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映画を観たよ# 『市子』

市子』
(2023年)
125分
監督 戸田彬弘
主演 杉咲花
日本
映画館:アイシティシネマ(長野県山形村)

ついに!長野県にも来たぞ!と思って、短い上映期間ギリギリに観に行けました。それなりに映画館あるのに、何で村の映画館1件でしか上映してないねん!と思いながら、ちょっと前(先月)に観に行ったのですが(書くの遅くなっちゃった)、最近、街でも上映され出したようで、うれしい。
ついに、彼の映画が観れて、本当にうれしい。



「この味、好き。」

「お祭りの焼きそば、好き。」

自分はこういうものが好きだと、小さく笑う市子の姿が愛おしい。
「好き」と言えることが、縛られた中での自由さを感じた。


こんなことあるのか、
映画も舞台も、時にそんな実際に起こっている・起こりうる現象(問題)に光を当ててくる。
自分たちが生きている世界は、実はこんなことに溢れている、と。

寝て、起きて、仕事行って、時にちょっとふてくされてみたり、サボったり、都会よりも多い星を眺めながら、
「ああ今日も終わったな」
「明日だな」
なんて思っている毎日が、どういうものかって考えさせられる。

隣で笑っている彼女が、彼が、自分と同じように生きてきたなんて、
何で思っていたんだろう。

不思議なバランスの中で私たちは生きている。
それを自力でつかみ取ろうとする市子の姿に、自分は生きているとはっとさせられる。

自分が見ているような切り取られた映像が、よりリアルに感じ、生々しかった。

存在しないはずの「市子」の、
ただ普通に生きていきたいという叫びが苦しかった。


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