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お米のプロに聞く。いつものごはんを、よりおいしく食べたい!

こんにちは。JA全農広報部 note編集部員Nです。
新米、楽しみましたか?ちなみに新米は、収穫した年の12月末までに精米して袋詰めされたものを指します。ところで、富山に生まれ○十年。日々ごはんを食べ、今では自分で炊くようにもなりましたが、うまくごはんを炊けているかと言われるとイマイチよくわからない…。今回は編集部員Fと一緒に、全農グループでお米の卸販売を担うJA全農パールライスを突撃!お米のプロ・お米アドバイザーの西野入英幸室長に、おいしいごはんを炊くポイントなどを教えてもらいました。

ポイント押さえて、おいしいごはんを炊こう!

①お米は、カップすり切り!きっちり量りましょう

POINT!
お米専用の軽量カップは1合=180ml。おいしいごはんを炊くためには、きちんと量るのがポイントです。

②手早く洗おう

まずはたっぷりの水を注ぎ、浮いている米粒は沈めて2~3回ほど大きくかきまぜ、水を捨てます。そしてひたる程度の水を注ぎ、シャカシャカと混ぜるように洗います。そのあとは水を加えて軽く混ぜ水を捨てるのを繰り返し、水が透明になってきたらOKです。

POINT!
最近の精米機は性能がよくなっているので、お米にぬかはそれほど残っていません。昔のようにぎゅっぎゅと力を入れて洗う必要はありません。最初はお米の表面がぬるぬるしていますが、キシキシ、ゴツゴツとした手触りになったらぬかが落ちた印です。ざるあげする場合は、あげた状態で長時間置くとお米が割れてしまうこともあるので手早く作業します。

③水加減は正確に

水はお米の容積の1.2倍。炊飯器で炊く場合は、内釜を平らな場所において、水を目盛りまで静かに注ぎます。水加減を合わせたら、水平な状態で内釜(鍋)を一方向にくるくるまわします。お米の真ん中が少し盛り上がった状態で炊くと、炊きムラもなく、炊き上がりが平らになります。

POINT!
そのお米を初めて食べるときは、きっちり分量(目盛り)どおりの水加減で炊きます。その後は、やわらかめ、かためなど自分の好みに合わせて、水加減を調整しましょう。

④浸漬(しんせき)します

お米の中心まで十分に水を吸わせます。短くても30分、冬場は60分ほどが目安です。水温によって差がありますが、2時間ほどでお米は飽和状態になります。低い温度で2時間ほど浸漬すると、やわらかめのふっくらごはんに炊き上がります。

⑤スイッチオン!(もしくは着火!)

⑥蒸らしてから「シャリ切り」!

炊き上がったら10〜15分ほど、そのまま蒸らします。その後、すみやかに「シャリ切り(=ほぐすこと)」します。内釜にそってしゃもじを入れてまわりをはがしたら、十字に切り天地返しして、やさしくごはんをほぐします。均一に混ぜ、余分な水分を飛ばします。

CHECK!
炊飯器で炊く際は蒸らし時間が炊飯時間に含まれている場合もあるので、説明書を確認しましょう。

お茶碗によそっていただきます!

Q&A

自分で炊飯するようになり△年…。今まで疑問に思っていたことや気になっていたことを西野入室長に聞いてみました。

Q.無洗米がうまく炊けません!なぜ?

A.普通精米は肌ぬかが残っているので洗って落としますが、無洗米は表面の肌ぬかも取り除いてあります。無洗米は米粒の大きさが普通精米のお米と比べて小さいので、同じ白米(普通精米)用の1合カップで計量しても少し多めに入ります。1合につき、大さじ1程度の水を追加してください。炊飯器に無洗米用の目盛りがある場合は、それに合わせます。もしくは、無洗米専用のカップで量り、「白米(普通精米)の目盛り」に合わせて水を注ぎます。

Q.精米の保管方法は?

A.お米はにおいを吸収しやすいので、密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室など涼しい場所で保管するのがおすすめです。量販店などで販売しているお米の袋には通気の穴があいているので、そのまま保管するのは避けます。精米から1〜2カ月を目安に食べ切りましょう。

Q.炊いたご飯、そのあとは…?

温かいうちに薄く平らにしてラップで包み、粗熱を取ってから冷凍します。炊飯器で保温したままだとごはんが変色し、食味も落ちてしまいます。また、冷蔵庫で保存すると、デンプンが老化して硬くなってしまうので、冷凍庫で保存してください。

Q.料理によって合うお米とかはありますか?

A.例えば、おにぎりやお弁当には、もちもち感のあるお米が向いています。冷めてもおいしく食べられます。チャーハンやカレー、丼などにはパラパラしたお米がいいですね。千葉の「粒すけ」などが合うと思います。卵かけごはんの時は、「ふさおとめ」や「まっしぐら」、「あさひの夢」など、粒がしっかりしているお米と楽しんでみてはいかがでしょう。

Q.ごはんをおいしく炊くために最も重要なポイントは?

A.きっちり計量することです。お米の量が正確じゃないと、水加減で調整できません。試食するときはお米も水も重さで量っています。

西野入室長、ありがとうございました!おいしいごはんを炊いて、毎日のごはんを楽しみたいと思います。

詳しい手順が全農パールライスのサイトで紹介されています。そちらもご参考に!

「ごはんの食べ比べ」を体験しました!

全農パールライスでは食味試験として、定期的に試食会を実施しています。新米の時期に今年のできを確認したり、新品種を食べ比べたりと、社員みなさんで実食。自分たちが販売するお米、ちゃんと味もわかっていないと、説明できません。お客さまから問い合わせがあったときにも、実際に食べて確認しています。
今回は、社員のみなさんが実施している試食会を体験しました。

食味試験では、基準となるごはんを設定して、「基準米と比べてどうだったか」を、品種名を伏せた状態でチェック。基準米と比べて、香りや見た目(外観)はどうか、粘りはあるかなどを確認し、自分の中での順位を記入します。その結果をまとめて、社内で情報共有しています。

この日は秋田の「あきたこまち」を基準米に、宮城の「だて正夢」、千葉の「粒すけ」、新潟の「コシヒカリ」を食べ比べました。違い、わかるかな?と思いましたが、ふたを開けると…、

ん!!?香りがちょっと違う…。
やわらかさや粘りも、それぞれ微妙~に異なるような…。

今まで食べたことのない品種もあり、「あ、これはけっこう好きかも」「いつも食べているお米に似ているな」など、自分の好みを感じられて面白かったです。

なかなか自宅で一度に炊いて食べ比べることは難しいですが、いつも食べているお米と比べてどうかな?と、違う産地や銘柄を食べてみるのもおすすめです。

地元で定番のごはんのお供といえば…

さて。おいしいごはんが炊けるポイントを押さえたら、おいしいごはんのお供も必要でしょう!というわけで、前回の「お米」の回で注目のお米を紹介した、全農の広報担当&お米担当に聞いた「地元で定番のごはんのお供」はこちら。みなさんの地元では、どんなお供と楽しんでいますか?

JA全農あおもり「とろろ」

青森の食卓の定番といえば「とろろごはん」!長芋をすりおろしてごはんにのせるだけ♪
・時間がない朝食に「とろろごはん」
・手っ取り早く済ませたい休日の昼食に「とろろごはん」
・一日最後の栄養補給として夕食に「とろろごはん」
いつでもごはんのお供として活躍しています。「青森ながいも」はアクが少ないので食べやすく、ごはんと一緒に“つるっと”かきこめちゃいます。しょうゆやだし汁をかけたり、生卵を混ぜたり、簡単に味付けができます。私は食いしん坊なので、ワサビやショウガをトッピングして“味変”しながら3杯はいけちゃいます!

青森の食卓の定番は「とろろごはん」だけではありません。ゴボウ、ホタテ、マグロなど、青森県にはおいしい食材がたくさんあります。ごはんのお供を、三村申吾青森県知事のリズミカル~なTシャツダンスでご紹介♪青森県のいろんな食材でごはんを楽しんでもらいたい、そんな願いがこもった動画です。ぜひご覧ください。

JA全農いわて「瓶ドン」

岩手県で人気のごはんのお供と言えば、三陸宮古の名物「瓶ドン」です。瓶ドンは、牛乳瓶の中にウニやいくら、サーモンなどの宮古の旬の食材がギュウギュウに詰まっていて、それをごはんの上にかけて食べる「見て・盛り付けて・食べる」体験型の海鮮丼です。牛乳瓶に入れられた新鮮なネタは、見た目が美しいのも特徴です。

JA全農山形 「だし」

山形県といえば、やっぱり「だし」!!だしは、キュウリ、ナスなどの夏野菜とミョウガ、大葉、ショウガなどの薬味を細かくみじん切りにし、オクラやメカブなどお好みの粘り気のある食材と一緒に混ぜ合わせたものです。つめたーいだしをホカホカごはんにのせれば、シャキシャキ食感が楽しく、暑い夏でもサラサラッと食べられます。山形県民の夏に欠かせないお供です!

JA全農いばらき「そぼろ納豆」

納豆といえば言わずと知れた水戸市の名産品ですが、水戸市を中心とする県央地域では、納豆を使った伝統食が存在します。それが、刻んだ切干大根を納豆と混ぜ合わせる「そぼろ納豆」です。納豆の柔らかさと切干大根のシャキシャキとした食感の対比が楽しめる料理となっています。各家庭で作られているほか、スーパーマーケットなどでも手軽に購入できます。

JA全農かながわ「しらす」

相模湾のシラス船びき網漁で漁獲した「しらす」は全国ネットのグルメ番組や新聞などでも多く取り上げられるほどの名産品です。特にとれたてをいただく「生しらす」は水揚げ地域でしか味わえない逸品です。私も禁漁期(1~3月)を除いては、ランチは「生しらす丼」一択…は言い過ぎですが、あると元気、ないと元気じゃない、そんなソウルフードです。漁獲されたシラスは、一部は市場などにも水揚げされますが、多くは漁業者によって自家加工され、釜揚げやしらす干し、たたみイワシなどの製品になって直売されています。こうした、生産者(漁業者)が漁獲したものを自分で加工し、販売するという方法は、「6次産業」という言葉が生まれるずっと前から長く続いてきた神奈川県の誇り高い文化です。
詳しくはこちら

冬大根の一大産地。三浦半島でとれる大根の葉を使用した「三浦産大根葉使用 混ぜ込みごはんの素」もよろしくね!

JA全農長野「野沢菜漬け」「なめたけ」

どちらも長野県民のソウルフードです。野沢菜漬けは程よい塩味の漬物で、ポリポリ箸が進みます。古漬けで酸味が強い場合は細かく刻んで砂糖少々とゴマ油で炒めると、違った味わいで、ますますごはんがすすみます。なめたけはそのままホカホカごはんにのせるのはもちろん、2~3合のお米と炊いて炊き込みごはん、卵焼きの具材など、何にでも使える調味料のような存在です。

JA全農とやま「とろろ昆布」

ごはんのお供といいますか、おにぎりといえば「とろろ昆布」!海苔(のり)の代わりにとろろ昆布をたっぷりとまぶした「とろろ昆布おにぎり」は富山県では定番のおにぎりです。富山県は昆布の消費量が全国トップクラスで、おうちで食べるのはもちろん、スーパーやコンビニでも売られています。

JA全農岐阜「鶏ちゃん」

鶏ちゃんは主に飛騨・奥美濃地方で愛されている郷土食です。鶏肉とキャベツなどシンプルな材料で作るのですが、味噌ベースのタレが焼ける香ばしさがたまらなくおいしいです!鉄板で調理したアツアツの鶏ちゃんはごはんのお供に最高です。簡単に作れるので、学校の文化祭や花火大会の屋台でもよく見かけます。

JA全農おかやま「黄にら味噌」

黄にらとは、岡山県特産の「黄色いニラ」のことです!青ニラと比べ柔らかく、それでいてシャキシャキとした歯ごたえがあり、ほんのり甘く食欲をそそります。そんな黄にらと、岡山県産の豚ミンチ、備前みそを使用して、ピリ辛に仕上げているのが「黄にら味噌」です!アツアツのごはんにのせて食べるものよし!おにぎりの具としても最高です!

JA全農ふくれん「博多明太子」

辛さの中にコクとうまみを併せ持つ福岡定番のおかず「博多明太子」。唐辛子のピリッとした風味が効いたものから、ゆず風味や昆布風味などバリエーション豊富です。最近では洋食やイタリアンに使用されることもありますが、やっぱり熱々の白ごはんと共に食べる明太子が一番です。

ほかにも全農では、いろいろな食べ方を提案しています!

①パエリア

JA全農米穀生産集荷対策部では「週末にはパエリアを!」を合言葉に、フライパン1つで作ることができるレシピを紹介しています。

②タコライス

JA全農米穀部では、お米をはじめ需要が落ち込んでいる国産農畜産物の消費拡大の一環として普及拡大に取り組んでいます。タコライスは炭水化物(ごはん)、タンパク質(ひき肉)、ビタミン(レタス、トマト)、カルシウム(チーズ)と、一皿でバランスの良い食事を取ることができます。

タコライスのレシピは「食と農の情報誌 Apron」でも紹介しています。
※タコライスやパエリアには、粘りが少なく粒がしっかりした硬めのお米がおすすめです!

③混ぜごはん

炊き込みごはんも好きだけど、「混ぜごはんLOVE」の部員Fがイチオシ混ぜごはんをご紹介!
華やかなのに失敗知らずな「混ぜご飯」、作りませんか?

全農パールライスのサイトには、お米がおいしいレシピがもりだくさんです。こちらも参考にしてみてくださいね。

おいしいごはんを炊くポイントから、ごはんのお供、お米料理まで、いかがでしたでしょうか。私も参考にして、日々のごはんをもりもり楽しみたいと思います。

お米の種類についてはこちら!