【新卒・若手向け】リサーチ"玄人化"を加速させる技術・Tips(Web検索編)
この記事の目的
新卒・若手ビジネスマンが担当する事が多いリサーチにおいて、”玄人”と"素人"の違いや、生産性を向上させる上でのTips(Web検索編)を紹介します。
リサーチ"玄人"と"素人"の違いとは?
「○○市場の動向について調べてほしい。」
コンサルティングファームの場合、新卒や若手の頃はリサーチ作業を任されることが結構あります。そのため、まずはリサーチ作業の出来・不出来がパフォーマンスを図る上での一指標になります。一方で、リサーチ作業は、出来・不出来が顕著に表れる作業でもあります。
例えば、リサーチが得意な人の場合、当初依頼された調査結果に加えて、他の有意義な情報も収集してくるので、上司としては非常に助かりますし、その後の作業の品質向上に貢献します。
逆に、リサーチが不得意な人の場合、時間をかけたにも関わらず、依頼された調査結果すら収集できず、「1-2時間、何を調べていたの?」と厳しい事を言われてしまう事もあります。
では、このリサーチ"玄人"と"素人"の違いは何でしょうか。僕が思うに、次の3つの出来・不出来がリサーチ品質を左右していると思っています。
1つ目は、仮説精度です。忘れがちですが、リサーチはあくまで「仮説検証の一環」です。そのため、大前提として仮説を立てた上で作業する必要があります。また、仮説の精度によって調べる対象・内容も変化します。ざっくりと、「市場がどうなっているか?」と調査するよりも、「この市場は様々なプレイヤーが乱立しているが、各社の戦い方は大きく3つに分類できる」と仮説を立てた上でリサーチに入る方が、リサーチすべき内容がより具体的になります。
2つ目は調査設計精度です。如何なる手法を選べば、仮説を適切に検証できるかを考える必要があります。欲しい情報がWeb調査で済むのか、または、アンケート・インタビューにより情報を創る必要があるのか、それらを見極める必要があります。さらに、仮説に照らし合わせて調査する項目を導出する事も必要となります。
3つ目は調査作業精度です。リサーチを行う上での技術(Web検索の工夫やインタビューの聞き方、等)や、収集した情報を適切なアウトプットにする技術(こちらは示唆抽出や資料作成等のスキル)が求められます。
生産性を向上させるリサーチ作業のTips
ここからは、主に3つ目の要素である、調査作業精度を向上させる技術・Tipsを幾つかご紹介します。
■Web検索(Google検索)
最も活用頻度が多いのがWeb検索だと思います。一方で、Web検索は多種多様な情報が大量に存在するため、欲しい情報を手に入れるための術がないと、あっという間に情報の渦に飲み込まれてしまいます。
そのため、Web検索における技術を、一般的なGoogle検索のコツの中から特に私が活用するものを5つご紹介します。(Google検索におけるコツは下記リンクをご覧ください。)
1.ツール検索
ツール検索は、検索窓右下にある、「ツール」ボタンをクリックする事で、【言語】、【期間】、【すべての結果/完全一致】で検索結果を絞り込むことが可能です。
例えば、海外企業の事例を調査したい場合には、英語記事の方が豊富、かつ、情報量も多いので、【言語】を”英語”に限定する事で検索対象を絞り込めます。また、ある企業における直近の特定事業の動向を調べたい場合には、【期間】を直近3年程度で絞り込む事で、そのような検索が可能になります。
2.NOT検索
NOT検索は、特定キーワードを除外したい場合に使います。使い方は、検索KWの前後に【-○○】という形で除外したいキーワードを入力する事で出来ます。
例えば、特定の地方銀行の動向を検索したいのに、検索結果にメガバンクの情報も表示されてしまった場合などに【-三菱UFJ銀行】と検索キーワードに合わせて入力する事で、欲しい情報に絞り込んだ検索をすることができます。
3.filetype:検索
filetype検索はPDFやExcel等、調査対象ファイル形式を絞った検索にオススメです。特に何かの調査結果はPDFで掲載されている事が多いため、【filetype:pdf】と入力し検索することで、調査対象を絞り込むことが可能です。また、何かの定量データが欲しい場合には、【filetype:xls】と入力する事で、Excelデータに辿り着くことができます。
4.site:検索
site検索は、特定サイト内に絞って検索を実施する機能です。様々なWebページ(特に企業ページ等)には、HP内検索機能がありますが、いまいち検索精度が悪い場合があります。また、HP内検索の場合、ツール検索(期間などの指定)が出来ない場合もあります。そのような時に活用するのがsite検索です。
5.完全一致検索
完全一致検索は、検索KWを””(ダブルクォーテーション)で囲う事で設定できます。特定キーワードに絞った検索結果を表示したい時に用います。そのため、ある程度、検索KWが絞り込めたタイミングで使うと有用です。
これらの技術は組み合わせで効果を発揮する
ここまで私が頻繁に使うWeb検索のTipsをご紹介しましたが、実際に活用する時には、これらを複数組み合わせて検索する事が多いです。例えば、10年以上前の業界等のトレンドを調べる場合には、ツール機能で日時を設定しつつ、調査レポートを検索するために、filetype検索を実施する、不要なキーワードはNOT検索で除外する、等の方法を用いる事で、検索すべき対象を絞りこんでいきます。
Web検索は一番接点の多いリサーチ手法です。そのため、まずは最低限の検索技術(Tips)は抑えておくべきだと思われます。
なお、Web検索以外のリサーチ手法(記事検索や文献検索、アンケート、インタビュー)等のTipsはまた別の機会に紹介します。
(参考)リサーチ技術向上に役立つ書籍
下記資料はリサーチ技術を向上させる上で優良な書籍ですので、ご参考までに紹介します。
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