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ZENJIRO「日本茶のお話」

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2つの日本茶ブランド「ZENJIRO」と「TCHA-TCHA(チャチャ)」の創業者禅地朗が、日本茶に関連する話題についてお話しします。また、海外と日本でやっている日本茶カフェにつ… もっと読む
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2020年9月の記事一覧

ライオンキング?

お隣さんちのネコです ^_^; 自由奔放なお嬢さんでミーちゃんと呼んでいます(本名忘れました)。ヴォーカリストの鈴木雅之さんのベースギターをやっていたご主人のおウチで飼われています。 ウチもネコ三匹飼っていて室内ネコですが、1日数回庭に紐をつけてお散歩します。お隣のミーちゃんは庭木をつたってウチの庭に遊びにくることもありました。このミーちゃんの動向をウチの子たちは注目していて、首相官邸のぶら下がり記者のように窓から窓へとミーちゃんを追いかけ覗いています。 先日出がけにふ

お茶の成分のおさらい・後編

こんにちは。いかがお過ごしですか? 前編ではカテキンの3つの効能について書きましたが、後編は日本茶の価値を決めるテアニンのお話しです。 まず効能です。まずはなんと言っても「リラックス作用」です。これは脳の神経細胞を保護する働きがあるためです。日本茶のテアニンによってアルファ波が促されることもよく知られています。アルファ波は眼を閉じた状態、安静にして覚醒した状態でよく観察されます。禅の悟りのような働きですね。(鬼滅の刃の全集中の呼吸もこれに近いような ♪) アルファ波は集

お茶の成分のおさらい・前編

たぶん、多くの方が知っていることかも知れませんが、今まで関心がなかった方もいるかも知れないのでおさらいです。 まずカテキンです。カテキンはチャノキの茶葉に蓄積されるされるので日本茶も紅茶も烏龍茶などの中国茶も同じく作られる成分です。しかし、紅茶は酸化発酵させ、中国茶の多くも発酵させるのでカテキン成分は酸化発酵の過程で別の成分へと変化します。一方で日本茶は摘んですぐに茶葉を加熱処理して発酵を止めるので不発酵茶に分類されます。そのため、カテキンは日本茶の特徴とも言えます。 お

判官びいき でしょうか? 名茶の条件

お茶やを始める数年前は日本の伝統的な食品や工芸品を海外に紹介することを考えていました。日本各地にいろいろな食材や調味料、工芸品があります。私は地域振興にとても興味がありそれは今も変わりません。 日本が誇る漆、味のある各地の陶器、独自の歴史の九州の磁器、金工細工や織物などの職人が分業していた昔の時代の技を保存し継承するには注文が入らなければ始まらない。国内で需要がなければ海外から注文を取ってくるしかない。そう考えたのですが、これが難問でした。 美術品という位置づけなら良いの

水 について

お茶にとって水は命です。日本は軟水が当たり前なのでとても恵まれています。欧州は軟水の地域と硬水の地域がまだら模様のモザイクのようです。当社がフランスに出ていくときに、パリ・パリ郊外・リヨン・レンヌなどを見て回りました。レンヌは西部ブルターニュ地方の町で、そこに行ってみた理由はブルターニュは軟水地域だったからです。結局はリヨンにしましたが。ちなみにリヨンが属するオーベルニュ=ローヌ=アルプ地方にはボルビック本社があります。 軟水と硬水で同じ茶葉を分刻みで水出しするというヒマな

お茶は メッセージ

お茶やを始めて毎日いろいろな実験が日課になりました。お茶やを始めたもともとのきっかけも実験からです。目覚めの一杯ですっきりした日本茶を飲みたくなったある日、忙しい朝の時短で水出しして美味しかった古い記憶が蘇りました。水出しなら洗顔やシャワーをしながらも気にする必要がありませんからね ^_^ それを思い出し、いろいろと条件を変えてやってみたところ、新たな発見があって面白かったのです。失敗も多いですが、中には偶然うまく行くことも。だいぶ前の話ですがパリの展示会でシェフ向けに水出し

カフェ は人生が豊かになる場所

本を読んだり、手書きでアイデアをメモしたり、音楽を聞きながらリラックスしたり、友達やパートナーと会話を楽しんだり。カフェはそんな場所としての存在ですね。居酒屋やレストランも好きですが、ややテンション高めです。カフェはテンションを下げて素のままでいられる場所です。だから、世界中でカフェがあるのでしょうね。 カフェがある街は文化の香りがする。 カフェの本場はパリ。ですが、カフェを作ったのはフランス中部オーベルニュ地方の寒村から出稼ぎにきた人たちでした。最初はセーヌ川で水汲みを

お茶や の香り

お茶を焙じる香りって懐かしさを感じませんか? 昭和生まれの私は小さい頃に埼玉県の大規模団地に住んでいました。 団地の商店街が中心部にあり、その中を通って小学校に通っているとお茶やの香りが毎日漂っていました。ほうじ茶を煎る香ばしい香りでもあり、火事じゃないの?と思うくらいもうもうとした煙りでもありました。お茶を特に好きでも嫌いでもなかったのですが、時々この光景を思い出します。 父親はサラリーマンで普通の家庭でした。夏は麦茶、冬はコタツで日本茶とミカンというのが庶民の定番です。