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中学受験は親に感謝

二月の勝者という中学受験を題材にしたテレビドラマが流行っているので、私の中学受験時代の話をしたいと思います。

私の人生を振り返っても最も大きなターニングポイントは中学受験だったと思います。中学受験を機に自分の人生が良くも(悪くも?)変わっていきました。

まずは自分の経験や中学受験について思っていることを書いていきます。

・中学受験は最も過酷

私は高校受験はしていないので何とも言えませんが、中学受験は最も過酷な受験だと思います。

中学受験は今まで頑張ってきた成果を2月の1,2,3日の主にこの3日間で発揮しなければなりません。大学受験みたいに大学によって受験日が異なっていたりしないので、もし1月31日に風邪を引いてしまったら、夜寝れなかったら。

そして小学生の彼ら彼女らにとって初めての人生の難関に立ち向かうわけです。

当時、私も相当なプレッシャーと闘っていました。どうやって克服したのか具体的には覚えていません。

しかし唯一母は私が勉強が終わるまで寝ないで見守ってくれたことは覚えています。私が最後まで受験勉強を続けることができたのは母が見守ってくれたおかげです。

・中学受験は誰もが出来るものではない

お子さんのいる家庭ならよく分かると思いますが、教育にはとにかくお金がかかります。これは日本だけでなく世界中どこでもそうです。

中国は最近一人っ子政策を取りやめ、子供を何人も作ることを認めるようになったのですが、子供の教育費を含む養育費が高騰しすぎて普通の家庭では産みたくても産めない状態が続いているようです。

さて日本の話に戻しますが、有名なSAPIXで一体1年間にいくらかかるのかを調べてみました。驚愕です。6年生の1年間で134万円です!!私立大学の文系の1年間の学費よりも高いです。もし仮に4年生から3年間通っていたら265万円これに交通費やテスト代などもろもろ合わせると約300万円。誰もが簡単に払える額では到底ありません。もし子供が2人3人といたらと当然2倍3倍と金額は増えていきます。勉強は非常に贅沢なものだと分かります。

・中学受験は親に感謝

中学受験はとても過酷であり、誰もが出来るものではありません。親の献身的なサポートがなければ間違いなく私は合格を勝ち取ることができなかったと思います。塾の最終登校日の時、塾長の先生が私たち児童に「2月1日を迎える前に皆さんのご両親に感謝の言葉を言いましょう」と言っていました。受験勉強で戦っていたのは自分だけではありません。ご両親にとっても長い戦いであったのです。もちろん主役は子供ですが、毎日面倒を見たり、ご飯を作ったりするのも立派な仕事で苦労も多いと思います。

受験は1人の力でできるものではありません。親のサポートがなければ確実に合格を勝ち取ることができませんでした。本当に両親に感謝しています。


ありがとう!



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さて少し話が変わります。

私は現在独身で子供もいませんが、将来、自分の子供に中学受験をさせたいかについて考えてみました。

・終わりのない競争の世界に入り込んでしまった

当たり前ですが中学受験はゴールではありません。むしろ始まったばかりのスタート地点です。

中学に入ってからも同級生との競い合いは継続されます。大学受験も就活もゴールではありません。

私は中学受験の時にこの終わりのない競争の世界に足を踏み入れてしまったのだと後になってわかりました。資本主義というか競争主義というか。

この決断が良かったのか悪かったのか自分でもよくわかりません。隣の芝が青く見える時もあれば、自分の芝が青く見える時もあります。

あと、親の考えであったり言動が子供に悪い形で似てしまうのは避けたいところです。

つまり「あんなバカとつるんでいたらお前までバカになってしまうぞ」みたいな言動を親がしていたら、子供もそれに影響を受けて「お前こんな問題も出来ないのかバカだな」と発言するようになります。

最後で少し述べますが、勉強ばかりしていると勉強が全てと思ってしまいますが、そんなことは全くありません。勉強ばかりしているせいで勉強している人が偉いんだ、勉強してない奴はゴミだというのは人間には決してなって欲しくありません。


・親の顔色を伺うようになってしまった

親には感謝している面ももちろんあるのですが、中学受験時を境に私は親の顔色を伺うような子供になってしまったなと感じることがありました。勉強が嫌になって逃げ出したくなっても
「ここで逃げ出したら母さんは悲しむかな。」
「ここで辞めたら今までの塾代が無駄になっちゃうな。父さんが一生懸命働いて稼いできたお金なのに」などなど。
私が心配し過ぎだったのかもしれませんが、子供にこのような思いをさせたくないなとは思います。間違っても「母さんはこんなに頑張ってサポートしてあげているのに」なんてことは決して言ってはいけないと思います。子供は親が想像する以上に察する力に優れている。

ドラマ二月の勝者の中でも「僕が勉強辞めたらママがパパにいじめられちゃう」と言っていた子供がいます。自分が勉強しているのは自分のためではなく親のためになってしまいます。そんなのそんなの本意ではありません。


ネガティブなことが続きましたが、ポジティブなこともあります。

・勉強は幼いうちからやっておいた方がいい

勉強は小さいうちからやっておいた方がいいというのは間違いありません。今まで全く勉強してこなかったのに大人になってからいざ勉強を開始するのはものすごく大変です(もちろん無理ではありません)。

勉強に限ったことではありませんが、何をやるにも若い時から始めるのに越したことはありません。若い時の方が頭も体も柔らかい。年を取れば取るほどどんどん硬くなっていきます。若い時の方が吸収も早く対応も柔軟にできます。

ただし若い時の方が柔軟に対応でき吸収が早いのは勉強だけではありません。スポーツにしても音楽にしても芸術にしても同様なことが言えます。頭も体も柔らかい時期に何をすべきなのかはよく考えた方がいいと思います。

・世の中の動きが分かるように


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勉強だけできてもダメ

中学受験本番は2月の上旬。ちょうどインフルエンザやノロウイルスが流行する時期なため、受験本番の1週間前は小学校に行かず、塾だけ通ってました。小学校はダメで塾はOKなんて論理がめちゃくちゃですが、多分、小学校で友達に会うと遊びたくなって勉強に支障が出ると思ったから、母親がそうさせたのでしょう。
塾の最終登校日の休み時間、同じ塾に通う小学校の友達が会いに来てくれました。小学校はクラスが同じでしたが、塾では別のクラスでした。僕が行かなかった間にあった小学校での出来事を友達は話してくれました。
「受験お互い頑張ろうな!」「終わったら、いっぱい遊ぼうぜ!」と最後に言って彼は自分の教室に戻りました。その時「勉強だけできてもダメなんだな」と強く思いました。正直あの時の自分に他人を心配する余裕は一切ありませんでした。僕は自分のことしか考えていませんでした。しかし彼はこんな時でも僕のことを心配して、会いに来てくれ、励ましてくれました。勉強ばかりしていると、「世の中勉強が全て」と思い込んでしまいますが、勉強ができるできないなんてほんの一部にしか過ぎず、それよりも遥かに大切なことがあるのだと、受験直前に学びました。


じゃあ、またいつか会いましょう!

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