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20010516 ゼーベック

 温度差を利用して発電機などを回すことなく発電することが出来る。異種の金属や半導体を接合して、その接点に温度差を与えると温度差を与えた接点の両端に電圧が発生する。この現象はゼーベック効果$${^{*1}}$$と呼ばれる。

体温と外気温の温度差を利用して発電する腕時計$${^{*2}}$$がある。1998年発売だが、店頭では全く見かけたことがない。

 ゼーベック効果を使った発電の実用化はかなり昔からある。ゼーベック効果が発見されたのは1821年らしいからそれ以降の話ではある。それは旧ソ連で電力事情の悪い地域にラジオを普及させる目的$${^{*3}}$$で開発された。

 そのラジオ用の熱発電はランプの熱を利用した。ランプの傘に熱発電素子を装窒して発電する。照明と発電が一緒に出来て、しかもランプの熱は元々捨てていた物だから全く無駄がない。ラジオの電源を供給するために電線を敷設するよりもずっと安上がりな方法である。

 昼間にラジオを聴く時にいちいちランプを点けていたのでは無駄そのものではないか、と考えるかもしれない。そんなことはない。昼間は労働の時間なのでラジオを聴く必要などないのである。

*1 20000726 ペルチェ
*2 SEIKO THERMIC(サーミック)
*3 Left: A Russian thermo-electric generator based on a kerosene lamp キャンドルラジオ

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