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【人に学ぶ】「広報は経営のサポーター」

昭和と平成を駆け抜けたIC界のトップランナーMさんに聞く

ざわざわメンバーはそれぞれIC業界周辺でさまざまな人脈を持っています。中には長く広報の仕事に携わった大先輩も。今回は、そんなお一人を囲んで雑話座輪しました。

「広報」を基礎から築いた23年間

1975(昭和50)年に入社した会社で、定年を迎える2013(平成25)年まで、38年間を勤め上げたMさん。4人の社長の秘書を務めながら、23年余りの長期にわたり広報業務に携わりました。Mさんの会社は産業界の装置・機器から材料まで幅広く扱う大手企業。その後、グループの産業機器保守サービスの会社に異動しました。いずれも堅実だけど地味めで、一般の人にはあまり馴染みのない会社です。
 
入社6年後に社長室に異動になり、秘書業務と広報業務を担当。その頃、社外向けの広報活動はあまり行われておらず、広報とはほぼ社内報制作だったそうですが、1990年代にMさんは特命を受けて企業理念構築やCI(コーポレート・アイデンティティ)活動などで大活躍。実績を買われて1994年の広報課の新設に伴い初代広報課長を任されました。当時は企業の社会的貢献が注目を集めており、Mさんも社長から相談を受けて著名人を招いての科学フォーラムを企画したところ、10年も続く人気のイベントになりました。
 
広報業務の体系を整えるところから始め、数多くの新しい試みにチャレンジし、華やかな受賞歴を誇る社内報をも生み出した広報パーソンであるMさんに会社員人生を振り返っていただきました。
 

Q 広報の仕事の美味しいところはどんなところですか?

「会社の経営の一端を担えるところ。世の中全般にアンテナを高く張り、社内外の必要な情報を経営者に伝えたり、会社はどうするべきかを提案したりできる仕事はやりがいがあったよ」
確かに経営と広報は距離の近い関係ですよね。
 

Q 辛かったこと、嫌だなと思ったことはないんですか?

「たくさんあった。今では考えられないだろうけど、社長から何度も『お前はクビだ!』『もう明日から来なくていい!』と叱られたし、経営をサポートする社内プロデューサーとして企画から実施まで担うことへのプレッシャーも半端じゃなかったし」
なるほど。嫌なことがあっても耐えたんですね。
 

Q それでもたくさんの結果を残せたコツは何ですか?

「怒鳴られても叱られても、めげずにコミュニケーションをとったことかな。嫌なヤツだなあ、苦手だなあと思う人ほど近づいていって、懐に飛び込むようにしていた。懐いてくる人間は誰でも可愛くなってくるものだからね。すぐに『クビだ!』と怒鳴る社長も、人間的には愛があって、個人的にも世話もしたし、世話にもなった関係だった。メセナのイベントは提案時の予算を遥かに超える金額がかかってしまったんだけど、社長は喜んでくれて長く続いたしね」
叱っても怒鳴っても凹まずに言いたいことを言ってくるMさんは、社長にとってもありがたい存在だったんでしょうね。
 

Q 今、現役で広報担当をしている方にアドバイスするとしたら?

「自分が広報業務を長く続け、やりたいことはやったと思えるのは図々しかったからじゃないかと思うんだ。社内はもちろん、社外の人にもわからないことは聞きにいった。1回でわからない時は何回でも。相手が社長でも、有名人でも遠慮はしなかった。知りたい、やりたいという気持ちはいつも持っていた。世の中も、仕事のやり方もずいぶん変わったから、僕の時代のことが今通じるかどうかは疑問だけどね」
いえいえ、時代が変わっても、人と人の関係には変わらないものがありますから、Mさんのアドバイスから得られるものはたくさんあると思います。今でもいろいろなことに好奇心いっぱいのMさんはその頃とちっとも変わっていないんですね。いじられキャラ、愛されキャラの秘密を垣間見た気がします。

まとめ:藤野まゆみ


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