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お茶や の香り

お茶を焙じる香りって懐かしさを感じませんか?

昭和生まれの私は小さい頃に埼玉県の大規模団地に住んでいました。
団地の商店街が中心部にあり、その中を通って小学校に通っているとお茶やの香りが毎日漂っていました。ほうじ茶を煎る香ばしい香りでもあり、火事じゃないの?と思うくらいもうもうとした煙りでもありました。お茶を特に好きでも嫌いでもなかったのですが、時々この光景を思い出します。
父親はサラリーマンで普通の家庭でした。夏は麦茶、冬はコタツで日本茶とミカンというのが庶民の定番です。お茶との関わり合いはこの程度でした。

ここ数年でお茶が好きになってきました。コーヒーに一辺倒だった生活から、心なしか気持ちが豊かになった気がしています。もちろん今でもコーヒーも好きです。しかし最近は使い分けています。仕事の中でのほっと一息はコーヒー、暮らしの中でのほっと一息は日本茶です。現役生活を終えてから日本茶の仕事を始めた私は、最近になって小学校近くの団地商店街にあったお茶やの香りをよく思い出します。

皆さんは、「日本茶をどこで買いますか?」

興味深い話を聞きました。地方都市の人は「街のお茶やさん」と答え、首都圏の人たちは「スーパー」だそうです。ウチも日本茶の商売を始める前まではそうでした。その結果、「お茶やの香り」も忘れ去っていました。皆さんも思い当たりませんか?

ウチでは最近ほうじ茶を自分で作って飲んでいます。お茶は売るほどあるので。ちゃちゃっと作っていろいろなアレンジを楽しんでいます。

今月末頃から移動販売を始めますが、香り高いできたてのほうじ茶を届けたいので「手煎り(自家焙煎)」も行う予定です。昭和生まれの人は昔の懐かしさを、平成生まれの人は親や祖父母の時代の香りを楽しんでもらえればいいなと思います。神奈川県の小田急線と東急線に挟まされた住宅街ですが、「街のお茶やさん」と皆さんに覚えてもらうことを目指したいと思います。



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