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20021107 goods & bads(2)

 日本語でも「bads$${^{*1}}$$」のような言葉はないだろうか。

 「関西」という言葉はこの類のようである。ただ、「bads」と違って、概念が新しく作られたのではなく、概念も言葉自体も対称性を保つために作られたようだ。「関西」についてはこのページ$${^{*2}}$$を読んで知った。

 英語の「good」は「良い」という意味であるが、「商品」という意味もある。これに対して「bad」は「悪い」という意味であるが、「bad」を「good」のように名詞として使えば、「悪いこと」とか「悪」とか抽象的な物事を表すだけである。それを「商品goods」の対義語として「bads」に商品を作ったあとに出てくるような「廃棄物」$${^{*3}}$$と言う意味を与えた。

 「関西」は「関東」の対義語として出来た。

 関東とは今では東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城の一都六県の総称である。昔は畿内にある京の都を守る愛発(あらち)$${^{*4}}$$、不破(ふわ)$${^{*5}}$$、鈴鹿(すずか)$${^{*6}}$$の三つの関より東の東国一帯を指していたが、鎌倉時代以降は三つの関の意味が無くなってしまったので、足柄、箱根、碓井峠以東の坂東(ばんどう)$${^{*7}}$$の地を指すようになった。関東という言葉が定着したのは室町時代に関東管領$${^{*8}}$$が設置されてからのようだ。

 一方、「関西」の範囲は関東のように明確ではない。日本を七つの地方に区分するときは北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、四国地方、中国地方、九州地方となり、「関西地方」という呼び方はない。ただし「近畿」という言葉は比較的新しく明治30年代に出来た言葉らしい。五畿内に近隣の国を加えた範囲という意味である。

 この畿内を守るために設けられたのが上記の三つの関である。従って畿内が中心であるのでその東の方にある東国は「関の東」であるが、畿内は「関の西」ではない。あくまでも畿内は日本の中心であるので「関の西」という概念は江戸時代になるまではなかったのではないか、と考えられるそうである。

 他にもこの類は沢山ありそうだが、どうも思いつかない。

*1 20021106 goods & bads
*2 ノーマル雑学掲示板
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*6 関宿まちかど館
*7 30 関東地方(坂東)
*8 白龍亭・関東管領

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