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着太りするタイプのチキン南蛮

今日久しぶりにスーパーのお惣菜を買ってみた。近所のスーパーはいわゆる激安スーパーで、安さと引き換えに、整然とした陳列、照明の明るさ、店員さんの接客、床の汚さ、客層そのすべてを最低レベルまで落とした洞窟みたいなスーパー。

寝不足の影響なのか、疲労がえぐかったのか、正常な判断を失っていた私は、でっけえでっけえチキン南蛮と目が合ったと感じたその刹那、気が付くと我が家の狭い食卓で相対していた。

無我夢中で食らったそのチキン南蛮は、肉2:衣8の仕上がりで、言うまでもなくその激安スーパーならではの仕上がりだった。

もはやチキンではなくサギだった。
そうか、着太りするタイプだったのか。
ならばしかたない。

がっかりしたのは事実だが、悲しいことばかりではない。
こういった明らかに身体によくない油を、何も考えずに胃袋にぶちこむ行為からでしか得られない栄養がきっとあるはずなのだ。

その証拠に、サギ南蛮をものの数秒で食べきった私は、おそらく笑っていた。
旨かったから?面白かったから?
その笑みの意味は私にもわからない。

ただ、大きな大きな衣をつけて少しでも自分を大きく見せようとしている彼の姿にどこか自分を重ねて気恥ずかしかったのかもしれない。

身体に優しい物?そんなのくそくらえだ。適当に生きていても、明日はやってくる。
大きな衣を脱ぎ捨ててありのままで生きていても、思ったより丈夫だった自分がちょっと好きになりそう。

どんな明日が来るかはしらないが、寒くなるかもしれないから、一枚多めに着こんでいくか。

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