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20040228 鍼で魚を眠らせる方法

 魚を鍼で眠らせることが出来るという。雑誌で知った。何のために眠らせるか。活魚を輸送する場合、起きたままだと大きな生け簀$${^{*1}}$$が必要となるが、眠らせておけば生け簀の大きさは最小限になる。

 眠らせると言っても一旦寝てしまうとその魚は一生起きない。人間に食べられるため料理されても目覚めることはない。鍼で眠らせるととは言っても本当に眠っているのではなく、脊髄を損傷させて運動機能を麻痺させているのである。人間の鍼灸$${^{*2}}$$とは全く違う。眠らせる方法は鰓から細い針状の道具を使って、魚の脊髄を損傷させるらしい。「鍼で眠らせる」というのは針状の道具で運動機能を麻痺させてしまうという意味だった。

 鰓蓋をめくって脊髄を刺すので魚の外観には全く損傷を与えないので商品価値が下がらない。更に薬品などで麻痺させるのではないので食品健康上全く問題もない。半生半死のままなので鮮度も保たれる。非常に優れた輸送方法である。

 この輸送方法は特許出願$${^{*3}}$$されている。この活魚輸送法を事業にしている会社$${^{*4}}$$がある。魚一匹一匹に針を差し込まないと「眠らせる」ことができないので、非常に手間が掛かる。大量輸送にはあまり向かないかも知れない。

 この方法の特許出願はあまり意味がないかもしれない。出願すれば魚を鍼で眠らせる方法が公開される。これを元に同じ事業をすることが可能になる。方法の特許は侵害を証明するのが難しい。やり方を真似されても「真似をしている」という根拠を明らかにするのは簡単ではない。従って実施が簡単で有益な方法に関わる特許は出さない方がいい。

 活魚を輸送する人にとって生け簀の水の重量は無駄である。魚を輸送したいだけなのにその何十倍の水も一緒に運ばなければならない。魚を眠らせれば動き回らないので生け簀の大きさは小さくなる。いっそうのこと水が要らない活魚の輸送方法までに水準を高めた方がいい。

 「鍼で眠らせた魚」は殆ど動かないので、鰓を湿らせておく工夫をしておけば、水が無くても湿った酸素だけで生かせておくことができるかもしれない。

*1 アース活魚輸送用機器
*2 とやま健康パーク[四部医典タンカ タンカ40]
*3 JP_H11_318268.jpg
*4 おさかな企画

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