誰のせいで社会が腐っているのか?

 日本が暗い。格差社会らしい。僕の子どもの頃は「日本の未来はwowowow世界がうらやむyeahyeah」とかアイドルが歌っていたのに、諸行は無常だなあ。

 金持ちと政治家がやりたい放題しているのはなんとなくわかる。タックスヘイヴンとか暴露された時はさすがに社会が変わるんじゃないかと思ったが、何も変わらなかったし、誰も覚えていない。
 僕は読んでないんだが、アーレントの「悪の凡庸さ」という指摘は本質的だと思う。猟奇的な殺人事件を起こすような人間もいるだろうけれど、社会が腐ってるのはそういう人ではなく、「自分を善人だと思っているまあまあ悪い人」のせいなんだと思う。
 なぜかみんなの本棚にある「人を動かす」という自己啓発本に書いてあったが、アル・カポネという裏社会のボスは、自分のことを善人だと思っていたらしい。

「おれは働き盛りの大半を、世のため人のためつくしてきた。ところが、どうだ。----おれの得たものは、冷たい世間の避難と、お尋ねものの烙印だけだ」となげいていたそうです。アル・カポネほどの極悪人でも、自分は悪人だとは思わず、慈善家であり、世間が自分の善行を誤解しているのだと大真面目に考えていました。

 自分が大金持ちの家に生まれて、少し政治家と不正をすれば、自分と家族が得をするならば、みんなしてしまうと思う。僕もすると思う。僕は人間というのは所詮「自分を善人だと思っているまあまあ悪い人」しかいないと思っている。

 「人間」が悪い。全員悪いんだと思う。全員が「得」の方へ走っているのは同じだ。金持ちも貧乏人も「手段」が違うだけで、「得」の方へ全力疾走する。金持ちは政治家のところ、貧乏人はスーパーのタイムセールに走るだけだ。

 人間が悪い。みんなナチスを非難するが、自分が強制収容所にいれば同じことをしただろう。人間が悪い。
 人間が悪いと思う。僕も悪い。悪いから坐禅をしている。多分無理だが、善くなりたい

勉強したいのでお願いします