見出し画像

今のうちに暴露系市場を縮小させることが未来に繋がる

・暴露系市場は誰得なのか?

 暴露系ユーチューバー?暴露系インフルエンサー?暴露系国会議員の誕生で、著名人のタレコミが既存の暴露系メディアに集まらなくなり、文藝春秋傘下の文春をはじめとした暴露系の週刊誌が一掃されるのではないかと淡い期待を抱いた人達もいるのでないかと思うが、結果的に暴露系インフルエンサーの登場により暴露系のマーケットが拡大しただけなんだと、週刊誌の負けてたまるものか的な最近の暴露系記事を見て思う。

 基本的にはどんなマーケットでも拡大すれば日本経済に恩恵を与えるも、不倫やスキャンダル等の暴露系市場の拡大は日本経済にとってマイナスなのではないか。

 つまり誰得なのか?

 ・暴露系市場は一般大衆のストレスの捌け口?

 少子高齢化の膠着した社会による閉塞感で、今後の日本はますます非寛容な社会がリアルでも加速するだろう。そこに有名人の道徳的なスキャンダルが、今後もネットを中心に投下されるという事は、火に油を注ぐようなもので炎上も加速度的に増して、社会から抹殺されてしまう確度も高まるだろう。

 これは組織より個が尊重/優先され、組織に属して頑張るより、個人で頑張った方が経済合理性も高まりやすい今後の社会では決して他人事ではないと思われる。(犯罪等の刑事裁判沙汰は報じる必要性/社会性はあるが、民事裁判レベルや裁判にもなっていないスキャンダルはどうなのか)

 暴露系市場の拡大に伴い、他人に清廉潔白を求める人はどんどん増えるだろう。そしてどんどん非寛容な社会になり、新しいモノやコトにも非寛容になり、イノベーションが日本から生まれなくなり、経済も萎縮して我々一般大衆もどんどん貧しくなる悪循環。

 我々一般人はストレスを著名人に向ける事でストレスが解消された気になるも、本質の部分のストレスは解消されないので、スキャンダルを起こした著名人に雪だるま式に大きくなった大衆のストレスが繰り返し向かうことで、悲劇が起こりやすい社会の構造を育んでしまう暴露系市場。

 一方で我々大衆は自分の経済的貧しさに鈍感で、アニマルスピリットが起きにくい経済環境も、このままだと定着してしまう。

 ・暴露系市場を縮小させて独白市場を開拓せよ

 昔から有名税という価値観が存在するが、ネット社会でそれをあてはめるのは危険すぎる。不特定多数の悪意が一人に集中し過ぎてしまうからだ。

 じゃあどうしたらいいのか?

 著名人の独白及び告白出来る環境を作ってあげるべきだ。彼ら彼女達が抱えるストレスを一般人に聞いてもらえる場を用意してあげるべきではないか。

 例えば著名人が働いている環境でのストレスやセクハラやパワハラ等、理不尽な事を第三者に告発及び暴露することができる場所を第三者が作ってもいいのではないか。

 もちろんそれは構造的に難しいかもしれない。仮にそのストレスが所属事務所や関連スタッフそして業界等の利害関係者の事なら、そんなに簡単に実名で自分のストレスを語るのは難しいだろうから、著名人も我々一般人と同じで匿名で告発したらどうか。

 もちろん固有名詞はぼやかし、プライバシーは徹底して守る。ただその著名人の抱えているストレスは、いったいどんなものなのかは第三者にもわかるぐらいの内容で公開すべきだと思う。そんな独白/告発環境を用意する事が出来て、尚且つそんな芸当が出来るのは出版業界及びそこに属する編集者ではないだろうか。

 暴露系市場を拡大させている一部出版業界はこれまでの免罪符として、又は暴露系市場に参入していない出版社は独白及び告発市場に参入し市場の拡大を目指す事で、暴露系市場の縮小を実現して頂きたい。

 もちろんどんな媒体でもいい。しがらみの少ないネットがその受け皿となっても面白いと思う。いずれにせよ著名人が属する業界をより良く正す為の独白市場を拡大すべきだろう。

 そうすることで、我々一般人にも著名人の苦悩が少しは理解できて、今よりもう少し寛容な社会が日本に訪れるかもしれない。

 ・最後に

 我々一般世論が、著名人への妬み嫉み僻みを自重出来るぐらいの等身大の幸せを掴む事が、まずは未来のためにできることなのは重々承知している。

 

#未来のためにできること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?