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成功しすぎて消滅?/ZOOMの事例

なんじゃこれと言うタイトルですが、COVID-19のせいで、爆発的に伸びている企業、ZOOMについてのお話です。


ZOOM飲みやら巷で流行っていますし、ZOOMで会社の会議を行っているところも多いと思います。(自分の働いている会社はwebexを使用してますが)


今日書きたいのは、情報漏洩やセキュリティの問題が懸念されているZOOMがこのまま、風評被害とセキュリティ被害で失速していくのか、それとも、そこから挽回して、また伸びていくのかを参考にした動画から見ていきたいと思います。


今回参考・翻訳したビデオはおなじみのこちら。


10時間かけた恋愛の結末

ZOOMと言う会社、個人レベルでは最近聞くようになったビデオチャットアプリだと思います。しかし、創業は2011年に遡ります。
さらに言うと、創業者のYuanさんのヒストリーを辿ると、Yuanさんの学生時代まで遡ります。

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創業者は上で述べたように、Eric Yuanさん。中国本土出身で、Zoomはシリコンバレー発の 会社です。


なぜ中国出身の彼がシリコンバレーに渡り、Zoomの創業に至ったのか。


彼が学生の頃、10時間電車でかけて、遠くに住む彼女に頻繁に会いに行っていたそうです。10時間と言う時間が無駄で、もっと簡単に会えないかと、インターネットの力を使って解決できないかと考えていました。

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そんな思いもつもりにつもり、アメリカへ行くことを決意。
1997年には渡米し、シリコンバレーのwebex(同じくビデオチャットのサービスを提供)へエンジニアとして就職しました。



10年間webexで働くことになるのですが、2007年にITの大手であるcicsoにより買収され、Yuanさんは副社長として抜擢されたのです。

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が、このポジションに就くことにより、webexの問題点や顧客の満足度が低いなどといった課題がわかるようになりました。


時代の先を読む

さて、同時期には初代iphoneが発表され、Yuanさんはiphoneのような、直感的で洗練されたデザインを導入し、なおかつ軽い動作の効くビデオチャットシステムをクラウド上のプラットフォームで構築したいと提案することにしました。

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しかし、会社からは反対。


YuanはWebexや既存のビデオチャットシステムはアプリケーションやスマホといったデバイスを想定して設計されておらず新しいビデオチャットサービスの構築は時代の流れで必然的なものだと考えていました。

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そして一念発起し、妻(10時間かけて会いにいった彼女かどうかは不明)に「今のポストは降りて、ciscoを辞める」と告げ、新しいサービスを立ち上げることにしました。

前職の上司から25万ドルの投資を受け、2011年にZoom Comunicationsを創業し、晴れてシリコンバレーのスタートアップ企業の一員となりました。

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競合が多い飽和状態の市場でありながら、webexの失敗と経験から、強気でこの市場にチャレンジすることにしたのです。


飽和状態の市場への挑戦

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ご存知の通り、ビデオチャット業界は大手の企業が何社も存在する、いわば飽和した市場です。例えば、前職のcicso Webex、skype、Google Hangoutなどなど、私はどう差別化したらわからない競合だらけだと思いました。


そこで彼が2年間かけて開発したサービスについて見ていきましょう。
まず、前提として、彼には他を大きくリードする、大きなメリットがありました。
元webexの社員です。同じビデオチャット業界はよく知ってるし、既存サービスの問題点も彼はよく理解していました。webexの失敗を見ているからこそできるサービスがあるんじゃないか、ということです。


それでは。


・企業が使いやすいようにデザイン

前職の経験から、企業のニーズをよく把握していたYuanさん。

zoomではビデオ会議や、ウェビナーなどでユーザーが使用しやすいように設計されていました。

オンラインでの資料の共有の単純化や会議室とすぐ接続できるようにしたり、企業としてほしい機能を盛り込みました。


これで企業満足度を上げていきます。


・フリーミアムサービスの導入

ではどうやって競合が多い中、zoomを知ってもらうのか。

顧客にサービスの良さを知ってもらう入り口として、フリーでサービスを利用してもらいました。


もちろん、上で述べたとおり、企業の心はがっちり掴めるサービスなので、いい評判が流れるわけです。口コミ効果ですね。

さらにシリコンバレーにも大きなサイネージ広告を打ってます。

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これでシリコンバレーでの認知度はぐっと上がります。
有料プランのサービスをフリーで一定期間使ってもらって、気に入れば本会員登録という形になります。


・豊富な料金体系

さらにウケた理由が、豊富な料金体系。

企業の規模は大小さまざまで、大企業向けのサービスと小規模の企業向けだとサービスの中身も変えて行かなくてはいけません。

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zoomは顧客のニーズ(容量、使用人数など)に合わせて料金体系を作っています。


・直感的な動作

iphoneが発表され、人々はより直感的な動きを求めるようになりました。Yuanさんはこの密かなニーズにもしっかり答えています。

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わかりやすいデザインですね。シンプル。


・大人数でのチャット

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チャットって当初1対1だったのに、いつの間にか100人規模までできる、ということには驚きませんでした?

無料プランでも100人まで同時接続でき、簡単なイベントとか、セミナーにも使えますよね。


大人数で使用できることによって、チャットだけの機能以上に機能を使えるようになりました。


他にも、創業当時はYuanさん自身が退会者に対して、退会理由を直接聞いたり、そのニーズを反映させることによって、投資家からも評価はされていました。



上記の戦略を駆使し、zoomは着々と成長をしていきました。

2013年 Redbooth、logitech、InFocusと業務提携

資金調達に成功 650万ドル

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2015年 3000万ドルの資金調達

2016年 NBAとスポンサー契約
一気に多くの人の目に触れるように。

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企業だけでなく、大学、医療でも利用されるように。
資金調達にもまた成功し、プラットフォームの改善へ。

また世界展開を始める。


2019年 世界中で広告を打つことに

ユーザー1000万人突破


コロナウイルスによる急激な成長

2020年からzoomがより一般的になったのは、コロナウイルスで多くの人が自宅待機を余儀なくされるようになったからではないでしょうか。

コロナウイルスは2019年末から徐々に中国で流行が始まったわけですが、そのあたりからじわじわzoomのユーザー数が伸びていました。

そして今では、多くの国が自宅待機で、遠隔で連絡を取り合うツールを必要としていました。

2020年3月の時点で2億人ユーザー突破。

勢い、やばくないですか?


インスタも1億人のユーザーを増やすのに、3年費やしてます。


しかし圧倒的な急成長は何もいいことだけではありません。



セキュリティの問題で脆弱性があることがわかり、一気に多くの人へ懸念点が生まれました。


タイトルて書いた「成長しすぎて消滅?!」ですね。


当初考えられていたユーザー数の数が一気に増えることによって、対応しきれなくなってしまったということです。


しかし、この向かい風に対し、zoomは潰れることはありません。

再投資を募り、このセキュリティの脆弱性の問題を解決しようと、さらなるアップデートを図っています。

この記事のように暗号技術を取り入れ、会議ルームに暗号パスワードを導入させたり、情報漏洩やセキュリティーの問題を払拭しようとする試みは行われています。



マーケティング的まとめ

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zoomがここまで知名度を上げ、人々に親しまれ、さらなる改善を図ろうとしていることから、我々も学ぶこともあります。

①競合他社に果敢に挑んだ

Yuanさんのメリットは、同業者についてよく熟知していたということ。

既存のサービスの課題や顧客ニーズをわかっていたので、解決できるツールを開発したわけですね。


②アーリーアダプターに目をつけた

早期導入者のことです。

シリコンバレーで地道に宣伝を進め、インフルエンサーにもフリーミアムという無料でプレミアムサービスを利用できるプランで利用してもらい、口コミで広げていきました。


アーリーアダプターは誰でもいいというわけではなく、サービスのターゲットを明確にし、影響力のある企業や人物を焦点に選んでいます。


③成功しすぎて消滅(寸前だった)

予想外の成長で、企業の規模が追いつかない。そのためセキュリティに問題があったというのは上で書きましたよね。ユーザーの期待に応えられていない、ということで、すぐに切り返しをし、セキュリティの観点からさらなるアップデートを図っています。




今日のスペイン語

・abarrotado→供給過多

・viento en popa→順風満帆で

・encriptado→暗号化

・encriptacion→暗号



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