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秋田駒ケ岳から乳頭山縦走、そして大釜温泉へ

神話と現代の中間位なお話です。
山仲間と7月の秋田駒を目指したのです。
私達は夜行バスで、友人は新幹線組とマイカー組に分かれて8合目バス停で落ち合う予定でした。
行ったメンバーが私を含めて、そそっかしいとか何やら問題を抱えるとか、一波乱も二波乱も絶対あるだろなと思わせる面々。
一人は寝坊して新幹線に乗り遅れ、もう一人は車が故障して動かないので、レンタカーを急遽借りる。「この際だから山形ナンバーの新車にしちゃおうぜ」とツッコミも忘れない。もう一人は前日からキャンプ場でキャンプしていたら、水道の蛇口を外して?壊して?水が止まらないとか。。。
どうして何事もなく登山できないw

いえ、人のことばかりは言えない。
バス停で、重いザックを背負った勢いがあまりにもすごくて、手にはめていた時計が空を舞う。。。
無事着地した先が側溝の中。。。
よりによってそっこうなのね。なんてダジャレを言っている場合じゃない。
さらさら流れる水の中に私の時計が泳ぐ泳ぐ。。。
あわてて側溝のふたを開けるのだが人力で開くような重さじゃない。
周りに居合わせた人々が一生懸命開けようとしてくれるがびくとも動かない。。。なんかないか。。。8合目避難小屋に駆け込むと
お兄さんがつるはしとバールを持ってきて開け始めること数分。。。

開きました。。。ありがとうございました。。。

「時計を腕にはめるな」といわれのないお叱りを相方から頂き、
なんか納得できないが、納得して腕時計をバックにしまう。
幸い、きょうも時計はけなげに時を刻んでくれている。
はあ、波乱の幕開けだ。

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気を取り直して、みなで片倉コースの登山口に向かう。
時計事件でもたもたしてたので、出発は9:50となってしまった。
お天気さえも人の心を写すのか、朝方晴れていたのにだんだんどんよりとした天気になってしまった。
それでも花の百名山美しくも多くの花たちが迎えてくれる。

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そのうちお天気は非情にもどしゃぶりになってしまい、おまけにガスガスでなんの展望もなくなってしまった。
やっと阿弥陀池着いた。今日はここで1泊。

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避難小屋で昼食を取り、ひと段落したところで、遅れてきたメンバーが到着
全員揃ったところで、13時すぎ雨の中を男女岳(おなめたけ)(秋田駒ケ岳最高峰)に向かう。なんの展望もなし。。。

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晴れていればこの風景。。。

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*旅東北さんから画像お借りしました

下ってからは、コマクサの大群落をなんとしても見なければ、なので
暴風雨のなかを横岳から大焼砂に向かう。
どこ~コマクサ~
大焼砂をだいぶ下ったところでコマクサがぽちぽち表れはじめた。
でもガスガスで全貌が見えない・・・

晴れていればこんな風景が広がるのに。。。

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*旅東北さんから画像お借りしました

やっとの思いで避難小屋にたどり着く。
泊まりは私達だけかなと思ったらもう少しして一組やってきた。
全部で9名、余裕の避難小屋で外のトイレもきれいだし小屋もきれいだし
言うことなし。8時ころまで宴会を楽しむ。
ごきげんになったところで就寝。

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と、夜中階下で戸が開く音がした。。。
そのうちに食器のがちゃがちゃする音がする。。。
あ、食事つくってるのね。。。え、こんな時間に。。。
いやあ~ 

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昨晩のびびりモードから一夜明けると、
なんだメンバーが外トイレに行った物音でしたん。ははは。
4時に起床し、のんびり準備を済ませて5:53出発です。
車のメンバーと岩手に戻らなくてはいけない車故障のメンバーは、お天気もよくなってきたので焼森まで行ってシャクナゲコースで八合目に下山です。

焼森はコマクサともう咲き終えたタカネスミレも咲いていた。秋田駒ケ岳もガスの中からその姿を現しだす。ちらっとだが岩手山も見えた。

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さあ、ここで車組とはお別れなのだがまだ朝も早い。
湯森山を経由しても約2時間で八合目までだよっとそそのかして
さらに進む。。。
チシマザサの広い尾根をゆるゆると登っていく。湯森山のハイマツの山頂からは男女岳が美しい。遠望が利かないのがおしいところ。
ここでほんとに車組とお別れし先に歩を進める。
ここからは、ヨツバシオガマやウサギギクの咲くお花ロードだった。
ヒナザクラもここで見つけた。

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まだまだ雪が残っているところや、ぼおっと浮かぶ湿原が変化に富んでいる。溝状に窪んだすべり易い登山道をすぎると熊見平だ。

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大きな岩が折り重なった宿岩で休憩し、ここからまたゆるゆると笊森山まで登っていく。ときどき濃いガスに覆われたりまた霧が晴れたりを繰り返す。
言葉を忘れるくらい気持ちのいい尾根だ。次から次へとお花たちが現れる。
道行く人もほんの数人しか会わない。静かな静かな別世界。

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さて、ここから分岐を右に折れると東北随一と言われる千沼ヶ原だが
時間がきびしくなってきた。涙をのんでここはパスして左の乳頭山への道をとる。ときどきぼおっと乳頭山の頭が見え、小さな湿原がぽつぽつと現れる

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いよいよ乳頭山が目前に迫る。とみるみるガスが晴れてその山頂を見せてくれた。ニッコウキスゲのオレンジとあいまってきりりと美しい山頂だ。
ちょっと急な岩場をいっきに登りきる。
山頂からはたどってきた尾根がよく見える。北に目をやると東北らしい
やさしげな森とも草原ともつかない風景が広がる。

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しばし山頂でくつろいで田代平に下る。こちらは湿原のお花がかわいい。
ここから一気に孫六温泉まで下ります。

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乳頭温泉郷(孫六温泉)HPからお借りしました

だいぶ後髪を引かれますが、頭と身体が洗える大釜温泉まで下ります。

大釜温泉は源泉かけ流しの熱湯(源泉98℃)のため、加水しています。
泉質は酸性含ヒ素ナトリウム塩化物硫酸塩泉で、笹濁りのいいお湯です。
登山者の御多分に漏れず、バスの時間がせわしなく、ささっと汗を落としました。次回チャンスがあれば、乳頭温泉郷七湯の湯めぐり帖を買って、ぜひコンプリートしたいものです。

入浴時間: 9:00~16:30
入浴料金: ¥600

トップ画像は大釜温泉HPからお借りしました

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