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20071122 平仮名入りの名字

 平仮名入りの名字はないだろう$${^{*1}}$$と思っていた。平仮名は女文字$${^{*2}}$$だ。女手とも言う。女性が使う文字という意味である。それに対して「男手」は万葉仮名を指した。漢字が「真名$${^{*3}}$$(まな。真の文字)」という意味であるのに対して、仮名は「仮の文字」という意味である。男手は漢字を仮名(表音文字)として使うので、「真がな」と言うこともあったらしい。片仮名は万葉仮名の一部を使ってできた仮名という意味になる。

 名字は家の名前である。昔から家は血の繋がった男子が受け継ぐのが主流なので、名字というものは仮名を使うとしても男手から作られた片仮名までで、女文字である平仮名を使うことはないだろうと勝手に考えていた。

 「管の 」「北の」「露の」$${^{*4}}$$といった名字があるらしい。「の」は「乃」が原型で、片仮名の「ノ」も同根だから純粋に平仮名入りの名字とは言えないかも知れない。佐久間 英$${^{*5}}$$氏の「珍名奇名」には「開き」「名な」と言う名字があった。これも「き」「な」それぞれ片仮名と平仮名とが同源で、字母$${^{*6}}$$が「幾」「奈」である。

 「あ(安→あ、阿→ア)」とか「る(留→る、流→ル)」が入った名字なら平仮名入りの名字として本格的だろう。

*1 20011022 「々」
*2 ひらがなの美学 - とんぼの本・編集者のことば
*3 20050720 ワと○
*4 かな混じり名字・TypeB・C
*5 姓・名字・苗字の全国ランキング
*6 ひらがな、カタカナの由来


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