タコスの国でなぜベジタリアンをやろうと思ったのか。
メキシコに来て3年以上経ってます、だいぜんです。
よく言われるメキシコの食については「メキシコってタコスばっかでしょ?」「ご飯大丈夫?」「主食って何?」「むっちゃ太りそう…」「お肉もりもり!」と。
フィフティフィフティでそうだと思いますが、実際はそうではありません。
しかし、今回はメキシコの食について語ろうなんて思ってません。
タイトルにある通り、今だいぜんはベジタリアン生活をしています。この記事ではなぜベジタリアンをやろうと思ったのかと言う理由、実践方法、今後についてをまとめていきます。(あくまで自分がやってる行動について、言語でまとめたかった、と言うのが主な意図です。)
タコスの国でなぜベジタリアンをやろうと思ったのか。
|ちゃんとベジタリアンに触れた時ーグアテマラ留学時代ー
私がちゃんと「ベジタリアン」に触れたのは、2014年にグアテマラに留学をしていた頃、ルームメイトがベジタリアンだったこと。今までは単に「健康に良い」からやってるんでしょとか、「野菜しか食べないんでしょ」とか言って敬遠していた部分もありましたが、ちゃんと彼の話(ここで書く内容と一致するので割愛)を聞いて納得。ただその時は、「ベジタリアンになろう!」とは思わず、少しずつ意識を変えてみようと思った程度。
意識変えるきっかけになったのは、ホームステイ先で飼っていた鶏の屠殺を手伝った時と家畜市場へ行った時のこと。(上記写真)
「生きている動物を殺して今食べてる肉がある」
屠殺は吐き気もしましたし、その後1週間は肉は食べれませんでした。
しかし、その時は単なる「動物の命に対するかわいそうという気持ち」でしかなかったので、「食べることをもっと大事にしよう」と思うことにしました。
|メキシコに来てからの変化
一時期、友達が日本から来ていた時は、タコスを一緒に開拓したり、行きたいところに連れて行ったりと、割とタコス熱は半端なく熱かったです。今も全然嫌いじゃなく、大好きです。(ベジになってから行けてないですが、Google Mapでタコスマップ作ってます。どうぞ。)
ただ、今の同居人と出会い、「水道出しっぱなしにすんな!」とか「ビニール無駄に使いすぎな!」とか環境について言われるようになったのと、一緒に住むことになり、「ベジタリアンやりたいんだよね」と言われれから考えるようになりました。
また、日本の和牛の写真みたり、美味しそうな写真をみたら「美味しそう〜」と言葉を漏らしてしまうのも事実。
別に肉が身体に悪いから(ここは諸説あると思いますが)、肉が嫌いだからと言うわけで始めたわけでない、と言うことを前提にしておいてください。
さて、理由は一体なんぞやとというわけで、以下が理由です。
|理由① 胃の負担を減らしたかったから
ここを掘り下げると2つの理由に分けられるのですが、まとめて胃の負担を軽くしたかったから。
1個の理由がメキシコに住むとある友人が「肉食べてない時って頭冴えてたんだよね」と話してくれたときに、試したいと思ったから。作業も頭も効率的に進んでくれたらいいなーと思いました。
もう一つの理由がたびたび脂っこいものを食べたときにお腹が痛くなることがあったのと、食後に胃がギュルギュルいうのが嫌だったから。「むっちゃ胃動いてるやん」っていう感じです。
腹持ちはすごくいいんですが、同時にそれは胃もたれと言っても過言でないです。ずっと小さい頃から肉を食べてきたし、肉が体質に合わないということではないのですが、午後からの集中力をあげたい、胃に気を取られたくなかったというのが本意です。
|理由② 環境について考えるようになったから
(Photo by John Cameron on Unsplash)
畜産がなんとなく環境に悪いということは知識としてわかっていたものの、目で見える世界でもないし、なんとなく肌感がなかったので、日常では意識することはありませんでした。環境や食料問題って過剰生産、過剰消費に問題があるもんだと、もっともらしいけど、曖昧な意識しかありませんでした。
ターニングポイントは2つ。
・今の同居人と出会ったこと。「ベジタリアン、一緒にやろう」と言われたから。
(上にも書いてますね)
お互い興味はあって実践していなかった身として、一緒にできる相手がいるのはとても重要です。
環境については、問題に対して特別取り組んでいるわけではないですが、無駄にティッシュを使ったり、ビニール袋を使っていた自分を見て「環境負荷を考えたら?」と言われたのがきっかけです。「エコしてる方がかっこいい」と。
・食肉と環境について調べるようになった。
そこからなんとなくのベジタリアン(当時はたまに肉は食べてましたが)から環境を意識するようになり「肉 環境」と調べる中で色々な考え方に向き合いました。
別にここについては、専門家でもないので、押しつけはしないし、個人の意見を持てばいいんだと思います。
ただ環境負荷を考えたときに、今食べ出る食事が適量なのか?と問いたときに、疑問が湧きました。
ゴミも出しすぎやし、そもそも食べ過ぎちゃう?
畜産が及ぼす環境問題とは若干かけ離れていますが、大量消費が産業を生み出して今の問題に繋がってるんじゃないかなと。
|理由③ 肉を食べれるまでの過程を考えたから
日本に住んでいると、すでに肉はきれいに切られており、言わば「加工されている」肉しか見れません。肉は動物を殺して食べている、ということを知識として知っていても、実感することはありません。(中学生?の時に地元の屠殺場のビデオを道徳の時間に見たのを唯一覚えていますが、それ以来生活の中で意識することはありませんでした)
数年後旅をして、色々な国の市場へ行きました。肉の解体現場や皮を剥がしただけの肉が市場で並べられていて、最初は驚きました。
2014年にグアテマラに住んでいた時も家畜市場へ行ったり、ホームステイ先のファミリーが屋上で鶏を飼っていて、鶏を殺すのを立ち会ったりして、普段食べている肉がこういった過程を踏んで作られているんだと、身を染みて実感するようになります。(他にも鶏に「マリア」と名前をつけて飼っているおばちゃんもいて、生きてるんだ!と生々しく実感しました)
2020年始まってからベジタリアンを始めたわけですが、「実験」的な考えでやっていましたが、最近「実験」じゃなく、「自分の考え」としてやろうということにしました。
そのきっかけが、Okja(オクジャ)を鑑賞してから。
かの有名なポン・ジュノ監督の作品。多分Netflixにあります。
韓国の山間の家で暮らす少女ミジャは、大きな動物オクジャの面倒を見ながら平穏な毎日を送っている。優しい心を持つオクジャは、ミジャにとって親友ともいえる大切な存在だった。ところがある日、多国籍企業ミランド社がオクジャをニューヨークに連れ去ってしまう。自己顕示欲の強いミランド社CEOルーシー・ミランドが、ある壮大な計画のためにオクジャを利用しようとしているのだ。オクジャを救うため、具体的な方策もないままニューヨークへと旅立つミジャだったが……。
映画.comより抜粋
巨大豚をいくら作っても、オーガニックと謳っても、食料問題の解決にはならないし、「お金持ち・先進国のエゴ」で良いお肉が作られ、オーガニックと謳って既得権益を獲得したり、巨大豚はいませんが、今の世の中を少女ミジャの視点から風刺的に描いているなぁと思いました。
以上の3つの理由から自分の考えとしてベジタリアンを緩くはじめよう!と思うに至りました。
ベジタリアンの実践方法(ゆる説)
ここからはメキシコで実際にどうやって実践しているのか、を解説します。
前提として、メキシコはアメリカとも近いのもあるので、ベジ食品が普通にスーパーにあったりします。が、メキシコといえば「タコス」のように主に肉を使う料理が多いのと、さらに美味しいので、外食時は結構キツかったりします。また日本みたいに魚を日常で食べることもないので、どっちかというと肉よりの生活になりがちです。(さらに肉の方が魚より安い)
|ソイミート
乾燥しているタイプのものです。日本円で100円もしないくらい。レシピなどは別の記事でも書きますし、いろいろ参考になる記事を下に書いておきます。
・基本!大豆ミートの戻し方(ミンチ) レシピ・作り方
・大豆ミート(ソイミート)がより美味しくなる戻し方のコツ(下準備)
・大豆100%ミートレシピ集
・簡単クセのない大豆ミートの戻し方♪冷凍も
楽天でもありましたね、結構安いじゃないか…!
大豆ミート・そぼろミンチ(ひき肉)【送料無料】 1kg st jn pns
これは日本帰国したときに試せそうです。
んで、わたしの思うメリットとデメリットについて。
▷メリット
・肉より安い
・300gだけでも傘増しするので、女性一人だと1週間はこの一袋でもつ
・加工法が無限大(和食もメキシカンもこれでOK)
▷デメリット
・お湯でふやかすのがめんどくさい(→まとめてふやかしておけばOK。使わない分は冷凍したりして保存がおすすめ)
・味をつけないと豆臭がする(キツくはないですが、味をつけないと食べたいという気持ちになりません)
・ミンチにするのが面倒(ミキサーに入れてミンチ化しています。最近はミンチタイプもあるのでそれを使っても良し)
上記のデメリットを払拭できる!という自信のある人は試してみてください。慣れてしまえば調理も簡単で、味付けさえちゃんとしたら肉料理みたいにもなります。
|ハイブリット系肉代替食品
最近私の中で一番きてると思う業界だなーと思います。
スタートアップ界隈では代替肉がざわついているみたいです。
ソイミートほど価格は安くはありませんが、クオリティは本当に肉!黙って出されたら肉だと勘違いして食べてしまうくらい。
世界的にはBeyond MeatやImpossible Foodが有名ですよね。
近所のスーパーでもBeyond Meatがあったので、ハンバーガーにしてみました。こちら。
食感は好みではありませんでしたが、味は完全に肉でした。
ビーガンとは言えませんが、最近はツナを使ったソーセージも出ていたり、選択肢が増えてきている実感はあります。
|豆腐
あんまりこっちだと安くはありませんが手に入るので、豆腐をハンバーグにしたり、つくねにしたりしています。上のTwitterで書いているように、ひよこ豆と合わせてハンバーグにするとなぜか最強にジューシーになります。(味付けを忘れずに)
ワタシの身の回りの変化
2020年の1月くらいからゆるく始めて、4月からは本格的に肉を買わなくなり、外食でも食べなくなりました。今10月なので、早半年以上は経っています。ベジタリアンをしているのは、別にダイエット目的でないので、痩せたとか大きな変化はないと思います。(結構好きなように食べてるのもあり)
実際に変化したのはこんな感じ。
・お腹がギュルギュルしなくなった
・食べることに罪悪感を感じなくなった
・補助食品を買うようになった
・外食時に困るようになった
|お腹がギュルギュルしなくなった
これは身体的に大きな変化かも。「胃が活動してるー!」という感じは減りました。胃が動いているとか食べすぎてしまった時って、その後の活動(仕事とか)に影響が大きく出るなーと。(眠たくなったり、集中できないとか)
ただ食べすぎるともちろん胃は活発に動きます。本当に控えめでいいんだろうな…。
|食べることに罪悪感を感じなくなった
脂分をとることがないので、もりもり食べるようになりました。何の罪悪感も持たず…。焼肉とか食べた後の晩って走りたくなるし、罪悪感しかなかったので、その点精神面でもいいメリットを発揮してくれています。
|補助食品を買うようになった
ただメリットだけでなく、デメリットも存在します。健康になりたい自分がベジタリアンをして栄養失調でしたとか話になんない。
なので私たちは実践する前から、何が不足するかを事前に調べていました。(例えばタンパク質、ビタミンC、鉄分など)
そこをどうやって補うのか、プロテインであったり、サプリで補うようにしています。基本的には野菜や豆類からは摂取できます。が野菜だと食べれる量も限られているので、要は感覚ですが、足りないと思ったらサプリなどで補うようにしています。(筋トレもしているので、なんか筋肉の付き方が弱いなと思えば、タンパク質を増やしてみたり、めまいがしたら鉄分を増やす、みたいな)
そこは個人差があるので、「このサプリがいいよ!」「この栄養素とった方がいいよ!」とかは言えませんが、自分の体調に素直になること、身体に少しでも異変を感じたら、ちゃんと聞いてあげることが大事です。(無理しないのが原則)
飲んでいるのはこれ。
メキシコ発のビーガンプロテイン。
日本でもメキシコでも売ってるメーカーだとOrganic Protein。メキシコでのレビューはいいんですが、試したことないので、試した方、教えて欲しいです。
(オーガニック プロテイン パウダー 植物性 プロテイン クリーミーチョコレートファッジ 920g ロコモ 植物性 Protein)
|外食時に困るようになった
これは結構大きな課題です。こんなことがありました。
「誕生日だから外食しよう!いい感じのとこ探すね!」
「…ないや。ベジタリアンのレストランはあるけど、ランチだけだし、なんか素っ気ない。あるのはアルゼンチン料理、イタリアン、ブラジリアン、アメリカン、メキシカン…。」
「しょうがない、寿司でいっか!」
ワタシ的に、寿司でもいいんですけど、(近所だけだと)チェーンのジャパレスしかなく、なんかいい外食を食べたいときにハズレてしまう。
ちなみに、ベジタリアン系のレストランを探すときはこのサイトを利用しています。
Happy Cowという世界中のベジとビーガンレストランを検索できるサイトです。
今後、どうしたいのか、私。
半年間続けてみた結論は、思った以上によかった!ということ。
別に食べ物がないというわけでもないし、今までが過剰摂取気味だったんじゃないか、と思うくらい。
自分の行動が過剰供給に歯止めをかけたり、畜産業に警鐘を鳴らすことができるわけではないですが、自分の意思表明というイメージで続けていきます。別に誰かに強要したいわけでもないので。
ただ今後考えていかないといけないのは、環境に気を遣ってベジタリアンやビーガンをやっても、環境に負荷がかかる行為をずっとしていたら本末転倒だなと思うので、自分の意思として、環境への配慮の意識は高めていきたいと思います。(簡単にできるアクションとかも教えて欲しいです)
他に考える点としては、友人には気を遣って欲しくないので、外食に誘われたら行く!ということ。(笑)お肉も環境に優しい工程で作られていたら特に問題ないかなと思っています。(参考:りんたらくと 畜産Q&A > 環境にやさしい畜産をするにはどうしたらいいの?(環境 環境負荷))
流石に焼肉食べ放題!とかはいきたくないですが。
結論としては続けていきます。
特に肉が食べたい!とかあんまりないし、体調が悪くなったというのもないし、自分の意思として継続していきます。(もちろん病院に行って健康診断をしてみてもらいたいですが)
長くなりましたが、ベジタリアンは自分の健康のため!というより意思表明なのかなと思います。初めて聞いた時は「ヒッピーみたいな人たちがやるんでしょ」「悟り開いちゃってるの?」とか変な偏見はありましたが、実際自分はヒッピーでもないし(ヒッピーの定義がよくわかんないけど)、ただのメキシコに住んでる女です。(今まで偏見持っててすみません!)
実践しててわかる考え方もあるし、持っていた偏見も消えたし、栄養面の偏りも知識をつけて補うこともできるのかなと思います。
これで興味を持った!という人がいれば嬉しいし、「このベジ肉おすすめ!」「環境についてはこうだよ!」とか私が知らないことや間違って書いていることがあれば是非言っていただきたいです。(最終的にはみんなで考えて、議論しあえるのが理想形なのかな)
最後までお読みいただきありがとうございました!
Twitterにてたまにメキシコのベジタリアン事情について発信しております。それでは。
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