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研究とチームワークで顧客の課題解決に挑む|ZENKIGEN Lab 研究員インタビュー

シリーズ【ZENKIGENで「はたらく人」の紹介】では、社員のこれまでの経歴やZENKIGENに入社した理由、実際の仕事内容やそのやりがいについてお伝えしています。

今回はZENKIGEN Lab(ゼンキゲンラボ)の研究員、岩本さんのインタビューをお届けします!

ZENKIGEN Labは、産業・組織心理学、感性工学、社会学などを専門とする研究員が在籍し、ZENKIGENの掲げるVision『テクノロジーを通じて人と企業が全機現できる社会の創出に貢献する』に沿って、さまざまな研究を行っています。岩本さんは、FY24年間社員表彰式にて「特別賞」を受賞されました!
今回はZENKIGENへ入社した経緯や、ZENKIGEN Labでの仕事、今後の意気込みについて伺いました。

ZENKIGEN Lab 研究員
岩本 慧悟(いわもと けいご)
新卒でディップ株式会社に入社。ピープルアナリティクスの推進や、新規HRテックサービス新規企画・開発に従事。その後、パーソル総合研究所の研究員として、キャリア自律、ITエンジニアの定着、シニア人材の活性化等に関する調査研究に従事。2021年からZENKIGEN Lab.に参画。採用面接や職場でのコミュニケーションに関する研究に取り組んでいる。専門は、産業・組織心理学、社会心理学。修士(社会心理学)。
一般社団法人HRピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会の上席研究員としても活動中。兼任講師(明星大学・成城大学・東京未来大学・淑徳大学)として心理学や人事データ利活用に関する教育活動にも従事。
著書に『実践ピープルアナリティクス 人材と組織を理解するための道具箱』(日本能率協会マネジメントセンター)、『日本的ジョブ型雇用』 (日本経済新聞出版、分担執筆)、翻訳に『未来思考の心理学』(北大路書房、分担翻訳)など。


一人で研究するより、もっと遠くへ行くことができる

ーこれまでのキャリアとZENKIGENに入社されたきっかけを教えてください。

新卒で人材サービス事業を展開する会社に入社し、データアナリストとして働きながら大学院に進学しました。その後、人と組織に関する調査や研究を行うシンクタンクに転職し、研究員として「キャリア自律」や「ITエンジニアの定着」等に関する調査研究を行いました。さらに、別のHRサービス事業を展開する会社でも同様の調査や研究を行っていました。

ZENKIGENには業務委託として関わりはじめ、1年ほど経ってから社員になりました。きっかけはエージェントの紹介でした。最初は別の会社を紹介しようと思ってLinkedInで声を掛けてくださったそうですが、エージェント担当者と実際に話してみて、私の求めているキャリアと違うことがわかりまして。お仕事としてではなく、私が「興味ありそうな会社を知ってます」ということで、彼のサーフィン仲間である取締役の水野さんを紹介していただきました。

ー業務委託から社員になろうと思った理由を教えてください。

新卒時代からずっと、分析や研究的な業務に関してはひとりで作業する時間が多く、チームで一緒に手を動かしたり、深く議論したりしながら進めるという経験があまりありませんでした。ZENKIGEN Labのメンバーは、異なる専門性を持つ人たちが集り、お互いに尊重しながらも、議論でぶつかりあえるような環境があります。チームで研究することが楽しく、一人で研究するよりも、もっと遠くへ行くことができるのではないかと感じました。

また、業務委託時代に社内で研究成果に関する勉強会を開いた際、研究員以外にもさまざまな部署の方が興味を持って参加してくださり、議論する機会がありました。科学知※の活用としては、ビジネス上のロジックを補完したり、専門の先生が監修したという権威付けを行ったりするために使われることがほとんどですが、ZENKIGENではお客様の課題を解決するために取り入れようという環境がありました。会社全体として好奇心や科学知への興味が高いところはこれまでになく、研究者としてこのような環境で働けたら幸せだなと思い、自らジョブディスクリプションを書いて、「こんな仕事をするので入社させてください」と伝えました。

※科学知:科学的手法によって獲得される客観的な知

研究により得られた知見をお客様の課題解決に活かす

ーZENKIGEN Labにはどのようなメンバーが在籍しているのですか?

私は産業・組織心理学を専門にしていますが、もう一人の社員である橋本さんは感性工学や医用工学が専門で、ハイブリッドワークの中で働きやすくするための雰囲気共有技術の開発や、生体情報を活用した働く人の支援に関する研究に取り組んでいます。
ほかにも4名が非常勤研究員として所属しています。社会学が専門でデータガバナンス研究や就活生の質的研究に取り組む佐藤さん、計測工学が専門でハイブリッドワーク研究に取り組む小林さん、社会心理学が専門で創造性に関する研究に取り組む尾崎さん、同じく社会心理学が専門で採用面接研究を手伝ってくれている田﨑さんです。このように、それぞれ専門が異なるメンバーが所属しています。

私は「採用面接」に関する学術研究をメインに行いながら、お客様のデータ分析のご支援として「データ分析によるアプローチではなく、ほかに何かできないか」というテーマなどで、クライアントワークにも参加しています。

ーさまざまな専門分野のメンバーが有識的な組織をつくっていることは、ZENKIGEN Labの大きな強みだと思いますが、チームとして目指すゴールは共有しているのでしょうか?

ZENKIGENが研究組織を設けている意義については、共通認識を持っています。
私たちが取り組む研究は、その成果がお客様の課題解決やプロダクトの開発に活用できるものであることが重要です。メディア掲載やブランディングを主な目的とした研究・調査は、今のZENKIGEN Labではやる意味がないと考えています。また、活用の時間軸についても、10年後に活用できるかもしれない研究を今やっても意味がなくて、例えば私自身は1年から3年くらい先を、橋本さんは3年以上先を見据えて研究をしています。佐藤さんは、これらの研究を社会学的な観点から深めてくれながら、データやテクノロジーの活用が誤った方向に進んでいかないか、といった観点でリスクに気づかせてくれるような存在です。
このようにメンバーそれぞれが専門的知見と役割を持ち、自己否定をしながら社会的に有益な事業を創出することを目指しています。

ーチーム全体はどのような雰囲気なのでしょうか?

例えるなら、教員がいない時の無邪気な大学院生たちしかいない研究室みたいな感じです(笑)
「最近どんな研究をしているの?」といった近況報告から、何気なく議論が始まったりするのですが、それぞれの専門性のレンズで世の中や社会の現象を見ていると、同じ現象でも全然違う捉え方になることがあるんです。だからといってそれを否定するわけではなく、視点を変えると新しい発見があったりして個人的には面白いですし、会話も盛り上がります。最初は正直、絶対に交わらないだろうなと思っていましたが、メンバー間でさまざまな議論を重ねていくうちに、お互いへの尊敬が生まれてきていると感じています。

ー岩本さんの研究について具体的に教えてください。データ分析のご支援では、どのようなことをしているのでしょうか?

最近では、構造化面接の設計を行うために、実際の面接動画を見ながら、面接官になぜこの質問をしたのか、どんな回答をするとどんな評価になるのか、といったことを聞くインタビューを行いました。これにより採用基準を面接官からボトムアップで抽出して、その基準を確認するための面接をどのように行うのか設計をしていきます。

このインタビューは、動画を見ながら自分がその時に何をしていたのか実況してもらう「思考発話法」という手法を使って行います。もともとは「思考発話法」を用いて、熟達面接官がどんな思考をしているのか、脳内のプロセスを詳しく解明する研究をしていました。この研究を社内で発表した際、harutaka事業部の事業推進メンバーから「この手法を使ってお客様にこんな価値を届けられないか」という提案をもらったんです。それをきっかけにクライアントワークとして進めていくことになりましたが、研究での知見や手法を、お客様のために使うことができる、とても良い事例になりました。納品までの過程では、ビジネスチームのメンバーはもちろん、面接の発話テキストの解析をアナリティクスチームが行うなど、さまざまなメンバーが交わってチームとして進めていくことができました。

ほかにも、「辞退者調査」というメニューを提供しています。私は心理学が専門ですので、サーベイやマーケティングのユーザー調査などを得意としています。辞退者調査では、内定辞退された方に対して、なぜ辞退されたのかをサーベイやインタビュー等で聞くような調査の設計をして、そこで得られた結果を次の採用に生かしていきます。例えば、どこから内定をもらえたのかを聞いてリストアップしてみると、ずっと採用競合だと思っていたところ以外に実は採用されていたことがわかった、ということがあります。

ZENKIGENではこれまでも動画の分析メニューを提供していましたが、動画の外で何か起きているのか、その人が何を考えているのかは、発言された言葉だけではわからないこともあります。その部分を聞きに行って補完することで、全体として分析したいという議論をしている中で、「辞退者調査」をメニュー化することになりました。

ーFY24年間社員表彰式では「特別賞」を受賞されましたね。改めておめでとうございます!受賞のお気持ちを教えてください。

とても嬉しかったです。みなさんが科学知を上手に使ってくださり、さらに期待もしてくれているのだと思いますので、もっと頑張りたいと思います。

いろいろなところに顔を出しているので、みなさんが気を遣って、研究部門の時間を取ってしまったという申し訳ない気持ちから、投票してくださったのかもしれません(笑)

ー社内のワークショップを開催されたり、カルチャーデザイン室でもお手伝いされていたりと様々な場所で活躍されていますね。岩本さんがいたからこそ生まれた部署同士の関わり合いもあると思います。

私の専門が活かせるところがあれば、社内でも社外でも、モノづくりでも、研究のための研究でも、どこでも良いと思っています。ZENKIGENは、データアナリスト、データサイエンティスト、デザイナー、エンジニアなど、さまざまな専門の人が自然に交わっています。本来はそれぞれのアプローチが違うため、何か工夫をしないと衝突してしまうこともあると思いますが、「こんな社会にしたい」「お客様と応募者にとって、いい未来を届けたい」というピュアな想いをみんなが諦めていないから、さまざまなチームがうまく交わって同じ方向に進めていけるのだと思います。

得られた知見を技術と掛け合わせて、当たり前に使われる未来に

ー今後の展望を教えてください。

「採用に関する科学」については、日本での研究者はまだ少なく、研究領域から盛り上げていきたいという野望があります。採用に関する研究を盛り上げながら、それが当たり前に人事施策に実装される状態にしていきたいですね。

‟科学知でわかった事”というのは、これまでにずっと積み重なってきており、勉強熱心な人事担当者であれば、すでに知っていることも多くあります。しかし、それが実際に使われているという感覚はありません。わかっていても、なかなかできないものなんですよね。当たり前に溶け込むような技術と掛け合わせることで、当たり前に使える状態にしていかなければならないと考えています。

ー最後に、ZENKIGENへ入社を考えている方へメッセージをお願いします。

ZENKIGENには2つ特長があります。「好奇心があり」そして「ピュアな気持ちを諦めないでいられる」、このような環境はなかなか無いと思いますので、これまでにピュアさを諦めてしまった経験がある方は、ぜひZENKIGENに来ていただけたら、楽しくお仕事していただけるのではないかと思います。


インタビュー・文:ZENKIGEN広報担当
撮影:奥崎 有汰

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