短編小説【ブタの足、ヘビの足】
今週の裏お題は「三分豚足」
【ブタの足、ヘビの足】
ある日、毛利博士は、どんな食べ物でも3つの味に分けられる機械を発明した。基本的な要素を分離することで、それぞれの味を楽しめるようにできる。
博士がデモンストレーションに選んだのは、豚足という地味な料理だった。自信満々にボタンを押すと、機械が音を立てて動き出した。
数分後、3つの料理が出てきた。それぞれの料理には、元の豚足の一部が入っていて、香ばしさ、甘さ、うま味に分かれていた。世界的な料理評論家が一口ずつ試食、観客は固唾を呑んで見守った。
一口ごとに顔が微妙になる評論家。「…なるほど」と頷く。「豚足の魅力は、味のバランスにあります。分離してしまうと、その調和が崩れてしまうのですよ」
博士は驚いた。かえって元の料理の良さを際立たせてしまったのだ。
この「三分豚足」の話は世界中に広まり、「全体は部分の総和よりも偉大である」ということを思い出させてくれた。技術革新が進む世界でも、自然のままがいいということを示す好例となった。
(410文字)
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