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20000831 電子メールと電話

 電話と電子メールとではどちらが丁寧な連絡方法か。ビジネス作法帳か何か$${^{*1}}$$を読むと大抵は、電子メールは電話に比べてぞんざいな意志伝達方法であるため使い方に注意を要するとある。

 電子メールの便利なところは受信者が自分の都合で連絡内容を見ることができるところにある。一方、電話は受信者の都合とは関係無しに割り込んでくる。

 それぞれ一長一短があるのだが、作法という面でとらえれば時や場所を選ばず割り込んでくる電話の方が連絡手段としては電子メールよりもぞんざいな方法かもしれない。が、一般的には逆の認識である。

 その連絡方法が丁寧な方法かどうかを判断するにはどうすればよいか。それを使って相手に謝罪をするにはどれが一番丁寧かを考えてみればよい。一番丁寧な方法は相手のところに出向く方法であろう。二番目は手紙を使って謝罪をする。三番目は電話で謝罪する。四番目はFAXで謝罪文を送る。最後に電子メールで済ます。大体こんな順番になりそうである。

 この順番は手軽さの順番である。やはり丁寧と思われるためには手間を掛けないと駄目なのであろう。更にこの順番は手軽さの順番であるが、発明の順番、古さの順番でもある。手軽さを追求するために発明がなされるので、手軽なほど新しい方法になる。

 礼儀作法として良いか悪いかの判断はやはり古くから使われているかどうかの点も決め手になっているような気がする。歴史のある方法が良いというのはその方法が生き残れる理由があるからであって、単に古いから良いのではない、というかもしれない。しかし生き残った方法は当初からも良い方法であった筈なので、古い新しいは一つの判断基準にはなるが、本質的な判断方法ではない。

 礼儀作法での順位付けは、判断基準が簡単である「古いか新しいか」が決め手になっているような気がしてならない。このような本質的な部分と違うところでの判断基準として血液型性格判断$${^{*2}}$$がある。性格は遺伝や育った家庭環境などによって形成されるにも拘わらず、遺伝の結果である血液型が性格に影響していると思い込むのと似ていると言えば似ている。

*1 新社会人のための電子メール作法
*2 お遊び血液型性格判断

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