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小説、のようなもの

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物語になりきれない物語たち
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記事一覧

さよならの5分前

恋人と別れる時って、中々気が滅入るものだ。 振る時も、振られる時も。 そんなことを考えな…

oil
1か月前
23

言えなかった気持ちは、ため息に変わって消えた。

「何飲む?」 僕がそう聞くと、彼女は食い気味に答えた。 「ビール!」 その勢いに、思わず…

oil
8か月前
112

君のいない毎日

仕事帰り、よくコンビニに立ち寄る。 ここで雑誌を立ち読みして、明日の朝食を買って帰る。そ…

oil
1年前
37

僕と君はカタラーナとブリュレのようで

「カタラーナとブリュレって、何が違うか知ってる?」 彼女にそう聞かれた時、僕は少し考える…

oil
1年前
52

【短編小説】さよなら純真

「こんなことなら、最初から好きにならなきゃ良かった」 「それ言うの、今日だけで何回目よ」…

oil
1年前
25

君の好きな音楽を好きになりたかった

「好きなバンドとかいるの?」 大学の時付き合っていた女の子に、そんな質問をしたことがある…

oil
1年前
74

【短編小説風】ミニマリスト

最近、ミニマリストという言葉を知った。 大量生産・大量消費の現代社会において、必要最低限なものだけを揃えるライフスタイルを送る人を指す言葉。 自分が所有する物を厳選することで、生活が豊かになるという。 試しに、部屋にある余計なものを捨ててみた。 狭いと感じていた部屋にゆとりのある空間が生まれ、景観が美しくなった。 こうなると、今度はクローゼットの中も気になってくる。 社会人となると土日しか私服を着る機会はないし、ある程度数を残せば充分だろう。 そう考えた僕は、余計な服

【短編小説】友達に追加しました

僕には、一人も友達がいない。 通っている高校でも同級生とほとんど話したことがない。 昔か…

oil
1年前
29

【短編小説】人生ログアウト

友達との会話に詰まると、インスタを開く。 ここ数年はそれが当たり前になってきた。 このカ…

oil
1年前
48

僕と家庭教師の不思議な関係~後編~

時は2005年。 当時15歳の僕は、様々な事情からイケメン家庭教師の家に通うようになり。 そして…

oil
1年前
46

僕と家庭教師の不思議な関係~前編~

あなたは、知り合いがセックスしているのを見たことがありますか? 実は、僕は人生で一回だけ…

oil
1年前
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【短編小説】3月20日

ずるずるずる。 朝のラーメンは沁みる。 隣を見ると、海斗のラーメンはもう残り半分ほどにな…

oil
2年前
19

どうせなら命張って生きないとな

24歳の頃、中学と高校が一緒だった同級生が亡くなった。 今からもう7年前の出来事だ。 彼は高…

oil
2年前
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ストーリー・オブ・ファーストキス

「まだ着かないの?海」 こういう時は、大体言い出しっぺが一番最初にボヤき始めるものだ。 街灯が、僕ら4人の歩く影を地面に照らし出している。 「1時間かかるって言ったじゃん」 大学から歩いて1時間で海に行ける。 それを聞いて、最初に行きたいと騒ぎ始めたのは啓介だった。 にも関わらず、こいつは身勝手にも表情を曇らせる。 「財閥の息子だから歩くの苦手なんだよ。ヘリ呼んで、ヘリ」 「お前んち豆腐屋だろ」 悪態を突く啓介に、先頭を歩く潤一がツッこんだ。 こいつの会話における