ドーナッツの孤独
材料こねて円形にして
穴をあけて揚げる
一度完成してしまえば
そいつはもうドーナッツ
半分に割っても
もっと細かく切っても
チョコレートをまとっても
それはもうドーナッツ
ミスターが食べても
貴婦人が食べても
現役を退いたアスリートが食べても
そいつはもうドーナッツ
あの伯爵が食べていたら
ゲームの時に食べていたら
名前は変わっていたのだろうか
でもドーナッツはドーナッツ
最近行列は見ないな
でも消えないな
どこにでもあるもんだな
ドーナッツ
そして今僕は
あの歌に出てくる
「穴のあいた男」に憧れる
「穴のあいた男」に一人で憧れる
でも僕は僕のままなのだろうか
ドーナッツの孤独は続く
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