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20030127 二枚のお札

 豊川稲荷$${^{*1}}$$に行った。稲荷は普通「神社」$${^{*2}}$$であるが、豊川稲荷は仏教系で、曹同宗の寺である。正式名称は円福山妙厳寺という。日本の神々は仏が姿を変えたものだという本地垂迹(ほんちすいじゃく)説$${^{*3}}$$からすると稲荷は荼枳尼天(だきにてん)$${^{*4}}$$というインドの神$${^{*5}}$$の化身と言うことになっている。豊川稲荷には鎮守としてこの荼枳尼天が祭られているのでこの名がある。本尊は千手観音である。

 江戸末期から豊川稲荷信仰が流行しているらしく、その流行は現代も続いている。私もその流行に乗って行ってみた。

 そこで沢山のお札を買ってきた。その中に「立春大吉$${^{*6}}$$」と「鎮防火燭$${^{*7}}$$」というのがある。「立春大吉$${^{*8}}$$」とは立春の日の早朝、禅寺の入り口の左右にはるお札である。立春で大吉とは如何にもおめでたい。しかも左右対称$${^{*9}}$$なので更におめでたい字面である。「鎮防火燭」は火の用心と同じ様な意味だろう。「火」の字が何やら「水」みたいな字になっている。しかも中心からずれているところがいい。本当に「火」の字なのだろうか。自信がなくなってきた。「立春大吉」の上にも何やら変な図形が書いてある。これも気に入っている。

 これらのお札には著作権がある筈だ。おそらくこのお札は団体名義で所有しているだろう。団体名義の著作権の有効期間は公表してから50年間$${^{*10}}$$だから、多分、有効期限は切れているだろう。そう勝手に考えてその画像をここに載せた(※執筆当時の2003年は、まだ著作権法改正前で保護期間は50年だった)。

 お札の効力は電子媒体でも変わらないのだろうか。モニタにお札の画像を描き出した瞬間から効力を発揮するのだろう。ハードディスク上で「1」「0」のデータでは駄目に違いない。

 印刷したらどうなるか。やはり印刷しても効力を同じように発揮するのだろう。何百枚何千枚刷っても効力は薄まらない。不思議と言えば不思議である。しかし考えてみれば「お札(ふだ)」ではなく「お札(さつ)$${^{*11}}$$」でも何枚刷っても価値は変わらないのだから、同じ理屈で効力が薄まらないのかも知れない。

*1 豊川稲荷
*2 Sight-seeing Japan 三大稲荷
*3 goo [国語辞典] 本地垂迹説
*4 goo [国語辞典] だきにてん
*5 20021212 ジャガーノート
*6 rissyun.jpg
*7 chinbou.jpg
*8 goo [国語辞典] 立春大吉
*9 19991223 対称形の名前
*10 はじめての著作権講座 著作権の保護期間はどれだけ?
*11 現在発行されている銀行券

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