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20050220 内掛けハンドル

 自動車を運転していると内掛けハンドル$${^{*1}}$$をしている人が非常に多いことに気付く。特に女性に多い。これは愛知県だけの現象なのか、それとも全国的な現象なのか。とにかく目立つ。

 何故こういったハンドル操作が蔓延しているのか分からないが、この内掛けハンドルというのは危険極まりない。

 「内掛けハンドル」というのは、ハンドルの握り部分を内側から握って下に動かすハンドル操作である。これをやるには握りの部分を内側から掴むので手の平をわざわざ上向けなければならない。余分な動作が入るのになぜこんなことをするのか。

 ハンドルを回す時の力を軽減するパワーステアリング$${^{*2}}$$がなかった頃、内掛けにした方が回しやすかったらしい。その頃の名残だという。前輪が止まった状態でハンドルを動かすのは確かに重い。こういった時には内掛けで回すのも一つの方法だろう。しかし前輪が動いている時はパワーステアリングがなくても普通の持ち方で充分回る。現行の自動車でパワーステアリングが装備されていない自動車は殆どないのだから内掛けハンドルをやる必要はない。そもそもそれを見かけるのは運転中の自動車だから前輪は動いている。内掛けハンドルをやる全く理由がない。

 内掛けハンドルは危ないのだ。内掛けハンドルを切った状態では何か危険を回避するための咄嗟の動作ができない。また危険回避のために急ハンドルを切る時、手の平を返す分だけ動作が遅れる。普段はハンドルを切る角度によって内掛けにするかそうしないかを適宜決めて運転しているはずだ。これが緊急になるとどちらにするかジレンマ$${^{*3}}$$に陥ってしまい動作が完全に止まってしまう可能性も出てくる。最悪なのはハンドルの握りの内側に手を差し込む時、ハンドルの上方に来たスポーク$${^{*4}}$$に手が当たって操作が何もできなくなる場合もあり得る。

 とにかくハンドル操作を間違えば、他車や他人を巻き添えにする可能性が非常に高い。自己責任の範疇を越えているのである。意味がなくて、しかも危険が伴う内掛けハンドルはすぐに止めて欲しい。

*1 安全運転のポイント
*2 Howstuffworks "How Car Steering Works"<
*3 20010405 ジレンマとトリレンマ
*4 51-2.gif

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