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不動産屋さんのイメージはなぜ悪いのか

不動産会社ってアナログで昭和なイメージ・・・そして営業がしつこい。

このように思われる方は少なくないでしょう。私も、不動産業界に入るまでは、そう思うこともありました。

事実、私は縁あって不動産業界で働いているわけですが、初対面でいきなり「不動産屋さんは信用できないからね〜」と何度か言われたことがあります。何もしておりません笑

これにはいくつか理由があると感じるようになりました。

この業界が大好きな一人として、またイメージ向上を願う一人の人間として、現場から不動産会社の実態をお届けしたいと思います。

不動産業界の仕組み

まずは、根本の不動産業界の仕組みを知る必要があります。大きく「建てる」「販売する」「賃貸する」「管理する」と4つに分けられます。

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例えば、三井不動産や三菱地所、野村不動産などは、オフィスビルや商業施設、住宅マンションなど総合的に開発を行っています。自社で建てて自社で販売する会社もあります。

また、東急リバブルや、三井のリハウスなどCMで目にしたこともあるような企業は売買の販売会社です。街中でも賃貸の仲介会社はたくさんあります。業界の関係者でもない限り、一番接触が多いのがこの部分、不動産賃貸、売買仲介会社でしょう。

つまり、一般的には黄色枠のところが、不動産屋さんとして認識されているのかなあと思います。

また、不動産業の売上高は43.4兆円、全産業に占める割合は2.8%、不動産業の法人数は、32.9万社全産業に占める割合は11.5%(2017年)と非常に大きい業界です。法人の10社に1社が不動産会社という計算になるわけです。

不動産会社と一言で言ってもその職域は多岐に渡り、例えば販売会社一つとっても様々な領域がある、これが不動産業界の構造です。

販売会社の一例

・個人に土地を売る
・建売(既に完成している新築)を売る
・中古物件を再販して売る
・ビル一棟を売る
・投資用物件を売る
・事業用物件のみを売る
・倉庫、物流施設を売る
 などなど色々ありますね!

なぜ不動産屋さんのイメージが良くないのか

冒頭に戻り、なぜ不動産屋さんのイメージは悪いのか

私なりの分析を踏まえますと、なぜこのような印象を受けるかというと、下記の3つが大きな理由かなと思います。

①ネガティブニュースが多い
②コミュニケーションの問題
③不動産は世の中に一つとして同じものはない

順を追って説明していきます。

1:ネガティブニュースが多い

いつの時代もどの業界も、話題になるのはネガティブなニュースが多いのは世の常かも知れません。

ここ最近の数年を見ても例外ではありません。

一度は、不動産にまつわる下記のようなニュースを聞いたことがあるのではないでしょうか。

・かぼちゃの馬車(スルガ銀行ローン)事件
・レオパレスの違法建築問題
・積水ハウスの地面師問題
・プレサンスコーポレーション事件
・姫路のトランプ事件
 etc

不動産が関わるニュースは「住まい」に密接にリンクしています。金額も非常に大きく、話題にも登りやすいです。

実際問題、そのニュースの裏側は当の本人にしか分かりませんので、ここでは取り上げませんが、これらのニュースは「不動産=ネガティブである」といった印象を与えやすいのではないか?そう思います。

2:コミュニケーションの問題

知らない電話番号にたまたま出ると、不動産会社だったパターンは一度は経験があると思います。

もしもしー、新築投資用マンション興味ないですか?

知らない番号からかかってきて、後でググると、『不動産投資会社の営業!しつこい!』みたいなクチコミが出てくることは経験があるでしょう。

これは私自身も経験し、反論した経験があります。ちなみに私は新築投資用マンションを売りませんし、このような営業は絶対しません笑

先ほどで見た通り、「不動産屋さん=断っても電話をしつこくかけてくる」といったイメージを持っていると、それは業界イメージは悪くなると思うのです。(もちろん全ての会社がそうではないですし、素晴らしい会社もたくさんあることは承知しています)

また、不動産適正取引推進機構のデータによると、宅地建物取引士(宅建士とも呼ばれます)の平均年齢はなんと49.8 歳となっています。

この数字は、試験合格者ではなく、就業者の数字となっていますから、いかに不動産業界の平均年齢が高いか、ということがわかります。

さて、そうなるとコミュニケーションツールもメインプレイヤーの属性に合わせたものとなってきます。

近年は徐々に変化してきていると思いますが、現状は下記のような状態です。

FAXがメイン
郵送もメイン
電話もメイン
パソコンがひらけない
オフィスソフトがよくわからない

周辺産業のプレイヤー(銀行さんなど)とのやりとりももちろんLINEやスラックをつかう訳にもいかず、FAXや電話が主となります。

時代の流れがDXに向かっている以上、そぐわないことをしてしまうと、淘汰されてしまうのは自然の流れではないでしょうか。でも、効率化するべきところはして顧客や生産性向上に時間を割くべきだと思うのです。

不動産業界はビジネスチャンスの宝の山ではないか!と思います。私は前職でECサイトの経験もあるので、日々社内のDX化に取り組んでいます。やればできます(笑)

少し話は逸れますが、個人の方で新築用投資マンションを検討されている方がいらっしゃったら、十二分に慎重になられた方が良いかと存じます。やはり、一つの事業になり、新築は極めて難易度が高いです。「税金対策」などと言われるかもしれませんが、収支が合うかどうかを慎重に見極めなければ損をすることも多いです。

3:不動産は世の中に一つとして同じものが存在しない

また、不動産は世の中に一つとして同じものが存在しません。一つなくなれば終わりです。

他にも申し込み入りそうなんです!

このような言葉を不動産屋さんから聞かれたことがあるかもしれません。

これは、契約を取るために言われるために言ってるの?と思うでしょう。事実、人気の物件には5つの申し込み(買い付け)が重なることもあります。

これには、やはり世の中で一つとして同じものがないので、スピード感を持ってしないとなくなってしまうのです。

それが事実であれ、否であれ、お客さんからすると本当かなあ?と思ってしまう。ここにもギャップがあるのではないかなあと思うのです。

不動産の契約には、言った言わないを防ぐために重要事項説明をする義務があります。お互い納得して契約しましたよ、という説明です。

それでもやはり全体の10社に1社が不動産会社ですから、いろいろな会社さんがあります。その中で人と人のやり取りですから、嫌な思いをされた方もいらっしゃるかもしれません。

そのような口コミが回り回って、良い印象をお持ちでない方もいらっしゃるのは事実だと思います。

まとめ

以上、現場から私が感じていることを書いてみました。

この業界は、誠実で素晴らしいプレイヤーもたくさんいらっしゃいますし、何より不動産という仕事はとても面白いのです。

私が属する会社は建物を建てる以外の、開発、販売、管理を一通り事業として行っていますので、ありがたいことに全て経験をさせてもらっていますが、どの職域も「人の住」に関わる大変意義のあるものと感じています。

業界イメージの向上に向けて、初対面の方にも優しくしてもらえるよう(笑)これからも頑張っていきたいと思います。

不動産売買を分かりやすくするため、こんなブログをやってます。よければ覗いてみてください。

現場からは以上です!

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