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20020801 燃料電池

 日本自動車連盟$${^{*1}}$$の今月の機関誌$${^{*2}}$$にはもう一つ$${^{*3}}$$興味深い記事が載っていた。

 燃料電池搭載の教材用模型自動車が日本で売られている$${^{*4}}$$という。販売は有限会社 テラリウム$${^{*5}}$$という会社で、1台58000円$${^{*6}}$$である。個人で買うには少し高い玩具であるが、どんな仕組みか実際に買って見てみたい気もする。写真を見ると非常に簡単そうな構造$${^{*7}}$$をしている。

 燃料電池の原理$${^{*8}}$$は水の電気分解の逆である。電気によって水は酸素と水素に分解できる。小学生の頃の理科の実験で、水に電気を通りやすくするため塩酸などを入れて実験した記憶がある。この分解の過程を何らかの方法で逆にすれば水素と酸素が化合して水になる時に電気を取り出すことが出来る。

 それにしてもこれを何故「燃料電池」と称するのか。水素と酸素から「燃料」という言葉は連想できない。確かに水素は酸素と化学結合して燃えるので「燃料」ではあるが、連想し難い。

 燃料電池は「fuel cell$${^{*9}}$$」の訳語である。発明したのはイギリスの裁判官であり科学者であったSir William Robert Grove$${^{*10}}$$である。1839年に発明$${^{*8}}$$した。グローブが発明した時は「燃料電池」とは呼んでいなかった。「gas voltaic battery$${^{*11}}$$」である。「ガス電池」であった。この方が解りやすい。

 1889年にLudwig Mond$${^{*12}}$$とCharles Langer$${^{*13}}$$とによって「fuel cell」という言葉が作られた。彼らは空気と石炭ガス$${^{*14}}$$とを使った燃料電池を作ろうとした。石炭ガスだから燃料電池である。

 私が初めて「燃料電池」という言葉を知ったのはかなり前である。アポロ宇宙船には燃料電池が積み込まれていた$${^{*15}}$$というのを学習漫画$${^{*16}}$$で読んだことがあった。アポロ宇宙船を月まで運んだロケットの燃料$${^{*17}}$$は水素と酸素$${^{*18}}$$である。その燃料の一部を使って発電するので「燃料電池」と呼ばれると勝手に思っていた。全くの勘違いであった。

*1 JAPAN AUTOMOBILE FEDERATION
*2 eJAFMATE
*3 20020731 龍河洞
*4 AGN テラリウム、燃料電池で走るモデルカーを7月に発売
*5 Welcome to Terramart
*6 solarList
*7 shampooitem
*8 JGA/天然ガスで発電する燃料電池/原理は水の電気分解の逆
*9 fuel cell. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*10 Grove
*11 Fuel Cell Project: Grove Fuel Cell Drawing
*12 Mond
*13 Fuel Cell Today - Opening doors to fuel cells commercialisation
*14 2 石炭ガス化の歴史
*15 月まで行った燃料電池
*16 20011203 大きく見える太陽と月
*17 固体ロケットと液体ロケット
*18 解説:燃える ロケットはどうして飛ぶの?

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