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「仮面浪人」の手引き

お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。

本日は「仮面浪人」についてお話しします。

夢を見過ぎる仮面

まずは、自宅浪人と同じようにちゃぶ台返しから始まるのですが、仮面浪人もオススメしません。

理由自体は自宅浪人の場合とほとんど同じです。

1. 自分一人の意思の力で全てを何とかしないといけない
(しかも周りは勉強以外に、しっかりアルバイトしたり遊ぶ人が多い)
2. 勉強の様子を周りと比較できない&周りに打ち明けづらい
(モチベーションが上がりづらい)

特に、仮面浪人の場合でしんどいのが「ほとんど誰にも相談できない」ことです。どこかに相談に行ったところで、いや勉強するならちゃんと浪人しろや、と言われるのが関の山です。私も基本的にはそう言うと思います。今受かっている大学で、半年大学で過ごしてから同じこと言えるか、と。本当にそう言えるなら指導依頼は受けますし、実際にそう言う生徒は過去に在籍していました。

もし仮面浪人をするにしても、各種コーチングサービス(ドリームラーナーズでもやっています)を活用して、学習の仕方の管理やペース監督を用意してください。直前期には添削なども利用した方が良いでしょう。

入れた大学が、分相応な大学である場合が9割

そもそもの話として、今年で合格できた大学が分相応な大学なのです。行ってみてこんなはずじゃない、と思ったとしても、それは自分の実力が足りなかったからそこにいるわけで、まずそれを受け止めなくてはいけません。

医学部に行きたいのに薬学部にしか受からなかった、など拘り続けなくてはいけない理由があるなら、尚更もう一年予備校に通った方が良いでしょう。

ご家族の事情とか、2浪目以降は許さないとか、いろいろな事情があると思いますが、基本的には「受かったところ」が君がいくべき大学です。

本気じゃなかった、もっとやれた、と思っても、来年も同じ時期に同じようなことを思っている可能性が高いでしょう。人間の熱い気持ちはすぐ冷めます。本気で反省してるならこんな記事見ずに勉強してるでしょう。

仮面浪人するぐらいなら、もう一年しっかり頑張った方が良いでしょうし、行かざるを得ないなら、別のところで人生登っていけば良いのではないでしょうか。あまり高さや速さだけを求めるのはオススメしませんが…。

第一志望の大学まであと数点だったら、あと少しの努力でなんとかなると思います。ただ、それをどのように維持するのか、大学の勉強とどう両立するのか、そう言ったことを自分で決められますか?

もうちょっと根本的な話をすると、仮面浪人を検討するぐらいですから、進路のことについて深く考えてませんよね? こんなのは私に相応しくない、ぐらいにしか思ってないのではないですか? 大学進学とは、君たちの人生を飾り付けるためのアクセサリーではないのです。その大学を出て、何をしたいのか、その大学で何を学びたいのか、明確にした方が良いのではないですか?

まず進路相談でそこを明確にしませんか。

仮面浪人はオススメしないが…

一応、仮面浪人の手引きって書かれたからきたのに!どうやってやるのかも書いてない!プンプン!ってのを避けるためにここから先は仮面浪人をするにしても、このようにやると良いよ、とか、これだとオススメしないから普通にもう一年がんばった方が良いよ、と言う話をします。

科目選択上有利なのは「文転」です。

国公立進学→仮面浪人で私立文系上位を受験
です。これは、理系なら「英数国」、文系なら「英国社」で戦えます。大学ではレポート課題だったり散々本も読まないといけませんから、理系であっても文章を読み解く力を受験用の問題集や参考書以外でも鍛えていけます。古典や、英語の文法問題、マニアックな歴史の問題などには当然対策しなくてはいけませんが、問題集を絞ることで効率よく進めていくことができます。

そして一般的には「理転」はきついですが…

「文系」からでも、「公立大看護」や「私立薬」は許容範囲
薬学部とか看護とか、文系範囲の数学で、理科専門は1つまたは理科基礎2つで受験できる大学なら、ある程度は大丈夫です。しかし、文系からガチの理系(特に国公立大の理系学部のほとんど)は数学3と理科専門の壁がのしかかってくるので基本的には仮面浪人ではなく、予備校にしっかり通って浪人した方が良いです。

「私立文系」→「さらに上位の私立文系」
「国立の併願で受かった私立文系」→「上位の文系」
「理系」→「さらに上位大学の理系」

これは仮面浪人の定番だと言えます。学習する科目がほとんど変わらないので、工夫次第で伸ばせます。私立理系専願の場合でも、追加するのが国語と社会1科目なので、得点を取ることを重視して選べば戦えるでしょう。

ただし「私立文系専願」→「仮面浪人で国公立文系」は大学学部を選ぶ
これは相当きつい場合があります。国公立といっても、科目数が少ないところを狙う場合なら良いですが、大体の場合、数学・理科基礎を追加するハードルはかなり高いと思ってください。

「あと数点」を伸ばすだけなら可能な場合もある

仮面浪人でも大丈夫では?と積極的に言うのがこちらのパターンです。

旧帝大以上の難関国公立大(一橋大学・東工大なども含む)志望者が、早稲田や慶應に合格して進学して、それでも元の難関大国公立に受かりたい、と言う場合には可能性が高いでしょう。

なぜならこの場合は「あと数点」が、本番での精神的な甘さだったりするわけですから、1年間ラストスパートと同じような学習を繰り返しながら(しかも繰り返す間に効率はどんどん高まっていく)、大学で読解や表現の方法論の基礎を学べるわけですから、元々難関国公立大学を目指し合格ギリギリまで行けるぐらいの実力がある人にとっては、無理のないことです。

ただ基本的には、早稲田や慶應でしっかり勉強した方が良いと思いますけどね…。

全てのパターンで共通する「仮面浪人の勉強法」

①参考書・問題集を中心に取り組む
→現役時に使っていたものを完璧にすることが先
→なるべく、1冊で現状の学力から志望校レベルまで到達するものを使う
→繰り返し取り組む+過去問中心の演習で最短距離でやる

②問題集・参考書を厳選する代わりに、大学の勉強もサボらない
→特に、読んだり書いたりする勉強・課題はきちんとやる
→やり方がわからなければ先輩や友人や授業担当の先生に聞く
→理系から理系の場合、基礎科目が入試問題の役に立つ場合が多い
→基礎実験やそのレポートなどは理科の理解にうってつけ
→運動がわりにサークルも入っても構わない(飲み会は控えめに)

③模試は必ず受験する
→実力を測る機会を積極的に作る
→2ヶ月に1回、直前期はできれば毎月受験してほしい

具体的な学習相談やペースメーカーの役割はドリームラーナーズへ!

本日は以上です。


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