20010707 ドップラー効果(2)
光のドップラー効果が何故起こるのか何となく解ってきた。
先月の記事$${^{*1}}$$で光の場合、「自分が運動しているかいないかに関わらず、自分が観測する『光速は一定$${^{*2}}$$』と定義されているので、もし、この宇宙に自分と『光』だけしかなかったら光との速度の差が分からない。どのようにして光のドップラー効果が起こると説明すればいいのであろうか」と書いた。
観測者である自分が等速運動をしているだけであればドップラー効果は起きない。これは運動の状態が変わらないのだから当然といえば当然である。この時、観測者が『光』の周波数を測定する。周波数は単位時間当たりの『光』の波の谷か山の数を数えればよい。例えばこの時、光の谷か山の数が1秒当たり100個あったとしよう。周波数が100Hzということになる。
次に観測者が何らかの力を受けて速度が変化したとする。速度が変化するためには観測者に力がかからなければならない。1秒間で最初の状態と比較して秒速1mの速さになったとしよう。これは何に対して秒速1mと言えるのか。宇宙には観測者である『自分』と『光』しかないのにどうやって速度を知るのか。光速は常に一定だから光に対しての速度ではない。
この相対速度というのは力がかからなかった『自分』に対しての速度である。もし力がかからなかったら『自分』はそのまま等速運動を続けるはずだ。この仮想の『自分』と現実の『自分』との速度の差が相対速度と言うことである。この考え方は慣性系$${^{*3}}$$と呼ばれる。
観測者は自分の慣性系の中で光の周波数を測定する。自分の慣性系の中で光の谷か山を数えるのである。光は誰の慣性系に関係なく一定速度で伝搬すると定義された。観測者は自分の慣性系の中で動いているので、その動きの方向が光の来る方向になっていれば最初の止まっている時よりも早めに数え終り、逆に光の向きと反対であれば遅めに数え終える。これは音のドップラー効果と同じである。従ってもの凄い速度で運動する宇宙船に乗っていれば光のドップラー効果を自分の目で確かめることが出来るのである。
宇宙戦艦ヤマト$${^{*4}}$$ではワープの瞬間に森雪$${^{*5}}$$の裸体を拝むことが出来る。これは単に小中学生男子へのサービス$${^{*6}}$$ではなく、実際に起こりうる現象だと言える。宇宙船がほぼ光速に近づいてくるとヤマトに向かって降り注ぐ星の光や宇宙全体からの黒体輻射$${^{*7}}$$はドップラー効果により周波数がどんどん高くなりX線$${^{*8}}$$程度の電磁波になる場合がある。そうなれば服を透視するぐらい簡単である。透過しすぎて骨が見えてしまっては、元も子もない。
X線なんて肉眼で見えないじゃないか、といわれるかも知れない。その通りである。それはそれ、テレビや映画の世界なのだ。船内に撮影用のX線撮像カメラ$${^{*9}}$$が装着されている可能性は十分ある。
*1 20010616 ドップラー効果
*2 19991002 光の速度
*3 4次元時空の旅
*4 ★宇宙戦艦ヤマト発信!★
*5 ヤマト生活班々長を務める美少女
*6 19990731 アプローチ英和辞典
*7 インフレーション理論
*8 X線博物館
*9 Teledyne DALSA :計量学 - 研究所 - DirectIndustry
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