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20090509 ごぼさま

 名古屋の東別院$${^{*1}}$$を爺さん婆さんは「ごぼさま」と言う。読み方は最初の「ご」の音が高い。「○○(二音)様」の場合は名古屋弁でなくとも、大抵は「高低低低」の発音になる。「上様」「ヨン様$${^{*2}}$$」「ぜん様$${^{*3}}$$」など、最初の音が高い。「殿様」のように「低高高高」の場合もある。

 今まで語源は何であるかと気にしたことはなかったが、ふと「御坊(ごぼう)様」ではないかと思った。「御坊」で寺院の尊称$${^{*4}}$$の意味になるが、更に尊称の「様」を重ねて最上級の尊称になっている。御尊父様、御母堂様、△△閣下殿、□□上人様と同じ類いだ。御坊様が少し短くなって「ごぼさま」になったのだろう。元々の意味からするとお寺はみんな「ごぼさま」になり得るが、この用語を頻繁に使う宗派$${^{*5}}$$の人口や寺院の規模によって固有名詞化したと思われる。

 名古屋では、僧侶のことを「おっさま」と言うことがある。和尚様が変化した。和尚は禅宗$${^{*6}}$$だから、浄土真宗$${^{*7}}$$の「ごぼさま」には「おっさま」はいない。「ごいんじゅ(御院主)」もしくは「ごえんじゅ(ごいんじゅの転訛か)」だ。しかし名古屋では宗派に関係なく「おっさま」と呼ぶ場合が多い。

*1 トップ|お東ネット|真宗大谷派名古屋別院(東別院)|東別院会館|名古屋教区|教化センター
*2 ぺ・ヨンジュン公式サイト
*3 ぜんまいざむらい
*4 ごぼう 【御坊/御房】の意味 国語辞典 - goo辞書
*5 真宗大谷派(東本願寺)TOMO-NET
*6 BUDDHA WORLD/仏教を学ぶ/鎌倉仏教/禅宗
*7 ほぼ日刊イトイ新聞 - 親鸞 Shinran

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