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20020510 鮫(2)

 「鮫」という漢字は、鮫が交尾をする$${^{*1}}$$ので「魚偏に交わる」と書いて「サメ」を意味するようになった、と書いたことがあった。

 しかし大抵の漢和辞典で調べてみると「歯が交わる」様子から「鮫」という漢字ができたと書いてある。他の魚偏の字を見てみると、「$${^{*2}}$$」ならば「平らな魚」、「$${^{*3}}$$」は「雪の季節によく捕れる魚」、「$${^{*4}}$$」の旁の「里」はすじの意味で鱗に「すじがある魚」となっている。鱈は和製漢字$${^{*5}}$$だが、中国でも使われているらしい。

 生活に密着した物事を表す漢字が成立するためには、その文字を使う大多数の人々が「確かにその通りだ」と思われなければならなかったのではないか。皇帝や学者が新しいそのような漢字を作って「この漢字を使え」と言われて広がるのではないだろう。

 鮫が交尾をする様子がしょっちゅう見られるとはとても考えられないので、交尾が語源となって「鮫」という漢字が成り立つとは思えない。やはり鮫の口の様子から出来上がった字ではないだろうか。

 大漢和$${^{*6}}$$はまだ見ていない。調べておく必要がある。

*1 20010729 鮫
*2 ヒラメ
*3 福井県海産魚類図鑑-マダラ
*4 コイ
*5 20020509 アラビア数字の訓読み
*6 20000305 座右の銘

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