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20070204 このわた

 「このわた$${^{*1}}$$」という食べ物がある。なまこ$${^{*2}}$$の内臓の塩辛のことで非常に高価だ。従って食べたことがない。おそらくないと思う。過去に海辺の旅館などに泊まって、もしかしたら酒の肴にでてきたかもしれない。そうだとしても全く憶えてないので、食べたことがないのと同じである。珍味中の珍味と言われているので、記憶に残らない筈がない。やはり食べたことがないのである。

 この「このわた」の語源が、瓶詰めのこのわたの箱に書いてあるのを見かけた。そこにこう書いてあった。昔、三河の殿様にこのわたを献上した時、殿様はこれを非常に気に入りこの肴の名前を家来に尋ねた。すると家来は名前を聞いていなかったが、見た目が何かの内臓らしいので「このわた(はらわた)は・・・」と言いかけたところ、殿様は「『このわた』か」と了解して、それが広まったらしい。それにしても愛知県の三河の特産$${^{*3}}$$とは知らなかった。佐久島$${^{*4}}$$の産らしい。

 カンガルーの語源$${^{*5}}$$に似ている。カンガルーの語源が疑わしいようなので、「このわた」も何となく作り話のように思える。

 なまこは古くは「$${^{*6}}$$」と呼ばれていたらしい。何も加工していないまたは生きていない生の「こ」が「なまこ」、加工した「こ」は「いりこ」「ほしこ」など$${^{*7}}$$という。従って「『こ』のわた」という身も蓋もない語源説が正しいような気がする。調べていく内に「からすみ$${^{*8}}$$」も同じような語源説$${^{*9}}$$があることを知った。江戸時代からすでに特産品の宣伝文句が考えられていたのであろう。

*1 珍味処なまこや 能登の逸品このわたやくちこ
*2 なまこ
*3 島おこし
*4 愛知県 一色町 佐久島 オフィシャルホームページようこそ佐久島へ
*5 カンガルー - 語源由来辞典
*6 ナマコ・海鼠(なまこ) - 語源由来辞典
*7 美味しん坊・なまこ
*8 (有) 野屋のからすみ
*9 からすみ - 語源由来辞典

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