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20000726 ペルチェ

 連日の猛暑で空調施設のない我が家のコンピュータが不安定になっているような気がした。先日$${^{*1}}$$コンピュータのCPUカードを高速で低消費電力のものに換えた$${^{*2}}$$。低消費電力なので放熱板だけで冷却用のファンが付いていない。だからファンによる騒音が以前よりも減った筈だった。

 ところが部屋の温度が上昇してくると普段見かけないシステムエラーが頻出した。どうもCPUの冷却が放熱板だけでは不十分のようである。冷却用のファンを付けなければならないのか。折角、音が静かになったにもったいない。そこで電子冷却を採用しようと考えた。これならば音がしない。

 電子冷却はペルチェ効果$${^{*3}}$$を応用した冷却装置である。ペルチェ効果とは異種金属や半導体の両端を接触させた閉回路に電流を流すと、一方の接続点で熱の吸収が起こり、他方で発熱する現象である。そしてこの接点を沢山直列にしたもの$${^{*4}}$$をペルチェ素子$${^{*5}}$$という。

 この現象は可逆である$${^{*6}}$$。接点に温度差があると接点間に電圧が発生する$${^{*7}}$$。この現象をゼーベック効果$${^{*8}}$$という。これを利用した製品に時計$${^{*9}}$$がある。腕の体温と外気温との温度差でゼーベック効果を使って発電$${^{*10}}$$し、その電力を使って時計を駆動する。耳式体温計$${^{*11}}$$の殆どはこのゼーベック効果を使って体温を測定している。

 結局、ペルチェ素子による冷却は諦めた。ファンに比べて素子の消費電流がかなり大きいこと、結露を起こしてその結露水によってコンピュータが故障する可能性が出てくるなど多くの問題$${^{*12}}$$がありそうだからである。

 小型ファンをCPUカードの放熱板に強力両面テープ$${^{*13}}$$で貼り付けた。システムエラーは出なくなった。CPU温度も30℃ぐらいになった。騒音は増えたのかどうかよく分からない。

*1 20000701 税関
*2 20000703 いい買い物
*3 ペルチェ効果(電気→熱)
*4 ペルチェ
*5 高性能の熱電材料開発に成功
*6 ゼーベック効果
*7 ペルチエ熱電池の製作
*8 体験!ゼーベック効果
*9 サーミック | セイコーウオッチ 後期 | THE SEIKO MUSEUM セイコーミュージアム
*10 SEIKO - Press Release - 1998/11/16
*11 テルモ耳式体温計M30
*12 CPUをペルチェで冷やす?
*13 アクリルフォーム構造用接合テープ

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