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20021006 ウンキョウ

 久しぶりに亀を捕まえに出かけた。娘と娘の友達との三人で行った。目的の亀はイシガメである。出来れば今年生まれた亀を捕まえられれば非常に嬉しいが、そんな贅沢は言ってられない。イシガメが捕まえられれば、それで御の字である。しかし余り大きいのも駄目である。家の水槽では大きい亀は直ぐ逃げてしまう$${^{*1}}$$。

 家の直ぐ近くの池$${^{*2}}$$にイシガメがいることは判っている。しかし皆、甲長15cm以上の大きな亀である。この池の周りは木や草が鬱蒼としていて亀をすくうのが難しい。そこで自動車で少し行った所にある池に行った。周りは全て田圃で、今は農業用水が完備されて機能していないだろうが、稲作のための溜池である。

 池の中を覗いてみると、この辺りの他の池と同じようにミドリガメばかりが泳いでいる。ミドリガメを捕るつもりは全くないので、池の畔でミドリガメ以外の他の亀が浮かんでくるのをじっと待っていたら娘達は飽きてしまって辺りに生えているすすきで遊びだした。

 待っていてもなかなか亀が見えてこないので子供達をすすきで遊ばせておいて、一人で池の周りを歩いてみた。暫く歩くと稲刈りが終わった田圃の水溜まりの中で私の足音に反応して水の中で激しく動き回るものがいた。蛙かと思ったら亀であった。しかもミドリガメではなくイシガメのようだ。早速、たも$${^{*3}}$$ですくって捕まえた。甲羅の長さは8cmぐらいで丁度いい大きさである。

 娘達に亀を見せると面白がって甲羅を指で触っていた。田圃の中にいたので甲羅には泥が付いていたが、そんなのはお構いなしの様子だった。

 捕まえた亀をよく見てみるとイシガメではない。甲羅にはキールと呼ばれる縦線が3本ある$${^{*4}}$$。しかも顔にはまだら模様がある。どうもこれはイシガメではなく、クサガメ$${^{*5}}$$のようだ。しかし甲羅の後ろの方はイシガメのようにギザギザ$${^{*6}}$$になっている。からだ全体の色はイシガメに近い。

 家に持ち帰ってから使用済みの歯ブラシで甲羅の泥を落とした。色は図鑑などに載っているクサガメ$${^{*7}}$$と随分違う。もしかしたらイシガメとクサガメとの間の子$${^{*8}}$$の「ウンキョウ(ウンキュウ)」かもしれない。それにしても自然界で頻繁にそんな亀が出来るものだろうか。謎である。捨て亀かもしれない。

*1 20020607 イシガメが帰ってきた
*2 20020615 イシガメを逃がした
*3 関連器具 タモ網 1/2ページ
*4 ヌマガメ科3種とスッポン科1種の見分け
*5 kusagame クサガメ
*6 isigame イシガメ
*7 クサガメ
*8 石臭亀(イシクサガメ)

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