"真の"「とりコン」にならないために
「とりコン」なる言葉があるらしい
Newspicksの記事を読んで初めて目にする言葉があった。
それが、「とりコン」だ。長いキーワードも4文字に短縮すると言いやすいのかもしれないが、聞き慣れない言葉のため、今のところ違和感しかない。(「もしドラ」も初期のころは聞き慣れないと思われたかもしれない。)
ちなみに、「とりコン」とは「とりあえずコンサル」の略称で、「やりたいことはないけど、つぶしが利きそうだから、とりあえずコンサルに入っておけば間違いない」という意味らしい。
確かに、コンサル業界に入ることでキャリア的につぶしは利くかもしれない。しかし、リターンの大きなものにはリスクも付き物である。そんなに甘い業界ではないのにな…と思う気持ちは一旦置いておいて、ここでは、「とりコン」ってどうなのよ?ってことについて自分が思うことを整理してみる。
記事に出てくる「とりコン」は、"真の"「とりコン」にあらず?
まず、記事の中にも「とりコン」として事例となる方が登場する。
さて、これを見て何を思うだろう。 率直に思ったのは、「この人、とりあえずコンサルって感じとは少し違うのでは?」ということだ。(経営に関わる仕事がしたい、ということであれば、起業してもいいのでは?という点は一旦置いておいて)
この方の場合、ある程度キャリアの指向性が明確であり、将来的に経営に携わるのであれば、戦略コンサルファームで腕を磨いたり、社内で人脈を築くことが重要と考え入社したように思えた。
さて、これが、本当に”とりあえず”コンサルなのだろうか?
私の思う、”真の”「とりコン」はもっと自分のキャリアに対して不鮮明・不明瞭な状態で、周りも入社してるから”なんとなく”コンサルに、という感じを抱いていた。実際、そっちの「とりコン」の方が多い気がするし、実態に合うように思う。
(10年程前に就活界隈を賑わせていた、「なんとなく銀行」というトレンドと近い感覚なような。)
“真の”「とりコン」に待ち受ける3つの方向性
さて、そんな”真の”「とりコン」であるが、この状態に待ち受けているのはどんな方向性なのか。考えられる3つの方向性を整理してみた。
結局やりたいことが見つからず、そのままコンサルに在籍
ある程度のスキルは身につくも、軸がないため専門性の習得に苦戦
淡い期待と現実の厳しさのギャップに苦しみ続ける or Exit
コンサルワークは本質的にはお花畑とは程遠い、戦場に近いもの
下手すりゃ精神やられるリスクや沢山残業しないといけない場合もある
幸運にもキャリアに対する視界が鮮明になる
おそらく、”真の”「とりコン」の方々が目指したい地点
コンサルファームに残る、意思をもって他社に転職する など
3つ目に辿り着けば理想的であるが、3つめはある程度日頃から自分が何をしたいのか、何をすることに嬉しさや面白さを感じるか、などを考えていないと巡り会えない。
というのも、コンサルファームでアサインされるプロジェクトは、運の要素が大きい。特に入社初期なんて、スキルや経験もほぼないので、アサインする側も何で選べばよいか判断が難しい。故にその時々のプロジェクト状況に応じたアサインになるケースも想定される。何か自分として、こんなことをやりたい、と最初は不明瞭であっても徐々に具体化しながら自主的に探索していかないといけない。
“真の”「とりコン」から、良きキャリアを描くために
コンサルファームは、確かに、基本的なビジネススキルを習得しつつ、様々な業界・領域の仕事に携われる環境ではある。ある人にとっては非常にやりがいと魅力のある環境である。一方で、関与できることが多様すぎるが故に、自分自身で興味やキャリア、専門性の舵取りをしないといけない。逆に、自分のキャリアの舵取りを会社に任せたい、というのであれば、おそらくコンサルティングファームを始めとするプロフェッショナルファームはあなたの指向性とそぐわないのだろう。
さて、”真の”「とりコン」から、良きキャリアを描くためには何をすべきか。ここで手取り足取り教えるということはしないし、できない。結局、自分のキャリアは自分で決めるべきだ。まずは忙しい日々の間で、以下のようなシンプルな問いを意識するところから始めてみるのはどうだろう。
自分はどんなキャリアを描きたいのか?
何をする時に喜びや楽しさを感じるか
逆に何をする時にツラさや苦しさを感じるか
強いて挙げるとすると、どの業界・テーマのプロジェクトに入りたいのか?
それは、どうしてか?
その業界・テーマのプロジェクトに入るために、今できることは何か?
参考書籍
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