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あの企業文化を作らせたのはあなた

今回のお話

紛れもなく名著だったので紹介したい本があります。
以前もこれに関する記事を書きましたが、最後まで読了したので感じたことや気づきを書いていこうと思います。

行動が文化を作り上げる

この本を一言で言い表すならこの言葉につきるかと思います。
ベンチャーキャピタルを経営している著者が様々な企業や歴史上の人物から学んだ企業文化を構成するものに関して書かれているものとなっています。

おそらく最も共感しうるのは経営者であり起業家でしょう。自分が作り上げた企業の中に宿る文化をよりアップデートする上での指南書としても読むことができるでしょう。

ただ自分は一介のサラリーマンであり、管理職でもなければ経営者でもないのです。であるならば何故これを名著と呼ぶことができるのでしょうか。

それは、本書を行動変容を促すための指南書として受け取ることができるからです。

企業文化としても読み解くことは可能ですが、自分を一つの企業として捉えるとするならば、それは自分の行動による結果を変えてくれるものだからです。

言葉だけが先行している人はたくさんいます。あれをしなさい。これをするとよくなるとかこれをしてはいけないだとか。指摘する一方でそれを実践し徹底できている人はどのくらいいるでしょうか。

ほんの一握りだと思います。言行一致というのは非常に難しい反面、それがもつ力というのが絶大的であるというのも本書が教えてくれることの一つです。

様々な企業をみると、そこには企業理念やクレドなり規範なりと掲げているお題目が必ずあります。行動指針と言ったりもしますが、それらには何の意味があるでしょうか。

そこには企業やその組織が守るべき信念が描かれており、行動によってしか形成されない文化が存在します。

例え、ユーザーファーストであると言っても行動では蔑ろにすることが多かったりすると何の効力も発揮しません。

ではリーダーなりが決めた企業文化を規定する行動指針は不変のものであるべきかというと、それに対して著者はNoと告げています。

優れた文化とは状況に合わせて変化させていくことであるとも書かれています。

時代やビジネス環境が変化していく中で最適な形で変化していくことが重要なのだと感じます。

本書では主にリーダー向けに書かれている部分が多いですが、一介の平社員にとって文化を考えることの何が大事なのかについて考えていきましょう。

これは一重にリーダーのみが実践する行動は文化とは呼ばないからです。

文化と書くとわかりにくいのでムーブメントと置き換えてなんとなくニュアンスを変えてみるとわかりやすいのですが、例えばリモートワークが流行っているというのはどういう状況でしょうか。各企業の社長のみがリモートワークしていて社員たちは出勤しているとするとそれは「流行っている」ことになるのでしょうか。そうはならないかと思います。

ただムーブメントはどちらかというとボトムアップな集団の中で発生する行動ですが、厳密には企業文化はトップが規定する方向性のように感じます。

その向きに対して全力でコミットして組織を動かしていくというのが社員としての行動ではないでしょうか。こう書くとあたかも奴隷のように感じられますが、そこは共感する場合においてという風に留意してください。

トップが規定した方向性や行動倫理に関して共感すればコミットして動かしていく、共感しない場合かつ社会的倫理観にもそぐわない場合は異なる動き方をするかその場を離れるかの二択です。

どこまで自分ごと化して行動していくかが文化変容の一つの起因になるかもしれません。

優れた環境に優れた人材が集まるように自分たちが優れた方向に進んでいかなければいつまでも現状維持の状態からは抜け出せないかと思います。

強い組織を作るのはトップの行動ではなく自分自身の行動によるものだと感じています。

最後に

起業家に向けて企業文化としての指南書としても読むことができれば、自分株式会社をアップデートさせるための自己啓発書としても捉えることが可能です。

最近働くということはその企業文化やそれが反映されたサービス・プロダクトに自分自身が一票投じているようなものだと思っています。

もちろん比喩であり、社員数が多い企業が素晴らしいサービスを持っているとは一概に言えませんが、自分たちが社会をより良い方向にするとすれば無視できない投票行動かと思います。

そうなると行動することとしては、所属する組織にて成果を上げ良い文化を作り上げていくのに尽力するか、良い企業文化を持つ企業に転職するかです。

ただ後者に関してはなかなか外部からは見極めが難しい部分もあり、前者を行う中で自分と組織をアップデートさせていき、るろうに渡り歩いてくのが今の戦略のひとつかもしれません。

ただ自分が重要だと思っている事柄に対してフルベットしていく姿勢というのは曲げてはならないかと思います。
それでは、また。


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