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予備校選びのポイント2020①:導入編

まず最初に言っておきますが「選んだ予備校を良い予備校にするか、悪い予備校にするかは、通っているあなた次第」だということです。

どういうことかというと、これから紹介する予備校選びに必要な観点をお話しして、うまく自分に合ったところを選べたとしても、それをどう使いこなすかは別の問題だからです。

そもそも勉強自体が「好きではないこと、なるべくならやりたくないこと」の集合体みたいなものですから、「気持ち」だけでは動きづらいです。そのため、自分の勉強を、気持ちだけでなく、「仕組み」で動かすため、そのための予備校・学習環境選びなんです。

なので、選んだら最後、必ずその環境を自分で活用し尽くしてください。そうでなければ、この記事を読む意味がありません。その覚悟を持って、読んで、そして選んでください。

予備校選びが大事な理由

人間は環境に左右される生き物です。努力する人が多い環境や、身近な友人が物凄い努力する人がいる場合、自分もつられて努力をするものです。もちろん見せかけの場合だってあります(やり方が間違ってる)が、とにかくやり始めてそこにこだわりだすことが大事なので、「学習環境」を選ぶのが大事になってきます。

例えば、集団の力が生きるような指導形態になっているのか、個人を徹底的に鍛える指導形態なのか、その中間なのか。

集団授業と言いつつ、ただ一緒に、みんなのまえで踊っている先生を眺めているだけなら、それは「単なる刺激で目が覚めてる」だけの意味しかないかもしれません。youtubeと一緒です。もちろん集団授業を受け持つ先生の腕前によるので、なるべく体験に行くか、覚悟を決めて申し込む方が良いでしょう。

少人数指導で、意見交換や教え合いのタイミングがあるなら、実力拮抗の人と差がつき追い越し追い越され切磋琢磨できるような環境かもしれません。近くの人との差に刺激を受けやすいなら合っているのでしょう。

完全個人指導(映像授業や特訓など)+面談(集団・個別)で進捗確認と言う指導スタイルも、東進ハイスクールや武田塾が全国展開しており認知度が上がっていますが、これだと他の人とは自習空間でのみ関わることがほとんどで、完全に雰囲気重視、になると思います。

ただ、どれだけ優秀な人がそこに揃っていようが、指導者の腕前次第ではそのポテンシャルを活かせずに終わります。いや本人の努力次第だ、先生なんか関係ねえ!って言う人もいるんですが、それは「指導者が言い訳する」ために使われている方便であることが多いので、どういう立場の人がそれを言っているのかよく観察してみてください。

基本的にはスポーツと同様に指導者が変われば見違える生徒がほとんどです。なので、学習形態も大事なのですが、個人の学習法指導がどのように行われているのか、つまり指導者がどこまで必要に応じて細かく生徒をみているのか、を気にした方が良いでしょう。学習管理、とも呼びます。この部分は、先生が頼りないばあいには、自分で監督すると言う手もあります。自宅で浪人せざるをえない場合はこうなるでしょう。

そしてまた、目まぐるしく変わる入試情報を仕入れるためには、そうした掲示だとか情報が入りやすいようにしておく、少なくとも自分が受験したい大学についての情報があまり苦労なく入ってくるよう工夫しておく必要はあるでしょう。これは進路指導にあたります。入試情報の共有がどのようにされるのかは、「志望先の吟味」にも関わってきます。

また、モチベーション維持のためには、「自分が何をしたいのか、なんのために勉強をするのか」をはっきりさせることが必要です。大学選びにも、普段の気持ちのコントロールにもこの視点は必要です。ここを相談できる相手がいる状態を作りましょう。

3つの要素 環境・学習法指導・進路指導

上記で説明したように、必要な観点は

1:環境=ほぼ学習環境という意味
2:学習法指導=学習の管理、品質向上の指導
3:進路指導=入試情報の入手・受験動機の掘り下げ

それぞれを詳しく、見るポイントを掘り下げていきます。

1:環境

これはほとんどの浪人生が考慮するポイントですが、実際に考慮されているのは指導形態(集団授業か映像授業か)ぐらいだったりします。今、塾予備校はどんどん進化しているので、掘り下げる(差別化になっている)ポイントはもっとあります。

・環境=広い意味での「学習」環境、モチベーション維持の環境、
 →科目指導スタイル(生徒の勉強をどれだけ細かく見るか)
 →科目指導以外(勉強法・進路指導の項目で詳しく)
 →講師やチューターへ相談に行けるか

大雑把にまとめると、学習全般に関わる指導・情報へのアクセスのしやすさ、およびそうした指導・情報の質や量の話です。

学習塾の現場では、映像or生、という対立はもはや遠くへ過ぎ去り、個人の勉強をどこまで細かく見るのか、という視点になっています。子別指導、とか、アダプティブラーニング、とか、AIが分析する指導、いろいろありますが、基本言っていることは一緒です。個人の認知を分析したり、個人の学習を徹底的に記録・分析して、その結果に基づいた指導を行うです。

それがどのくらい妥当性があるかは疑問です(言ってること全てに研究の裏付けがあるわけではない)が、指示通りに進めていき、結果をどんどん出していけば、自分がやるべき物がどんどん判明してどんどん勉強が進めやすくなるのです。スマホのゲームの実績解除みたいなもんです。

結局なんだかんだ言って進めているやつが一番強いので、自分にとって、勉強進めやすくしてくれるところが一番良い、ぐらいに思っておきましょう。

これに関しては「②:指導方法分析」でさらに詳しくお話しします。

実際に通う場合は施設のアクセスや、施設自体の品質も気にしましょう。

アクセス
 →繁華街にあると便利だが、遊んでしまう可能性も高くなる
 →静かなところでも、あまり遠いと不便な場合もある
 →自宅から近い、は大事な観点だが…

自宅から近いところ、で全然問題ない人もいれば、離れていないとどうしてもすぐ帰ってしまう、という人もいるでしょう。

また、移動時間が大事なインプットの時間になった、という体験も多く聞きます。実際そんなことせずともインプットできるやつの方が強いんですが、予備校の環境が良くても、距離が問題になる場合の発想の転換として活用してください。

施設の品質 

最初に気にするのは自習室です。授業を受けてばかりではなく、問題文だけから解答を導き出す訓練をしなければ伸びませんので、自習ができるかどうかは大事です。見るポイントはいくつかあります。

1つは自習室の作りの問題です。ブースがあるのが標準的ですが、普通の学校と変わらない机だったり、会議室の長机だったりと、学校によって様々です。勉強するのに邪魔にならない程度には設備がしっかりしている方が良いでしょう。

もう1つは、席固定か自由か、人数に対して十分な数席が用意されているか、変なルールがないか(耳栓禁止、など意図不明なもの)など、自習室のシステム面の問題です。席固定の場合には、問題集などを置いておける場合が多く、利便性に関わります。ロッカーがある場合も同様の観点から良いでしょう。変なルール、というのは、合理性がないものです。合理性があるものは、飲食禁止、イヤホンの音漏れ禁止、携帯電話での通話禁止、声を出しての挨拶禁止、などです。音や匂いが妨げになりますから。しかし、音を防ぐための耳栓禁止とか、特定の科目の学習を禁止する、とか謎のルールがある場合はその意図を確認した方が良いでしょう。

もう1つ、周囲からの防音、ほかの教室からの防音も大事です。環境音がどれだけ響くかも、集中できる環境に関わってきます。直前気になればなるほど、多少騒ついていても集中しなくてはいけませんが、インプット段階だとこの環境音への対策は大事になってきます。

最後に、音読スペースや食事スペースがあるかも場所によっては重要です。田舎だと、外にでて土手とかにでてしまえば音読とか食事とか自由だったりしますが、都市部だとそうはいかないでしょうから、施設内にこうしたスペースがあるかは大事です。なるべく移動時間を減らして、集中して勉強する方が良いです。

2:学習法指導

これは授業中(集団授業でも)に行われる場合もありますが、それと気づかない生徒も多いので、なるべく具体的な指導を個別にやってくれるところが良いです。

個人の学習法を矯正する指導があるか
 →その頻度は? 授業中のみ?面談がある(毎週?毎月?隔月?)?
 →進路指導の面談と兼ねられてしまう場合もある
 →相談に対する応答が適切か?

自分の学習の姿は、自分では良いと思っていても、課題が必ずあります。それを指摘してくれる人がいない環境では(友人が指摘してくれる場合もありますが)、独りよがりの勉強法になってしまい、ポテンシャルを最大限に引き出すことができません。

志望校合格に必要な学習を、すべてサポートしてくれるか?
予備校外の教材に頼らなくてはいけないのでは?

他にも、学習に必要な教材などについて、予備校によっては全てを自社教材で網羅してくれるところもあれば、手厚い指導を謳いながらも、人員不足・カリキュラム不足・レベル不足により問題集や参考書を頼らざるをえないところもあれば、自立学習タイプのように完全に参考書・問題集で進める場合もあります。

こうした、自社の指導だけでは抜けてしまう部分に対して、サポートがあるかどうかは非常に大事です。

例えば、東進ハイスクールや代ゼミサテライン予備校など大手予備校の一部は、演習用のドリルや単語暗記システム、過去問添削システムなど、受験対策に必要な全てのコンテンツを自社開発システムの中で提供しています。自社が提供するものだけで学習は完結しますよ!というスタンスです。

また例えば、武田塾は、完全に市販の教材を使い、週1回の特訓という名前のテスト+個別指導を行っています。どこにでもあるものを使って合格に導きますよ!というスタンスだ。

どちらが良い・悪い、の話ではありません。これは「学習法指導」の問題なのです。通える予備校がどのタイプなのかを、事前に把握しておくべきでしょう。

・学習管理があるか?
 →デジタル(スマホアプリ)か、アナログ(紙で報告)か?

学習管理については、代ゼミをはじめ、「studyplus」を用いて最初から生徒の学習方法を記録していく塾・予備校も増えています。導入コストが低いので、導入塾も次から次へと増えています。私の塾ドリームラーナーズでも採用しています。

こうした学習管理は、集団指導でも個別・個人指導でも必要な流れになってきています。学習の全てを記録することで、本人では気づかない学習傾向、集中しやすい、しづらい時間帯、進めやすい・進めにくい科目などを指摘できます。他人の目を取り入れることで改善すべき点を見つけてください。

3:進路指導

これもかなり差があります。「生徒や保護者に志望校を確認する」ことを進路指導と言い張る塾・予備校・先生もいます。また一方で、がすごい調べていて、口を出す余地がない…というパターンもあるのですが、素人が下手に考えるよりも、なるべくそのことだけ日々考えている人に、どのような受け方が良いのかアドバイスをもらった方が良いでしょう。

本人が納得して出願できるかどうかが大事です。志望したい大学の志望理由の掘り下げ、それに基づいた併願大学の選定、受験科目や問題傾向からの対策のしやすさで並べる、など、偏差値を見ただけではわからない見方があります。自分の合格可能性・進学可能性を高めてくれる指導を受けましょう。

・進路指導=進路選択のアドバイス、出願の指導があるか
 →出願の相談に気前よく乗ってもらえるか、など
 →全体説明会があり、個人相談は希望者のみ、という場合もある
 →親の暴走を止めてもらう役割も期待できる

これは、予備校の説明を受けるだけでなく、実際に通っていた人に聞くのが良いと思います。その先輩がどういう性格なのかも影響するので、自分と性格が同じような人を選んで聞いてみるのが良いでしょう。相談に行きやすいか行きづらいか、相談したところで返ってくる返答は的確かどうか、実際の受験生の視点で話してくれる人を頼りましょう。

本日は以上です

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この記事を書いた私はドリームラーナーズの石原と申します。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。

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