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シーン16:本格喫茶 昭和 -池袋でタイムスリップする話(カフェ、コーヒーが好きな理由)

以前、王田珈琲専門店の紹介をしてからずいぶん時間が経ってしまった。5月中にこのシリーズを完結させるつもりでいたのだが、どうにも自分と向き合って文章を書くようなテンションにならなかったのは、前回の「私の人生の応援ソング ベスト5」の前書きで書いたとおりだ。

さて、前回までは社会人になって、1年目は東京に居たものの、2年目には早々に実家のある京都に帰ってきて、京都でカフェ開拓を進めていた話だった。そんななかで、社会人3年目の年度末に2度目の東京行きが決まった。

東京といっても、社宅は埼玉ということで、毎日県境をまたいで満員電車に揺られる生活が始まった。社会人1年目の時も合わせると、もう4年以上、埼玉県民をやっていることになる。

そんな埼玉県民の私は、今でこそ、休みの日でもほとんど外に出ずに過ごしているが、ほんの数ヶ月前まで休みの日は用事もなく、電車に乗り東京へと向かっていた。その2回に1回くらいが池袋だ。

池袋はご存知の通り、「埼玉の植民地」あるいは「埼玉の首都」といわれるほど、埼玉県民の集まる要所だ。さらに、池袋サンシャインの近くにはオタク女子の聖地である「乙女ロード」があったり、北口あたりは猛者が集まっていそうな歓楽街だったり、そうかと思えばオシャレな公園やその脇にブルーボトルコーヒーがあったり、とにかくカオスだ。自分が埼玉県民だからなのかもしれないが、私はそんなカオスな池袋でうろうろするのが結構好きだ。

少し脱線になるが、「もし京都が東京だったらマップ」(著:岸本千佳)という本がある。この本では「四条大宮は赤羽っぽい飲み屋街」「岡崎は上野っぽい文化的エリア」など京都と東京のエリアの共通点が記載されているのだが、京都の「鴨川」と東京の「池袋」だけは、お互いどこのエリアにも例えられない、と記載されている。

この本を読んだとき、「自分が池袋に惹かれる理由は、京都にない場所だからだ」と確信した(これは長くなりそうなので機会があればまた別記事で詳細を語りたい)

随分前置きが長くなったが、そんな京都のどことも違う街、池袋でカフェ、喫茶店巡りをしている。その中でも、私が行きつけにしているのが、今回紹介する「本格珈琲 昭和」だ。

場所は、池袋駅西口から徒歩5分、東京芸術劇場の裏側にあたるエリアで、北口の歓楽街からは少し離れているが、飲食店は多い。そんなエリアの何でもない普通の雑居ビルの地下1階にお店はある。

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地下へ続く階段を下りている途中から、焙煎した珈琲豆の香りが漂ってくる。そして、扉を開けると、昔の映画のポスターなんかが貼られていて文字通り、昭和に少しタイムスリップしたようだ。木のカウンターや革張りのソファ席など、喫茶店っぽい内装だが、喫茶店独特のタバコの匂いがしないせいかカフェ感もあって、決して純喫茶とは違う。

コーヒーはシングルオリジンが4種類か5種類だったか、産地ごとに味の説明がしっかり書いてある。そしてブレンドは、深煎りでしっかりした「昭和ブレンド」とやや浅煎り・すっきりめの「平成ブレンド」の2種類。(最近行けてないが今や「令和ブレンド」もあるのだろうか?)

濃い目のコーヒーが好きな私は当然「昭和ブレンド」の方が好きなのだが、実は「昭和ブレンド」はSold Outになっていることが多く、10回くらいお店に通っていて、まだ2回くらいしか飲んだことがない。

駅の反対側にあるジュンク堂で本を買って、買いたての本を開けて、一人でにやにやしていることが多いのだが、以前、「お酒が弱いので2軒目として喫茶店によく行く」という話から、飲み会後に職場の上司を連れて行ったこともある。

「こんな店知ってんだね、いいじゃん」

すっかり埼玉県民が板についてきたと思った瞬間だ。それからも東京でもカフェ・喫茶店めぐりを続けている。



もう1店舗、池袋で紹介したいのは「珈琲蔵」という喫茶店だ。こちらは正統派純喫茶という感じであるが、以前水出しコーヒーの会で紹介済みなので割愛する。

あと3、4回くらいでこのシリーズが終わる予定なので、よろしくです。

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