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芸術家の友人について

 昨日、久々に話した。向こうも久々に人と会話をしたらしい。

 すごい変な人だ。芸術系の院を出て、著名な芸術家の下で労働をして、その時貯めた貯金で引きこもっている。今はゼルダをして寝る生活を繰り返しているらしい。
 たくさん話した。「未来が全く見えない」という話をした。僕はレールから転げ落ちた感じだが、友人は自らレールから降りている。「普通の人生」というレールから降りると、なんの地図もなくなる。何をしたらいいか誰も教えてくれない。一寸先は闇。暗中模索。うちの姉は短大を出て子供を作って労働をしているが、そういうルートから外れた人はレールの外の莫大な荒野を彷徨うことになる、みたいな話をした。

 あとは芸術論を聞いたのだが、よく分からなかった。色というのは光の反射だから、色というのはダメで、光を吸収する黒が一番優しい色らしい。作品を見ると黒ばっかり使っているので本人的には希望が見える作品らしいんだが、ぱっと見暗く見える。
 最近流行ってる社会批評的な作品にはあまり興味がないらしく、内省的な作品を創ることでどこか社会に繋がるらしい。まあ、そうかもしれない。
 顔が良いし明るいので、モテるし友人もたくさんいたらしいんだけれど、価値観が合わないので今は僕ともう一人の男の人としか連絡をとっていない。だから芸術論とかを語る機会もないらしい。

 僕が不思議なのは、作品を創っても全く発表しないことだ。ネットにも載せないし、僕にも見せないし、なんで創るんだろう?と思う。僕は言語で思考するタイプなのだけれど、彼女はイメージで思考するらしい。だから創作というのが内省的な思考なのかもしれない。
 「可愛い」とか「面白い」とか言われると承認欲求が満たされるらしいが、作品を褒められても何も思わないらしい。大きな歴史の中の一滴でしかないから、自分の作品という感覚がない。

 虚無の話をした。「結局死ぬから何もかも無駄」という感覚を持っている人は少ないので、貴重だ。死んだ後に1億年経っても1兆年経っても生き返らないってヤバすぎる。人生って徹頭徹尾無意味だ。友人は、創作に若干の希望を見出しているっぽいが、やっぱり人生に意味はない。

 例え引きこもりでも「絶対にやりたいこと」がある人は幸せだ。僕は絶対に坐禅をしたいし、友人は創作をしたい。人生に筋が通ってないと腑抜けになると思う。

 noteのサムネに作品使っていいよーと言われたので、たまに友人の作品を貼るかも。自分でホームページとか作ればいいのに、他人のブログに貼らせるのも良く分からない。変な人だ

勉強したいのでお願いします