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“夜”を歌った曲たち~曲に慰められたいわけじゃない~

私は、「夜」がテーマの楽曲が大好きだ。

今日は私がなぜ夜がテーマの楽曲を好むのか、個人的な理由と考えを書いて行きたいと思う。


背中を押されたいわけじゃない。

「夜」は、暗さやマイナス、ネガティヴなイメージを感じる人が多いだろうと思う。

時間も遅くて暗い。
帰宅して1人になる人もいれば、寝付けない人もいる夜。
切なくて、マイナスな気持ちになりやすい時間帯ではないだろうか。
1日を振り返って反省をしたり、疲れた体を引きずって家に帰ったり、といったイメージがある。

圧倒的に「昼」や「朝」の方が明るく、活力的でポジティブなイメージを抱く人が多いだろう。

明るい楽曲は、昼や朝、それに等しいような言葉や曲調の音楽が多かった気がする。
「今日も元気で行こうね!」とか「張り切っていこうね!」「恋も仕事も学校も楽しもう!」みたいな雰囲気の曲が多い。
それは恋愛ソングからポップな曲から、アイドルの曲まで幅広い。

音楽で元気になろう!!みたいな雰囲気が強い気がしていた。

明るい楽曲を聴いている時、それが自分の機嫌が良くて何事もうまくいっている時なら、ノリノリになれるほど楽しく聴いていられる。

私は夜を歌った楽曲が好きだが、別に明るい時間や季節を歌った曲が嫌いなわけではない。

ただ、失敗してしまった日の終わり、失恋した夜、なんとなく切なくて寂しい夜、感傷的で郷愁的な気分の時、私は背中を押してほしいと思わないのだ。

これは本当に人によると思うが、少なくとも私はそう思っている。

わかりにくい例えだが、夜の感傷的な気分や寂しい気持ちの時、「頑張ってね!」「元気出して」「明日はもっと良くなる」みたいなことを言う友人より、ただ隣にいてくれる人を望むような感じだ。

背中を押してほしいわけじゃない。
強く共感してほしいわけじゃない。
ただ隣で寄り添ってくれるような音楽がほしい。
これらの条件にぴったりと当てはまるのが夜がテーマの曲だった。


浸りたくて、肯定されたくて。

夜は感傷的な気分になる。

静かで、暗くて、場所によっては虫の声だったり、車の音が聞こえたり、昼とはがらりと変わる。

夜は何となく切なくて感傷的な気分になる。

でもそれと同じくらい特別な気分になって、夜更かしや夜食、飲酒、誰かのことをずっと考えること、小さなことから大きなことまで、「今だけ。夜だけ。今夜だけ」と思ってしまう。行動にうつしてしまう。

それは自分一人でやっていることなのに、誰かに肯定されたくなったり、「今夜だけ許して」と言いたくなる。

夜に浸る特別感、感傷的な気持ちを歌にした曲が、夜がテーマの楽曲には多いと感じる。

それらの楽曲を聴く度に、私は曲に肯定されている気がして、心置きなく曲と共に夜に浸ることができる。

波がなく、進行形な楽曲。

夜がテーマの楽曲は、進行形?現状維持?な曲が多い。
進行形?現状維持とは?ってなると思うので、うまく言葉で言い表せないかもしれないが例を出してみる。

失恋から始まっても、いい意味で特にアクションがなく終わる。変に励ますでもなく、新しい恋に身を入れるわけでもない。“失恋そのもの”を歌っている。

実らない片想いを歌った楽曲でも、伝えることや行動に移すことはしない。片想いをした状態で始まり、それで終わる。

深夜徘徊をしている楽曲も、特に目的がないまま歩いているようなことを歌詞にしているが、どこかに着くわけでもなく誰かに会うわけでもなく楽曲は終わる。

それらは歌詞に波がなく、まっすぐで聴きやすい。

こういった歌詞の曲を聴いていると、懐かしい場所や時間を思い出したり、過去の好きな人を思い出したりもする。

過去形の気持ちや進行形の気持ち、現状維持になっている関係や時間を考えることで、アクションをおこすことや無理にポジティブになろうという気持ちが薄れる。未来のことや明日のことを無理に考えなくてもいい気がしてくる。


結局は夜が好きで、ずっと浸っていたい。

言い表せないけれど、結局私は多方面で「夜」が好きだ。

曲以外にも、夜景や雰囲気、時間帯、月、星空、夜に共通する言葉など色々と好きだ。

夜に酔っているな、と自分でも思う。


最後にはなるが、私が普段聴いている夜がテーマの楽曲の紹介とURLを貼っておく。

皆さんに素敵な夜をお裾分けいたします。

【クロノスタシス/きのこ帝国】
(https://youtu.be/cCx4I4Fk5FE)
私の中で、夜のエモーショナルな楽曲といえばきのこ帝国だ。
中でも「クロノスタシス」は、映画「花束みたいな恋をした」で登場人物たちが口ずさんでいたので、それで知った人も多いはずだ。
恋人がコンビニまで缶ビールを買いに散歩をしている楽曲。私は、曲中に出てくる歌詞“holiday’s midnight‘という歌詞がすごく好き。散歩しているだけの楽曲なのに、ロマンチックで夜のひんやりした、でもどこか暖かい空気を感じる。

【金木犀の夜/きのこ帝国】
(https://youtu.be/bdOGh2q4184)
もう一曲もきのこ帝国。
「だいたい夜はちょっと感傷的になって」から入るあたりが、冒頭からもう私の中でかなり好きな部分だ。
深夜、恋人や別れた相手を思い出して、話したくなったり会いたくなったりすることはあるだろうか?
そういう人には共感できる楽曲だと思う。

【逃亡/ヨルシカ】
(https://youtu.be/T535kqz3mgw)
この楽曲は雰囲気がジャズっぽいところと、”夏の夜“という最高の条件を持ち合わせた楽曲。
この楽曲を聴いていると、夜更かしが無条件に肯定されている気がする。
この曲に出てくる漫画「よふかしのうた」も夜をテーマにした物語でとても面白いので、二つ合わせて是非。

【ブルーベリーナイツ/マカロニえんぴつ】
(https://youtu.be/Euf1-3WRino)
失恋を悔やんでいる楽曲。
失恋というものがリアルに、且つ綺麗な歌詞になっている曲だと思う。
サビの中毒性が高くて、MVも夜を感じて好き。
別れた恋人への未練が拭えなくて、夜ずっと考えてしまっている、そんな状況の楽曲化。
【帝国少女/R Sound Design】
(https://youtu.be/hUaVxNUCbc4)
私の知っているボカロ曲で、これに勝る夜曲はないと思っている。
都会的な雰囲気の歌詞、MV、失恋ソングなのにまるでそれを感じさせない歌詞をしている。
深夜の都会で歩きながら聴きたくなる。
人混みをこの少女になった気分で歩きたい。
R Sound Designさんの曲は、他も夜がテーマの楽曲が多いのでぜひ。
【夜が降り止む前に/花譜】
(https://youtu.be/hUaVxNUCbc4)
サビの中毒性がとても高い。
MVは実写とバーチャルが混ざり合った世界線、花譜さん特有のMVをしている。
花譜さんの歌声と夜にマッチする歌詞が合わさって、エモーショナルな雰囲気を作り出している一曲だと思う。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

URLの埋め込みができるかわからなかったので、そのまま貼っておきました。

気になる方は是非、URLコピーやタイトル検索などして聴いてみてください。

めちゃくちゃ好きな曲たちなので、素晴らしさは保証します。

このどうしようもないくらいの夜好き、誰か共感してくれたら嬉しいです。

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