【#テレ東シナリオコンテスト】死神と呼ばれた男 ※原案：人生リハーサル abさん

■ドラマテーマ：人生ドラマ

abさんの【人生リハーサル】をテーマに考えました。

■ドラマあらすじ：概要

主人公のタケシは、恋人のエミを高齢者が運転する車の交通事故で亡くしてしまう。
警察から事故の概要を駆けつけた病院の霊安室で聴くタケシ。
どうしてこんな事故が起きてしまったのか。
天に【今日をもう一度やり直したい】と強く祈りながらエミのそばで泣き続けた。
泣きながら寝てしまったようで目を覚ますと事故の日の朝だった。

警察から事故の詳細を聴いていたタケシは仕事を休み、事故を発生させた高齢者のもとに向かう。

本人を説得しようとしても運転する事を止めない高齢者。
このままでは、また事故が発生してしまう。
焦ったタケシは高齢者を口論の上で突き飛ばして怪我をさせてしまう。
警察に逮捕されてしまい会社からも解雇されてしまうタケシ。

しかし、タケシは自分のした事を後悔してはいなかった。
恋人エミの命を救う事ができたのだ。

それからというもの【何度かやり直しとなる日】があった
最初は不思議に思っていたタケシだったが、やり直しができた日はギャンブルや株などでお金を手に入れる事は容易かった。

お金を得た幸福感と恋人エミの命を救った充実感があるタケシは、自分に余裕がうまれて
【何故に繰り返しがある日があるのか】を考えるようになる。

そして【事件や事故】によって遺族が強く祈った時に自分だけが、その日をやり直しできるのではないかと考えるようになる。

いつ【繰り返しの日】が発生しても良いように毎晩のニュースを細かくチェックする事はタケシの日課となった。

そして繰り返しの日が発生した時は、その事件や事故が発生しないように現場に向かい『最悪の事態』が回避できるように努めるのだった。

完璧に回避できる事もあれば、事件や事故は発生するが『怪我』で終わる事もある。

ある日SNSやネット上で『死神を見つけた』と話題になった。
タケシだった。
事件や事故の現場の近くに高確率で居合わせている事を偶然に発見されたのだ。
検証サイトや写真などでタケシが現場にいる事がSNSやネット上で拡散されていく。

世間は騒然となった。
道をあるけば死神扱い。
警察からも事情聴取に呼ばれてテレビや週刊誌のカメラからも常に追い回された。
自分が行ってきた事は本当に正しい事だったのか自問自答するタケシ。

憔悴したタケシは恋人のエミに一方的に別れを告げて、翌早朝に人目を避けるように一人、駐車場に向かうのだった。

◎最後のオチ：
早朝の駐車場で待つ、恋人のエミを見てビックリするタケシ。

エミは自分は『事故の夢を見ていた』と感じていたがネット上などの騒ぎを見て自分がタケシの持つ不思議な力によって助けられたのではないかと考えていると話す。

これまであった不思議な体験を恋人のエミに全て包み隠さずに話すタケシ。
エミは全てを納得したようにタケシに伝えた。
『信じられないかも知れないけど、これは2日目なの。タケシが体験したように私は霊安室で昨晩泣いていた。隠れている記者の車を高速道路で振り切ろうとスピードを出しすぎて交通事故でタケシは、死んでしまうわ。』

言葉を失うタケシ。しばらく、二人の間に時が止まったように感じた。
タケシはエミの忠告を聴き二人で駐車場を離れるのだった。
しっかりとした朝の光が射し込んだ。