くしてくれていたし

楽しく稽古したり飯食ったりしていたし


信じていた


でもそれだけじゃないよね

よく考えたら

学生時代からの仲間や、今まで楽しくやっていた環境に、
商業エンターテイメントの経験あって普通じゃ参加できない企画や公演、イベントや映画に参加していたオッサンが
２０代の中で同じ目線で遊べるはずないじゃないか


「ゼンさんは嫌われている」


そうだとも

でも


「ゼンさんは愛されている」


のも事実だ

昔インプロの巨匠、今井純さんにいろいろ質問している時

「ゼンさんの言う通りなんだけど、それをポジティブなことばにしたい」

これを言われて目からウロコが落ちた

右手にナイフ 左手に花束

それが人生じゃないか

それなら花束だけ見ていきたいじゃないか

嫌われている！？

そうですか。

愛されてもいます♪

選ぶのはオレの自由

オレは愛をとります♪

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