日本人のメンタリティが、「投げる」と「打つ」を分ける

持論である、日本人が「投げ」が得意で、「打つ」が苦手というのを、前回記載してみた。

「投げ」というのは、結果が見えやすい。
140キロ投げたら、やった結果というのがパッとわかる。


140キロ投げた人に対して、気をつかうといえば、投げすぎで肩を痛めるな、とかそういう部分だろう。逆に現代だと、投球数を増やし過ぎても文句言われるくらいだ。

柔道の投げにしても、指摘がシンプルですむ。
さらにいうと、柔道の投げは理論が徹底しており、相手の動きを受けながら「ここは、こう!」と説明できる。

実体験で説明がつくし、ある程度の有段者であれば、自分だけの投げ方を持っており、それを説明する事ができる。その説明の仕方も、

「一般的にはこうやねんけど、俺はこうしてる。」

という、基本と応用を分けて説明する事ができる人が多い。

まして、投げの能力と結果がシンプルに出る。
強ければ勝つし、弱ければ負けるし。

棟田などは、中学時代に警察柔道の大人相手にボコボコに投げまくってたというし。


ハンマー投げなどは、室伏広治という異次元の存在があるものの、父親の代からずっと映像に残してきたという結果がある。そのうえで、その日の実力が、距離でそのまま現れる。シンプル。


対して「打つ」という行動は?

まず、野球から考えると、よく言う、

「どれだけ一流選手でも、3割しか成功しない。7割は失敗。」

という理論を、何故かアマチュアには適用しない。


まぁ、ここから先は、野球は観るだけでやった事のない人間の話だが、日本社会の象徴なのでだいたい当てはまってるんじゃないですかね?

仕事してて言われる内容と同じような事が言われてるだと想像するわけです。

まず、何故3割打てたら優秀かといえば、バッティングというのは色んな物事が同時に発生する。

・球種の駆け引き
・実際に投げ込まれたボール
・自分自身のフォーム
・ランナーの状況
etc,etc・・・

しかし、結果として指導者の指示は、

「コンパクトに打て!」

とだけ。

高校野球で、イチローの真似をしてフォークボールをワンバンしたボールを打ってヒットになった所で、怒られるわけです。

ボクシングの打撃も同じだと思います。
どれだけ、良いパンチを打とうとも、カウンター食らったら終わりです。
逆に、よくわからん手打ちのパンチになったとしても、当たり所良ければダウンを取れるわけです。

そんなこんな色々あった結果、指導者の指示は、

「脇をしめて打て!」

というもの。


まぁ、実際の現場では多少かわるかもしれませんが、当たらずとも遠からずというものでしょう。
要は、日本社会は、

「結果じゃなく過程」

という建前の言葉が好きで、その「過程」を大事にし過ぎた結果、「過程の結果」というのを直視できない・・・。書いてて、ごちゃごちゃな説明になってしまいました。

次回は、「社会人の仕事」という観点から、投げと打つの違いを書いてみたい。