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20061203 場当たり的な進化

 マラリア病$${^{*1}}$$の原因であるマラリア原虫$${^{*2}}$$は赤血球に寄生する。

 アフリカには赤血球の形が丸ではなく潰れてしまって「鎌型$${^{*3}}$$」になってしまっている赤血球を持つ人が多くいるらしい。丸い赤血球に比べて毛細血管で詰まって壊れやすいので、この鎌状赤血球を持つ人は貧血になりやすいと言う。その症状がひどければ、死に至る場合もあるらしい。しかし、この赤血球を持つ人はマラリア病に罹り難いと言われている。マラリアに罹った時、マラリア原虫が鎌状赤血球に寄生しても毛細血管で壊れてしまうため、マラリアに対して抵抗性を示す場合があるようだ。

 鎌状赤血球をマラリアに対するヒトの進化だと考えれば、その進化は「場当たり的だ$${^{*4}}$$」と考えている人がいる。マラリアの抵抗力との引き換えに貧血になるのだから上手い解決方法ではないと言うのだ。

 計画的な進化など考えられないのだから、進化は「全て場当たり的」である筈だ。上手く進化した様に見えるのは偶然なのだろう。

*1 感染症の話 [マラリア]
*2 吸血刺咬昆虫の生理活性分子の探索と作用機構の解析
*3 マラリアと鎌状赤血球症 34701ctw.gif
*4 ゑれきてる~新ヒューマンサイエンス 現代人の心と身体

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