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間違いない数学勉強法

概要

フェーズ1:各単元の概念理解と公式に習熟するための計算練習
フェーズ2:教科書章末問題レベルへの対応
フェーズ3:志望大レベルに合わせた演習

前提=進学中心の公立高校普通科現役生

マーク模試で30点前後ぐらいの、数学終わってる感が出てる人を想定。苦手意識はあるが、50点以上はコンスタントにいく人は短く終わるので、そっちも載せてます。「やってはいけないこと」の直後に書いてあるのでそこまで読んだらおさらばしてください。

志望校的には、共通テストのみ(受験校によっては使わないかも)の人から、理系・文系ともに地方大学〜ブロック大学で二次試験があるレベルまで

旧帝大レベルまでは意識してませんが、基本部分は一緒なので、紹介しているプロセスをどこまで早い段階で確立できるかだと思います。

まずは「やってはいけないこと」から説明します。あまりにも沼る人が多いので。2つあります。

数学の受験勉強でやってはいけないこと

①チャート式(青・赤)やフォーカスゴールドに入試1年を切ってから手を出すな

ああいう網羅型の問題集、まともに使いこなせるやつは普段から使ってて、高3の4月に入るまでには既習範囲はすでに2〜3回はやっている。

少なくとも、授業の進度に合わせて一通りはやっているだろう。節ごとの末端の問題もやっている。

そうなっている人は、おめでとうございます。最後まで青チャート(フォーカスゴールド)とお付き合いください。どこの大学レベルでも対応できるでしょう。そして、そんな人はこの記事を見にきてないと思います(最初の段落で帰ってるはず)。

そうなってないやつは絶対に青チャート・フォーカスゴールドに手を出すな。課題に出された時だけやればいい。

「おすすめの問題集」と検索すれば、多くの場合出てくる「青チャート」は確かにおすすめの問題集です。私も、生徒への解説にあたって、典型問題の参照としてよくあたります。

ただし、時間と手間を多く注げる(かつ、学んだことが理解できるほど、あれだけ多くの問題を抽象化して「手段」として力にできるだけの脳力があれば)という条件を前提とすればの話です。

多くの受験生は、数学にそれだけの手間をかける暇はない(あるならスミマセン)し、使いこなせるだけの脳力はない。

正確には、そこまで脳力を引き上げるだけの手間を惜しんできているため、脳力が足りないことがほとんどだ。未来永劫青チャートが不向きな脳であるとは言ってない。あくまで現時点の話であることに注意。でも、それを成長させるのを待ってられないんですわ。

じゃあ何をするか、は下で話してますから、ゆっくり読んでください。

②数学ばっかりやるな(数学1科目だけの人は別)

数学1科目でない限りは、数弱(すうじゃく・すうよわ)が数学ばかりやっても、入試で「勝てる」レベルに行くわけないじゃないですか。

勝てそうな他の科目があるなら、他の科目でちゃんと点が取れるようにした方が圧倒的にマシです。

「私は数学で勝たなきゃいけないんです!」という思い込みより前に、まず数学をどれだけ取ればいいか過去のデータ等から調べてみてくださいよ。

医学部医学科志望とか、「点数が取れなきゃいけない」という人はスミマセン、ただそういう志望なのにこの記事に反応するような数学レベルなのを放置してんじゃないよ…

数学ができないの多く人は、数学ができないこと自体がコンプレックスになっており、数学さえできれば何かが逆転できると思ってしまっています。現在の自分のコンプレックスしか見ておらず、自分の未来を真剣に考えてない場合が多いです。

これ多分クリティカルヒットする人結構いると思うんで、ショック受けたら申し訳ないと思いつつも、「数学が苦手でも、得意で好きにする必要なくて、入試でそれなりにできればいいんだから、そこまで劣等感抱くなよ」「自分が進みたい未来に進むためにどういう戦略を取ればいいか考えろよ」という思いのもと書いております。

将来のために真剣に数学ができるようにしたいのであれば、何をやればいいか、自分にとって都合の良い情報を探し、それにすがるように勉強することをやめたら良い。それは勉強ではない。頭を使おう。

マーク模試でコンスタントに50点以上が叩き出せるけど数学苦手意識が強い人は

ガチな数弱というほどではないけど、上位まで届かない人に対して、現在(2024年4月1日時点)おすすめできるのは、旧課程の本ですがTYPE100と教科書(ガチで教科書最強)で基本解法の抜け漏れがないか確認してください。

表記は1A2Bですが、ベクトルも入っています。確率統計は入ってません。今の課程だと数学2Bの選択は確率統計の方が点数取りやすいような気がしますので、確率統計は別で対策してください。

このカテゴリに入る人で、理系で数学3まで使う(地方大・ブロック大クラス)の人は、文系範囲がそこまで問題ない場合は、早めに数学3もやり直しておきましょう。理系でも地方大狙いなら数学3Cは教科書で復習してもらうのがいいと思います。やや上まで狙いたい場合はTYPE60や勇者を育てる数学Ⅲあたりで固めておくことをお勧めします。

あとは大学別の対策、国公立形式の問題にたくさん当たってください。大体は高校で渡されている入試問題集(クリアーやスタンダードとか)で問題ないです。直前で過去問以外にやるべき問題集はCANPASSとか。

中上位ぐらいまでなら、こんなもんでアドバイスは終わりです。全体的な演習量自体は学校の課題や受験学年での授業の演習で確保できるはずです。手元では基礎がためを徹底してください。

フェーズ1:単元理解と計算練習

数弱(すうじゃく・すうよわ)の人が、単元理解でやって欲しいことは以下。

教科書読み直せ、練習問題を順番に解き直せ、節末・章末問題も隅から隅までわかって解けるようにしろ

かつ

そいつら問題だけ見て自力で解けるようにしろ

です。

で、ここが実は一番の問題で

そういっても誰もやってくれないんです。マーク模試30点未満の数弱が、文句言うんですよね。

騙されたと思って教科書の練習問題から復習してください。絶対に伸びますから。

また、「解けたらOK」「答えが出たらOK」とか勝手にルールを決めてやってしまうタコが多いのも問題です。

教科書の説明がまず理解できるのか、理解できたとしたら、練習問題が「同じように考えて」解けるかをやってみる必要があります。

同じように計算して、ではないです。頭使ってください。

練習問題の中には、わざと抽象度を上げて「同じような計算」では答えが上手に出せない問題も含まれています。そういうのに引っかかって毎回答え見ているようではいかんのです。教科書レベルですらまともにできないのではないか、という恐怖と向き合ってください。

でも、繰り返しますが、そういっても誰もやってくれないんです。なので最近は諦めて以下のシリーズを提案しています。

そう、「短期集中ゼミ」シリーズです。これと教科書(しつこい)が、数学弱者の鉄板の学び直しだと思います。

本当に内容がわからなかった教科書読んで…。

数弱を自覚するなら、Express版から始めてください。無印までいけば教科書の練習問題+節末問題レベルはクリアしたと思っていいでしょう。全部の問題が、問題だけを見てわかって解ける(答案にして説明できる、でOK)まで繰り返してください。

Express版→無印版の全問題がマストです。ページ下の演習題までやろう。また、1回だけやって次に行こうとしてませんか?絶対ダメですよ。全問題がわかって解けるまでやってください。マジです。

フェーズ2:教科書章末問題レベルへの対応

これが共通テスト数学6〜7割到達=地方国公立ラインや、中堅私立の問題に対応できるラインになってくるので、私立を数学で受験を検討している人はまずこのラインをクリアすることを目標にしてみてほしい。

ほとんどの人にとっては、フェーズ2で事足りることが多いだろう。

苦手意識が強かった人で実際に数学が苦手な人にとっては、短期集中シリーズからTYPE100への接続はそこまで良くないため、以下の2パターンに分けますから目標に応じて使い分けてください。

基礎的な典型入試問題への対処を学ぶ

短期集中シリーズの共通テスト対策本で、典型的な基礎問題対策。

その後、各大学の過去問を使って演習して合格ラインまで自力でできるようにする。フェーズ3が必要な人はそちらが優先。

共通テスト対策本はこれでなくてもいいが、「いきなり過去問」よりは、特有の形式対策をある程度行ってからの方が良い。

過去問に出てきた問題だけ解けても、同じ問題が出る保証はどこにもない。似たような問題が出ても数字が変わって解けない、とかアホみたいなことにならないでほしい。

また、私立大学の場合、地方私大レベルであれば数学は共通テストの方が難しい場合が多い。

基礎的な内容は共通テスト対策を進めていけば重なるため、共通テスト対策本をまずやってもらうで全く問題がない。

理系の場合、地方国公立や地方私立レベルであれば、ⅢC範囲は共通テスト対策ではきかないが、フェーズ2に当たるものが存在しないため、フェーズ1の教材(教科書+短期集中Expressと無印)を中心に、教科書の章末問題が答案付きで解けるところまでは到達してから、各大学の過去問にあたってほしい。おそらくほとんど対処できるはずだ。

ある程度自信がついてきて数学が好きになってきた人(勉強を正しくやっているとまれに出てくる)は、代わりに、50点以上取れている人のところで紹介したTYPE100やTYPE60を使っても良い。もしくは、志田先生の共通テスト対策本をお勧めしておく。これを一通りやって、それぞれの過去問に移ると良い。

ただし地方私立大レベルだとこれらはオーバースペックのため、最初に述べた教材に留めることを推奨する。

フェーズ3:志望大レベルに合わせた演習

ほとんどの人は、フェーズ2までで間に合うので、フェーズ3が必要な人は以下のパターンに限る。

ブロック大レベル、関関同立・MARCHレベルの私立大の一般受験を数学で受験する人

このレベルの数学でも、基本的にはフェーズ2までが適切にできているかどうかで合否の大勢は決まる。

このレベルまで目指すにあたっては、フェーズ2まで(共通テストレベルの基礎問題への対処)を夏休み中には目処がついていることが重要である。

そこまでできていることが大前提で、以下の手順を加える。

標準的な記述レベル問題集を1冊
理系の場合は文系範囲と理系範囲(ⅢC)で2冊必要なことが多い

上記に挙げた大学を目指し、かつフェーズ2までのレベルの学習が進んだ上で記述模試である程度の成果(偏差値55以上など)が出ている場合、秋ぐらいから取り組んだ方が良い。

まだ点数的・偏差値的に足りてないにしても、秋以降はフェーズ2の復習をしながら、フェーズ3のレベルも少しずつ取り組んだ方がいい。

ただし文系の方、多くの進学公立高校ではありがちだが、学校でそれ相応のレベル(国公立大二次試験レベル)の演習をする機会があるのならそちらに譲ってもいい。

この場合は、手元では徹底してフェーズ2の復習と、授業で扱った入試問題を徹底的に復習することの二段構えを推奨する。教材をそれ以上に足す必要は、学校のレベルや教師の腕前にもよるが(ほぼ)ない。

理系であるなら、授業で扱っていても、無理がないならばやっていた方がいいだろう。それだけ数学で点数を取らなくてはいけない場合が多いし、難易度もそれなりに高いからだ。無理がある場合は、学校の教材の復習を中心にした方が無難だ。

具体的な問題集をいくつか提示しておくが、学校で「メジアン」「クリアー」「スタンダード」「オリスタ」など課されて授業で使っている場合は、それで事足りることはわかっていてほしい。扱っている教材がハイレベルなものの場合は、「A問題」だけで良い場合も多い。

総括

「数学苦手コンプレックスを刺激されていることを自覚する」「必要なレベル以上にやりすぎない」「教科書レベルの説明を読んでわかるようにする」「必要なことは何度もやって覚える」など、勉強に対する姿勢や認知が問われる科目である。そのあたりの調整が大変な人はコーチングに頼る方が良いだろう。

サポートをいただいたら、大学受験用の参考書・問題集の購入に使います。解説してほしい問題などありましたらリクエストしてください。