愛しのシロ
かつて我家ではシロという名の猫を飼っていました。
大きな河川の土手で捨てられたとみられ、人を見つけては後を追いかけるということを繰り返し、最終的に地域猫のボランティアさんに拾われました。
推定3歳という年齢のためと、ひどい鼻炎の症状があったために、タウン紙に出ていても、3ヶ月以上貰い手さんは現れませんでした。
私は最初のタウン紙を見て、その可愛さに一目ぼれしてしまいましたが、相方が猫が嫌いなこともあって言い出せずにいました。
3ヶ月経ち、いまだに貰い手さんは現れずこの子は私が言い出すのを待っているのに違いないと、一人合点でボランティアさんに連絡しました。
いろいろと飼うためのチェック項目をクリアして我家にやってきました。
相方はまあ仕方がないという風情でしたが、仕事から帰ると毎日コロコロで自分の居場所の猫の毛は余すことなく排除するという徹底ぶりです。
そんな為、シロも相方の近くには絶対行かないのです。
家の前の空き地はシロの格好の遊び場で、ここと散歩以外は行くことがありませんでした。
そう、今は亡き父との毎日の散歩がシロの日課で、その後やはり拾われてうちにやってきたマルと仲良く散歩します。
私達が仕事の時の父の見守りはシロの仕事に自然となっていきました。
もちろん、夕食メニューのおねだりも忘れません。
シロに遅れてマルも通りをさまよっている所を保護しました。
白内障を持っていたために捨てられたのか、警察署を初め関係先に連絡をいれましたが、持ち主からの連絡はありませんでした。
こうして捨てられた同士のシンパシーがあるのか2匹はとても仲良しでした
もちろん野獣のなかにおいても君臨できる頼もしい奴でしたw
いつだって地域一番(強い)を目指します!
何ごとにも興味を示して
どんな物にも果敢に挑みます。
でも雪はさすがに嫌いみたいでした。
好奇心が勝って降りられなくて助けを呼ぶことも。。。
そして何といっても自然の中に身を置くことの似合う猫でした。
シロがある日ふっといなくなってから4年が経とうとしています。
前の晩の寝姿を確認して、朝起きるといなくなっていました。
忽然と消えたように、もう二度とその姿を見ることはかないませんでした。
人懐こい猫だからきっと猫好きな人が拾っていったんだと思う事にしています。マルも去りシロも去り父も昨年旅だちました。
マルもシロも私が父を失った時の悲しみを少しでも和らげるために、事前に私に心構えと寂しさに慣れることを教えてくれたのかもしれません。
そして父を亡くした2度目の1月も終わろうとしています。
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